2016年07月11日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 23.名護の夜

勝連グスクから帰ったサハチ(尚巴志)が、マチルギにグスクの様子を話すと、マチルギは今帰仁グスクを見てみたいと言います。
お嫁に来てしまえば、そんな我がままはできないので、今のうちに見たいと言います。
今、浮島(那覇)にはサイムンタルーの船がいます。
それに乗っていけば今帰仁まで行く事ができます。
サハチはマチルギに敵である山北王のグスクを見せる事に決め、父の許しを得ると、ヒューガ、マチルギ、サムと一緒に浮島に向かいます。
浮島は相変わらず賑わっていて、初めて来たマチルギとサムは驚きます。
サイムンタルーの船は明から帰って来る進貢船を待っていました。
サハチたちが浮島に来た三日後、進貢船は帰って来ました。
それから十日後、サイムンタルーの船は船出し、その日のうちに今帰仁に着きます。
今帰仁グスクを見たマチルギとサムは、改めて敵討ちの決心を固めます。
ミヌキチの家に顔を出すと、ミヌキチは驚いた顔で、サハチたちを迎えますが、危険だと言います。
マチルギとサムの素性がばれたら殺されるとミヌキチは言いました。
ミヌキチの家に一晩お世話になったサハチたちは名護に向かいます。
名護に向かう山中で何者かに襲われます。簡単に敵を倒す事はできましたが、首謀者らしいサムレーに逃げられます。
ところが、逃げたサムレーは急に倒れます。調べると石つぶてにやられて死んでいます。
山の中から男たちが現れ、奥間の鍛冶屋だと名乗り、そのサムレーが今帰仁に帰ってサハチたちの事を告げると面倒な事になるので殺したと言います。
その鍛冶屋は最近、佐敷に来たヤキチという名の男でサハチは顔を覚えていました。
ヤキチは奥間の長老に命じられて、サハチの身を守っていると言いました。
どうしてかと聞くと奥間ヌルのお告げがあったと言います。
サハチはヤキチにお礼を言い、一緒に旅をします。
名護ではヤキチの紹介で、木地屋の親方の屋敷にお世話になります。
木地屋の屋敷でサハチは、マチルギがツキシルの石が光ったのを見たと聞いて驚きます。


この年に帰って来た山南王の進貢船には島添大里按司が使者として乗っていました。
明の国を見てきた島添大里按司は考えを変えていきます。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
サミガー大主の孫。父は佐敷按司(サグルー)。

・マチルギ
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。サハチと婚約する。

・サム
伊波按司の四男。マチルギの兄。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。サハチの師匠。
サハチにとって重要な人物となる。
「陰の流れ 第一部」に智羅天として登場。愛洲移香斎に気合いの術と彫刻を教える。

・ハリマ
ヤマトゥの山伏。浮島の宿屋の主人。

・サイムンタルー
中尾左衛門太郎。対馬の倭寇の頭領、早田三郎左衛門の次男。
妻の実家の中尾家を継いでいる。

・ミヌキチ
今帰仁城下に住む刀の研ぎ師。
妻は先代の今帰仁按司の妹。娘は伊波の若按司の妻。

・ヤキチ
奥間の鍛冶屋。サハチを守るために佐敷に送られる。

・ユシチ
木地屋の親方。


尚巴志伝

2016年07月07日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 22.ウニタキ

サハチ(尚巴志)とマチルギの婚約が決まり、佐敷グスクでは拡張工事を始めていました。
そんな頃、勝連按司の三男のウニタキがサハチを訪ねて来ます。
勝連按司が亡くなり、ウニタキは急遽、中山王、察度の孫娘を嫁にもらう事に決まったと言います。
ウニタキは鮫皮作りが見たいと言い、サハチはウニタキを連れて、祖父、サミガー大主の作業場に連れて行きます。
勝連に来るヤマトゥンチュも鮫皮を欲しがるので、勝連でも鮫皮を作りたいとウニタキは言います。
作業場を見学したあと、浜辺で話し込んでいるうちに夕方になってしまい、サミガー大主の離れに顔を出すと、ヤマトゥンチュの船乗りたちが酒盛りを始めていました。
サハチとウニタキも加わって、夜遅くまで騒いでいました。
翌日、ウニタキは鮫皮の作業場を見せてもらったお返しに勝連グスクを見せてやると言います。
サハチはウニタキと一緒に勝連に行き、グスクの中に入りました。
勝連グスクは素晴らしく、一の曲輪からは四方が見渡せました。
サハチは景色を眺めながら、島添大里グスクを奪い取りたいと思っていました。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
サミガー大主の孫。父は佐敷按司(サグルー)。

・マチルギ
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。サハチと婚約する。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。サハチの師匠。
サハチにとって重要な人物となる。
「陰の流れ 第一部」に智羅天として登場。愛洲移香斎に気合いの術と彫刻を教える。

・ソウゲン(宗玄)
元の国で修行を積んだ禅僧。佐敷按司の家臣となり、サハチたちの読み書きの師になる。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。佐敷按司の家臣。

・伊波按司
先代の今帰仁按司の次男。マチルギの父。

・ウニタキ
勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘を妻に迎える。

・サミガー大主
サハチの祖父。馬天浜で鮫皮造りをしている。

・イブキ
ヤマトゥの山伏。ウニタキの師匠。


尚巴志伝

2016年07月04日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 21.再会

ウニタキとの試合で引き分けたマチルギは佐敷に戻って厳しい修行を続けていました。
約束の二か月後、ウニタキは現れませんでした。ウニタキの父親の勝連按司が急に亡くなってしまったためでした。
マチルギが佐敷に来て五か月が過ぎ、娘たちが武術の教えを請うようになっていました。
武術は男がやるものと思い込んでいた娘たちが、マチルギを見て、女も武術をしてもいいんだと思うようになり、マチルギに憧れます。
佐敷按司の許しが出て、マチルギが娘たちに剣術を教える事になります。
マチルギは自分の修行も途中なのに、人に教える事なんてできないと断りますが、苗代之子は人に教えるのも修行になる。毎日、夕方の二時間だけだからやってくれと頼みます。
マチルギは仕方なく、引き受けます。
初めの頃は面倒くさいと思っていたマチルギも、だんだんと娘たちに教えるのが楽しくなっていきます。
今まで、同年代の娘たちと一緒に遊んだ事もなかったマチルギは、稽古のあとに娘たちから色々な話を聞くのも楽しいと思うようになります。
マチルギの教え子の中には馬天ヌルと佐敷ヌルもいました。馬天ヌルはマチルギよりもかなり年上なのに、マチルギをお師匠と呼んで、真剣に稽古をしていました。
いつものように山の中で修行していたら、サハチ(尚巴志)が帰って来たと教え子の娘が知らせてくれました。
マチルギは馬天浜に向かいます。馬天ヌルと佐敷ヌルも来ていて、三人でサハチを迎えます。
マチルギはサハチを見つめ、知らずに涙がこぼれてきます。
マチルギとサハチは砂浜を歩きながら積もる話を語り合います。
その晩、帰国祝いの宴が開かれ、その宴にはマチルギも呼ばれていました。マチルギが家族たちに歓迎されている事を知ってサハチは喜びます。
次の日の夕方、サハチはマチルギと約束の試合をして、引き分けます。試合を見ていた娘たちが二人に喝采を送っていると、ウニタキがマチルギを訪ねて来ます。
ウニタキはマチルギに幸せになって下さいと言って去って行きます。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
サミガー大主の孫。父は佐敷按司(サグルー)。

・マチルギ
伊波按司の次女。後に尚巴志の妻になる。

・サム
伊波按司の四男。後に尚巴志の家臣になる。

・苗代之子(なーしるぬしぃ)
尚巴志の叔父、佐敷按司の弟。剣術の名人。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。佐敷按司の家臣。

・クマヌの奥さん
島添大里の武将の妻だったが、夫は戦死し、娘と一緒に城下の焼け跡をさまよっていて、クマヌに助けられる。

・マチルー
クマヌの娘。

・美里之子(んざとぅぬしぃ)
佐敷按司の義弟。武術師範。

・佐敷按司
尚巴志の父。

・馬天ヌル
尚巴志の叔母。

・マシュー
尚巴志の妹。馬天ヌルのもとでヌルの修行中。佐敷ヌル。

・サイムンタルー
中尾左衛門太郎。対馬の倭寇の頭領、早田三郎左衛門の次男。
妻の実家の中尾家を継いでいる。

・クルシ
早田三郎左衛門の重臣。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。
サハチにとって重要な人物となる。
「陰の流れ 第一部」に智羅天として登場。愛洲移香斎に気合いの術と彫刻を教える。

・サミガー大主
尚巴志の祖父。伊平屋島出身で、馬天浜で鮫皮作りをしている。

・ウミンター
尚巴志の叔父。鮫皮作りを継ぐ事になっている。

・ウニタキ
勝連按司の三男。勝連に来たマチルギを見初めて嫁に請う。


尚巴志伝

2016年06月27日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 20.兵法

対馬の和田浦に移ったサハチ(尚巴志)とヒューガは、イトとサワと一緒に楽しく暮らしていました。
イトとサワもヒューガから剣術を習い、サハチはマチルギに勝つために山に籠もって修行に励みます。
ヒューガから読み書きを習い、兵法書も読んでいました。
10月の半ば、イトの母親が倒れてしまい、イトは土寄浦に帰ります。それでも、五の付く日には必ずサハチに会いにやって来ました。
12月の半ば、サハチは初めて雪を見て感激します。
12月の暮れには明国に行っていたサンルーザたちが無事に帰って来ました。
サハチたちは土寄浦に戻り、サンルーザに再会して明国の話を聞きます。
年が明けて、いよいよ、帰国の日が来ました。
サハチはイトに一緒に来ないかと誘いますが、イトは断ります。
母親が心配だし、言葉も通じないし、お城の中で暮らすなんて耐えられないとイトは言いました。
サハチは必ずまた来るとイトに約束して、別れを告げます。
船出の前、サハチはサンルーザから土産をもらいます。前から欲しいと思っていた刃渡りが三尺近くもある太刀でした。
それと、「三つ巴」の旗と「八幡大菩薩」と書かれた旗ももらいました。

「三つ巴」は八幡様の神紋で、サハチはそれを家紋にする事に決めます。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
サミガー大主の孫。父は佐敷按司(サグルー)。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。
サハチにとって重要な人物となる。
「陰の流れ 第一部」に智羅天として登場。愛洲移香斎に気合いの術と彫刻を教える。

・イト
イスケの娘。娘たちの姉御的な存在。
サハチの事を父から聞いて、いつか会えるとサハチとの出会いを待っていた。

・サワ
ヒューガが琉球に行く前、対馬に滞在して仲よくなった後家。
夫は高麗で戦死、9歳の息子と7歳の娘がいる。
サハチとヒューガの食事の面倒を見てくれる。

・サンルーザ
早田三郎左衛門。対馬の武将。倭寇(わこう)の頭領。
サミガー大主と鮫皮の取り引きをしている。

・サイムンタルー
中尾左衛門太郎。対馬の倭寇の頭領、早田三郎左衛門の次男。
妻の実家の中尾家を継いでいる。

・シンゴ
早田新五郎。サンルーザの五男。

・マツ
松太郎。サンルーザの配下の息子。


尚巴志伝

2016年06月24日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 19.マチルギ

サハチ(尚巴志)が対馬でイトと仲よくやっていた頃、マチルギは勝連按司の息子からお嫁にほしいと言われます。
敵討ちの事しか考えていないマチルギは断りましたが、いい縁談だと父親に説得されます。
マチルギは仕方なく、もし相手が自分よりも強かったらお嫁に行くと言います。
断ってくるだろうと思っていたのに、相手は伊波にやって来ます。
勝連按司の三男でウニタキと名乗った相手とマチルギは試合をしますが負けてしまいます。
マチルギは二か月後にもう一度試合をしたいと頼み、ウニタキは承諾してくれました。
ウニタキに勝つには今まで通りの稽古をしていても駄目だとマチルギは思い、佐敷に行こうと決心します。
佐敷には武術道場があって、サハチよりも強い人がいるとサハチから聞いていました。
兄たちと一緒に佐敷に行ったマチルギは、山伏のクマヌを頼ります。
クマヌのお陰で、マチルギは武術道場に入って剣術の修行に励みます。
すぐ上の兄のサムがマチルギと一緒に佐敷に残りました。
マチルギの事はすぐに噂になります。
十五歳の娘なのに滅法強い。クマヌがサハチのお嫁さんを探していた事を知っている者たちは、あの娘はサハチのお嫁さんに違いないと噂をします。
その噂はサハチの父親、佐敷按司の耳にも入って、クマヌとマチルギを呼んで、わけを聴きます。
今度負けたら勝連按司の息子の嫁になると聞いた佐敷按司は思わず、「勝ってくれ」と言い、弟の苗代之子(なーしるぬしぃ)にマチルギの指導を任せます。
二か月後、マチルギはウニタキと試合をして、引き分けます。今度はウニタキが二か月後にもう一度試合をしたいと頼み、マチルギはうなづきます。

ウニタキは架空の人物です。マチルギをめぐってのサハチの恋敵として登場させたのですが、このあとの話の展開によって、重要な人物となっていきます。


登場人物

・マチルギ
伊波按司の次女。後に尚巴志の妻になる。

・伊波按司
先代の今帰仁按司の次男。

・サム
伊波按司の四男。後に尚巴志の家臣になる。

・ウニタキ
勝連按司の三男。勝連に来たマチルギを見初めて嫁に請う。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。佐敷按司の家臣。

・マチルー
クマヌの娘。

・佐敷按司
尚巴志の父。

・苗代之子(なーしるぬしぃ)
尚巴志の叔父、佐敷按司の弟。剣術の名人。


尚巴志伝

2016年06月23日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 18.富山浦

サハチ(尚巴志)とイトが仲よくなった事を快く思わない男たちがいました。
その男はサハチに決闘を申し込みますがサハチに負け、諦めるかと思われましたが諦めずに、さらに決闘を申し込んできます。
サハチは決闘の事は誰にも言いませんでしたが、サイムンタルーに知られ、サイムンタルーはサハチとヒューガを朝鮮に連れて行きます。
朝鮮の富山浦(プサンポ)にはサイムンタルーの伯父の早田五郎左衛門がいました。
五郎左衛門は高麗人の娘を妻に迎え、「津島屋」という店を出している商人でした。
サハチは五郎左衛門から高麗の話を聞きます。
サハチの祖父、サミガー大主の作業場には高麗の人たちも働いていましたが、サハチは高麗に興味を持った事はありませんでした。
突然、高麗に連れて来られたサハチは高麗と対馬の関係などを学びます。
サイムンタルーは対馬に帰り、言葉も通じない高麗に置いていかれ、イトにも会えずサハチはがっかりしますが、サイムンタルーがまたやって来て、対馬に帰る事になりました。
土寄浦ではなく、浅海湾の奥にある和田浦という所に連れて行かれました。
和田浦は早田氏の第二の拠点で、サイムンタルーの叔父の兵衛左衛門が守っていましたが、兵衛左衛門はサンルーザと一緒に明国に行っていて留守でした。
サハチとヒューガはサイムンタルーに案内されて、これから暮らす事になる空き家に行きますが、そこには何と、イトとサワが待っていました。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
サミガー大主の孫。父は佐敷按司(サグルー)。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。
サハチにとって重要な人物となる。
「陰の流れ 第一部」に智羅天として登場。愛洲移香斎に気合いの術と彫刻を教える。

・イト
イスケの娘。娘たちの姉御的な存在。
サハチの事を父から聞いて、いつか会えるとサハチとの出会いを待っていた。

・サワ
ヒューガが琉球に行く前、対馬に滞在して仲よくなった後家。
夫は高麗で戦死、9歳の息子と7歳の娘がいる。
サハチとヒューガの食事の面倒を見てくれる。

・サイムンタルー
中尾左衛門太郎。対馬の倭寇の頭領、早田三郎左衛門の次男。
妻の実家の中尾家を継いでいる。

・早田五郎左衛門
サンルーザの弟。
高麗の富山浦に住む商人。妻は高麗人。

・早田次郎左衛門
サイムンタルーの兄。
高麗の富山浦に住む。妻は高麗の商人の娘。
サンルーザと一緒に明国に行っている。

・早田兵衛左衛門
サンルーザの弟。和田浦に住む。
サンルーザと一緒に明国に行っている。


◯高麗の略年表

918年、王建、高麗を建国する。
935年、高麗、新羅を征服する。
960年、中国で宋が建国。
1115年、女真、按出虎水の河畔で、金を建国。
1125年、金、遼(契丹)を滅ぼす。
1127年、金は宋都開封を陥落させて北宋王朝陥落。
1138年、金、南宋の臨安(杭州)紹興、明州(寧波)を陥落させる。
1157年、金、会寧から燕京へ遷都。
1206年、テムジンがモンゴルを統一。
1218年、高麗、モンゴル帝国と同盟する。
1227年、西夏、蒙古に滅ぼされる。
1231年、蒙古(後の元)の侵入が始まる。
1232年、崔氏は国王を連れて都を開城から江華島に移し抵抗する。
1233年、蒙古 金の首都開封を攻略。
1241年、高宗、モンゴルとの講和を請い、貢賦を納めることに同意する。
1258年、武臣の金俊ら 親蒙古を掲げ、崔氏政権を倒し、蒙古へ降伏する。
1271年、蒙古、国号を「大元」と改める。
1274年、高麗軍、元軍と共に日本を攻める。元寇。
1279年、元、南宋を滅ぼす。
1281年、第二次元寇。
1356年、元と断交し、蒙古侵入以前の高麗の領域を回復し独立する。
1358年、倭寇、高麗の角山戊を襲い船300余艘を焼く。
      倭寇のため財政が困窮し、百官の俸禄が支給できなくなる。
1360年、倭寇、高麗の江華島を襲撃する。
1361年、李成桂・鄭世雲が黄州で、紅巾軍に大勝する。
1364年、倭寇、200余艭が高麗を襲撃する。
1368年、明が中国に興り、元を北に追いやる。
1370年、高麗は明へ朝貢して冊封を受けたが、国内では親明派と親元派の抗争が起こる。
1371年、倭寇350艘、礼成江を襲い、兵船40艘を焼く。
1374年、恭愍王、親元派に殺される。
      倭寇350艭が高麗を襲撃。
1375年、済州島で反乱が起こる。倭寇200余艘が済州島を攻める。
1377年、倭寇200余艭が高麗を襲撃する。
1378年、倭寇、京城を攻めるが、李成桂、崔瑩、これを破る。
1379年、倭寇騎馬700、歩兵2000余で高麗の普州を襲撃する。
1380年、倭寇500艘、高麗の鎮浦口に入り、州都に散入する。
1381年、倭寇、高麗の寧海府を焼く。
1382年、賤民が倭寇の名をかたり諸所を荒らす。
1383年、倭寇120艭が高麗を襲撃するが撃退する。
1385年、倭寇150艭が高麗を襲撃するが、李成桂に撃退される。
1388年、明は高麗に対し、元代の旧領を返還するように要求する。
     威化島回軍。李成桂が実権を握る。
1389年、高麗軍、対馬を攻める。
1392年 高麗が滅び、朝鮮となる。


尚巴志伝

2016年06月20日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 17.対馬島

博多をあとにしたサハチ(尚巴志)とヒューガはサンルーザの故郷、対馬の土寄浦に着きます。
サンルーザの五男のシンゴと仲よくなったサハチは、イトという娘と出会います。
イトの父親は船乗りで、琉球に何度も行っていて、サハチの事をイトに話していました。
サハチはイトと仲よくなります。
サハチが対馬に来て半月が過ぎた頃、サンルーザは五十隻もの船を率いて明国へと出掛けて行きます。生きていくために、倭寇として略奪をしに行くのです。
サハチは皆の無事を祈って見送ります。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
サミガー大主の孫。父は佐敷按司(サグルー)。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。
サハチにとって重要な人物となる。
「陰の流れ 第一部」に智羅天として登場。愛洲移香斎に気合いの術と彫刻を教える。

・サンルーザ
早田三郎左衛門。対馬の武将。倭寇(わこう)の頭領。
サミガー大主と鮫皮の取り引きをしている。

・サイムンタルー
中尾左衛門太郎。対馬の倭寇の頭領、早田三郎左衛門の次男。
妻の実家の中尾家を継いでいる。

・早田丹後守
サンルーザの弟。

・サワ
ヒューガが琉球に行く前、対馬に滞在して仲よくなった後家。
夫は高麗で戦死、9歳の息子と7歳の娘がいる。
サハチとヒューガの食事の面倒を見てくれる。

・シンゴ
早田新五郎。サンルーザの五男。

・トラ
寅次郎。サンルーザの配下の息子。

・マツ
松太郎。サンルーザの配下の息子。

・ヤス
安次郎。サンルーザの配下の息子。

・イト
イスケの娘。娘たちの姉御的な存在。
サハチの事を父から聞いて、いつか会えるとサハチとの出会いを待っていた。

・イスケ
水夫として何度も琉球に行く。
サハチが誕生した時も琉球にいて、誕生を祝福する。
琉球から帰るとイトが生まれていて、同い年のサハチの成長を琉球から戻る度にイトに話して聞かせる。

・ツタ
土寄浦の娘。シンゴといい仲。

・マユ
土寄浦の娘。トラといい仲。

・シノ
土寄浦の娘。マツといい仲。

・トミ
土寄浦の娘。ヤスといい仲。


尚巴志伝

2016年06月13日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 16.博多

志佐壱岐守(しさいきのかみ)の船に乗って、サハチ(尚巴志)とヒューガは博多に着きました。
サンルーザの船は九州探題の今川了俊に睨まれていて、博多には入れなかったのです。
博多に滞在したサハチは何を見ても驚いていました。
色々な物を売っている市場に驚き、大きなお寺の建物に驚き、出陣して行く兵士たちの立派な鎧や武器に驚き、男装した女たちの華麗な舞にも驚きます。
夜更けに一文字屋の屋敷に盗賊が攻めて来て、サハチとヒューガは盗賊たちと戦います。サハチは初めて人を斬ります。そのあとはもう無我夢中で襲って来る敵と戦い続けます。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
サミガー大主の孫。父は佐敷按司(サグルー)。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。
サハチにとって重要な人物となる。
「陰の流れ 第一部」に智羅天として登場。愛洲移香斎に気合いの術と彫刻を教える。

・サイムンタルー
中尾左衛門太郎。対馬の倭寇の頭領、早田三郎左衛門の次男。
妻の実家の中尾家を継いでいる。

・志佐壱岐守
壱岐島の倭寇の頭領。松浦党。

・一文字屋孫次郎
坊津の一文字屋次郎左衛門の長男。博多の一文字屋の主人。


◯博多の略年表
1274年、元寇により博多の町は消失する。
1293年、鎮西探題が設置され、大宰府に代わって九州統治の中心となる。
1333年、後醍醐天皇が挙兵すると、菊池武時が鎮西探題北条英時を襲い博多の町を焼き払う。
1336年、九州へ落ち延びた足利尊氏は少弐、島津、大友らと共に菊池氏を破る。
1359年、少弐頼尚が菊池武光に筑後川合戦で大敗する。
1561年、懐良親王、大宰府を征西府とする。
1368年、元国滅ぶ、明建国。家族を連れて博多に逃げてくる元の高官たちが何人もいた。
      陳宗敬、博多に亡命。
1370年、今川了俊が九州探題に任命される。
1371年、懐良親王、「日本国王良懐」の名で明の冊封を受ける。
      九州探題に任じられた今川了俊の弟仲秋の軍勢、呼子港に上陸する。
1372年、太宰府陥落、懐良親王、太宰府から良山に移る。
1374年、懐良親王、良山から肥後菊池に移る。
      懐良親王、遣明船を出す。
1375年、水島の合戦。今川了俊、少弐冬資を殺す。島津伊久、南朝に寝返る。
1376年、懐良親王、遣明船を出す。
1377年、肥前蜷打の戦い。北朝方の大勝に終わり、南朝方の有力武将を多数討ち取る。
      九州探題今川了俊、倭寇が捕えた被慮人を高麗に送還する。
1378年、高麗使が訪れ、今川了俊、捕虜の送還を行なう。
      今川了俊、兵を高麗に派遣して現地の倭寇討滅に協力する。
1379年、今川了俊、捕えた壱岐の海賊20人を甑に入れて明に贈る。
1380年、懐良親王、明の太祖暗殺の計画に同意し、兵を送るが陰謀は露顕し帰還する。
1381年、懐良親王、菊池城を攻め落とされ、金峰山に移る。
1383年3月27日、征西将軍懐良親王没。
      島津伊久、薩摩守護に復帰し、今川了俊に帰順する。
1385年、相良氏が島津と和睦して了俊に背き禰寝氏も南朝方に走る。
1387年、阿蘇山噴火。
      島津氏久が没すると肥後は今川義範・日向は今川貞満がほぼ制圧する。
      相良前頼、球磨から反撃を加えて征西府の危急を救う。
1388年、今川了俊、捕虜送還と引き換えに高麗に大蔵経を要求する。
1390年、今川了俊、良成親王と菊池武朝の宇土・河尻を落とす。
1391年、今川了俊、良成親王と菊池武朝の八代城を落とす。親王らは矢部に逼塞する。
1392年、南北朝の合一。
1395年、今川了俊、九州探題を罷免され、渋川満頼が任命される。


◯倭寇略年表
1274年、元寇。
1281年、元寇。
1350年4月、倭寇100余艘が高麗の順天府を襲い、穀物を奪う。
1351年8月、倭寇130艘が高麗を襲撃する。
1355年4月、倭寇230艘、高麗全羅道の漕船200余艘を略奪。
1357年、高麗の武将崔瑩が2万5600の大軍で済州島の反乱を制圧する。
1358年、この頃より中国大陸に倭寇が出現する。
1361年8月、懐良親王、少弐氏の太宰府を落とし、太宰府を征西府とする。
1363年4月、倭寇213艘が高麗を襲撃。首都開城を脅かす。
1364年3月、倭寇200余艘が高麗の河東、固城を襲撃する。
1364年5月、高麗軍、鎭海県で倭寇3000人を斬る。
1367年、高麗、使者を送り, 室町幕府に倭寇の禁圧を求める。
1368年、元国滅ぶ、明建国。
1371年6月、倭船200艘、明の海晏を襲う。
1371年11月、九州探題に任じられた今川了俊の軍勢、肥前呼子港に上陸する。
1372年5月、倭船200艘、明の温州府、永嘉、楽清の諸県を侵す。
1372年8月、太宰府落城。懐良親王、太宰府から良山に移る。
1374年4月、倭寇350艘が高麗を襲撃。高麗の水軍、大敗して死する者5000人。
1375年、済州島で反乱が起こる。倭寇200余艘が済州島を攻める。
1377年6月、倭寇200余艘が高麗を襲撃。
1377年11月、倭寇130艘が高麗を襲撃。
1377年、この年、高麗は54回の倭寇の襲撃を受ける。
1379年5月、倭寇騎馬700、歩兵2000余で高麗の普州を襲撃。
1380年5月、倭寇100余騎、高麗の結城共州を襲う。
1380年5月、高麗、火砲を搭載できる船を100隻、3000名の水軍部隊が創設する。
1380年8月、倭寇500艘、高麗の鎮浦口に入り、隊を分けて岸に登り州都を攻める。
1380年8月、高麗軍、崔茂宣が開発した大砲で倭船を焼く。
1380年9月、李成桂、雲峰にて倭寇の首領阿只抜都(アキバツ)を倒す。
1383年5月、倭寇120艘が高麗を襲撃するが撃退する。
1385年9月、倭寇150艘が高麗を襲撃するが李成桂、李豆藺に撃退される。
1388年5月、李成桂、軍事クーデターで高麗の実権を掌握。
1389年2月、高麗、対馬を攻撃する。
1392年7月、李成桂、恭譲王を廃位して、高麗王として即位する。
1393年、明の洪武帝の命令により、高麗から朝鮮に国名が変わる。


尚巴志伝

2016年06月09日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 15.壱岐島

坊津(ぼうのつ)で一文字屋と取り引きを済ませ、サハチ(尚巴志)たちは甑島(こしきじま)を通って五島列島の福江島に着きます。
福江島にはサンルーザの弟の早田備前守がいました。
福江島から島伝いに北上して、宇久島から壱岐島に向かいます。
壱岐島にはサンルーザの娘婿の早田藤五郎がいました。
サハチはヒューガと一緒に壱岐島を散策して、昔、察度の配下だったという老人と出会い、若い頃の察度と泰期の話を聞きます。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
サミガー大主の孫。父は佐敷按司(サグルー)。

・サンルーザ
早田三郎左衛門。対馬の武将。倭寇(わこう)の頭領。
サミガー大主と鮫皮の取り引きをしている。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。
サハチにとって重要な人物となる。
「陰の流れ 第一部」に智羅天として登場。愛洲移香斎に気合いの術と彫刻を教える。

・早田備前守
サンルーザの弟。五島の福江島の拠点を守っている。

・早田藤五郎
サンルーザの娘婿。壱岐島の拠点を守っている。
子供の頃、倭寇にさらわれて対馬に来た高麗人。
頭がよく、見所があったので、サンルーザに育てられる。
通訳として活躍し、戦でも活躍して、サンルーザの娘を妻にもらって早田藤五郎と名乗っている。

・壱岐島の老人
昔、察度の配下として活躍した倭寇。


尚巴志伝

2016年06月06日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 14.ヤマトゥ旅

◇尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 14.ヤマトゥ旅

サハチ(尚巴志)が乗ったサンルーザの船は伊平屋島を出帆して、永良部島(沖永良部島)、徳之島、奄美大島、トカラ列島の宝島、中之島、口の島、口之永良部島を通って、薩摩の坊津(ぼうのつ)に着きます。
ヤマトゥの国はサハチが思っていたよりもずっと遠くにありました。途中に島がまったく見えない事もあり、海の広さを改めて感じ、海が荒れた時は、このまま死んでしまうのではないかと恐ろしい思いをします。
坊津にはサンルーザの取り引き相手の『一文字屋』があり、サハチたちはお世話になります。

先代の一文字屋は備前の柄巻師(つかまきし)でしたが、刀の柄に巻く鮫皮が手に入らなくなってしまい、博多までやって来ます。
鮫皮はエイの皮で日本では捕る事ができず、海外から仕入れていました。南北朝の争いが続いて、海外の窓口だった博多も全焼してしまい、博多に住んでいた唐人たちも皆、引き上げてしまいます。
焼け野原の博多をさまよっていた一文字屋が出会ったのが、サンルーザの父親、早田次郎左衛門でした。次郎左衛門は一文字屋の話に乗り、琉球に行く事になります。
伊平屋島で鮫皮作りを始めたのはサンルーザの父親で、サハチの祖父のサミガー大主は鮫皮の作り方を身に付けて、馬天浜に行ったのでした。
琉球の鮫皮を手に入れる事に成功した一文字屋は柄巻師をやめて、鮫皮を扱う商人となり、さらに、明国の商品を扱う商人となって、やがては京都に進出して行きます。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
サミガー大主の孫。父は佐敷按司(サグルー)。

・サンルーザ
早田三郎左衛門。対馬の武将。倭寇(わこう)の頭領。
サミガー大主と鮫皮の取り引きをしている。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。
サハチにとって重要な人物となる。
「陰の流れ 第一部」に智羅天として登場。愛洲移香斎に気合いの術と彫刻を教える。

・クルシ(黒瀬)
早田三郎左衛門の重臣。

・一文字屋次郎左衛門
備前出身の坊津の商人。


尚巴志伝