2017年05月08日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 70.久米村

11月に冊封使は帰って行きました。
サハチ(尚巴志)は「まるずや」でウニタキと会います。
ウニタキは、中山王の武寧と山南王のシタルーの間にすきま風が吹き始めたようだと言います。
シタルーは明国の言葉がしゃべれるので、冊封使と仲よくしていたのが、武寧には気に入らなかったようです。
首里のグスクが完成するまではシタルーが必要ですが、グスクが完成したら、武寧はシタルーを必要とはしなくなるだろうとウニタキは言います。

サハチはヤキチから、奥間ヌルが娘を産んだと聞いてほっとしました。
もし、男の子が生まれたら、もう一度、奥間に行かなければならなくなると思っていました。
行くのはいいが、そのあと、マチルギの事を考えると恐ろしくなりました。

12月に、サハチとウニタキはファイチ(懐機)に呼ばれて浮島の久米村に行きました。
ファイチの拠点は大通りから細い道に入って、迷路のように入り組んだ道の中にある茅葺きの小さな家でした。
ファイチは風水師として、久米村の人たちの相談に乗っているようです。
ファイチはメイファンという明国の美女と一緒にいました。
メイファンは明国から逃げて来た盗賊の女で、一緒にいた盗賊の男は明国から来た使者たちに捕まったそうです。

久米村を支配しているのはアランポーで、明国の皇帝から「国相」という地位を与えられて、王様のように贅沢な暮らしをしていました。
久米村でアランポーに逆らう事はできませんが、長史のワンマオ(王茂)はアランポーに反感を持っていて、ファイチはワンマオを味方に引き入れようと考えています。
ファイチはサハチとウニタキをワンマオに会わせます。
サハチとウニタキにはよくわかりませんが、ファイチは、うまくいった喜びます。
ファイチはサハチとウニタキをメイファンの屋敷に連れて行き、明国の料理を御馳走します。
食事中、浮島の港にシャム(タイ)の船が入ってきます。
サハチたちはシャムの船を見に行きます。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・ナツ
ウニタキの配下。
島添大里グスクの侍女。
密かにサハチを思っている。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。先代の中山王、察度の孫娘(武寧の娘)、ウニョンを妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・ヤキチ
奥間の鍛冶屋。サハチを守るために佐敷に送られる。
奥間大親。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。
家族を佐敷に連れて来て、尚巴志のために活躍する。
久米村を仕切っているアランポーを倒すため、風水師として久米村に住む。

・メイファン(張美帆)
明国の海賊の娘。
海賊の男と一緒に琉球に来て、密貿易で稼ぐ。
男は明国から来た使者に捕まり、明国に連れて行かれる。
メイファンはファイチに助けられ、南蛮の商人として浮島に住んでいる。

・ワンマオ(王茂)
久米村の唐人。
アランポーを追い出すためにファイチと手を組む。

・アランポー(亜蘭匏)
久米村の唐人。
1383年、泰期に代わって正使となり、明国に行く。
1394年、国相に任じられる。
久米村を仕切っている。



尚巴志伝

2017年05月01日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 69.ウニョンの母

ウニタキは浦添の「よろずや」にいるムトゥから信じられない話を聞きます。
浦添グスクの侍女たちを仕切っているナーサが、ウニタキの妻だったウニョンの本当の母親だったというのです。

ナーサは三十三年前、中山王の武寧に嫁いだ花嫁の侍女として八重瀬から浦添に行きます。
ナーサの美貌は、当時十六歳だった武寧の心を捕らえ、武寧は花嫁よりも侍女のナーサに夢中になってしまいます。
ナーサは妊娠してしまい、武寧は困って、花嫁の父親の汪英紫に相談し、察度には内緒で、ナーサは八重瀬でウニョンを産みます。
ウニョンは花嫁が産んだという事にして育てられ、勝連按司の三男だったウニタキに嫁ぎます。

話を聞いたウニタキは腰を抜かしてしまうほどに驚き、もっと詳しい話を聞きたいと思います。
ムトゥに頼んで、ウニタキは「よろずや」でナーサと会います。
すでにナーサは50歳を越えているはずなのに、未だに美しく、30代にしか見えませんでした。
ナーサはウニタキをじっと見つめて、ウニョンの夫の浜川大親ではないかと言います。
ウニタキは覚えていなかったが、以前、ウニタキはナーサと会っていて、ナーサは覚えていました。
正体を明かすつもりはなかったが、ばれてしまったのなら仕方がないとウニタキはウニョンの夫だと名乗ります。

ナーサは勝連から来た侍女から「望月党」の事を知り、娘の敵を討つために、望月党の事をずっと調べていたと言います。
ウニタキはナーサの話を聞いて、必ず、望月党を倒すと約束します。

一月後、いなくなった望月ヌルの居場所がわかり、イブキが救い出して浦添の「よろずや」に連れて来ました。


登場人物

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。先代の中山王、察度の孫娘(武寧の娘)ウニョンを妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・ムトゥ
マチルギの教え子。ウニタキの配下。
浦添の「よろずや」の売り子。

・ナーサ
汪英紫が八重瀬グスクを攻め落とす時に、八重瀬按司に贈った絶世の美女。
浦添の若按司に嫁いだ汪英紫の長女、ウシの侍女として浦添グスクに入り、今では侍女たちを束ねている。

・イブキ
ヤマトゥの山伏。ウニタキの師匠。
ウニタキの配下になり、浦添の「よろずや」の主人となる。

・望月ヌル
望月党のお頭、サンルーとその弟、グルーの妹。

・中山王、武寧
フニムイ。察度の長男。浦添按司。
妻は汪英紫の娘ウシで、タブチとシタルーの義兄。
山北王、攀安知の義父。
山南王のシタルーと一緒に首里にグスクを築く。

・ウシ
武寧の妻。汪英紫の娘。
八重瀬按司のタブチと山南王のシタルーの姉。

・汪英紫
先代の山南王。中山王武寧の義父。
武寧の妻のウシと八重瀬按司のタブチと山南王のシタルーの父親。
八重瀬グスクを奪い取って、八重瀬按司になり、島添大里グスクを奪い取って島添大里按司になり、島尻大里グスクを奪い取って、山南王になる。



尚巴志伝

2017年04月24日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 68.冊封使

1404年の4月、明国から初めて冊封使が来ました。
中山王の武寧と山南王のシタルーは、冊封使を大歓迎して迎えましたが、サハチ(尚巴志)には関係のない事でした。

その頃、サハチはシンゴの船に乗ってヤマトゥに行く弟のクルーと義兄のサムを見送りました。
そのあと、八重瀬按司のタブチの娘が糸数按司の長男に嫁いだ婚礼に出席します。
タブチの長男は先代の糸数按司の娘を嫁に迎えていましたが、糸数按司が代わったので、新たに同盟を結んだのでした。

今年のハーリーは冊封使たちも招待されて盛大に行なわれ、首里に新しくできた宮殿では、中山王と山南王の冊封の儀式が行なわれました。
シタルーの父親の汪英紫は正式に山南王になっていなかったので、シタルーは11年前に亡くなった承察度の跡を継ぐ形で山南王になりました。

サハチ夫婦は毎年恒例の旅で、ヤグルー夫婦とマタルー夫婦を連れて久高島に行きました。

6月には知念按司の娘がタブチの三男に嫁いで行きました。
これで、東方の按司たちは全員、タブチと婚礼で結ばれました。

冊封の儀式が終わると、首里グスクの工事が再開されました。
サハチはウニタキと一緒に、首里グスクを見に行きました。
高い石垣に囲まれ、厳重に警備された首里グスクの門を見ていると、驚いた事にファイチ(懐機)が中から出て来ました。
サハチとウニタキはファイチのあとを追って行き、人影のない所まで行って声を掛けます。
ファイチはシタルーに呼ばれて、風水の事を聞かれたそうです。
ファイチは首里グスクは最高のグスクだから、完成したら奪い取ったらいいと、とんでもない事を言いました。
サハチが、首里グスクを奪い取って、浦添グスクを攻めるのだなと聞くと、ファイチは、浦添グスクは必要ないので焼き払ってしまえばいいと言って、浮島に帰って行きました。
サハチはファイチの言った事に驚きますが、ウニタキは、ファイチの考えもいいかもしれないと言いました。

島添大里グスクに帰るとヤキチが待っていて、奥間ヌルが妊娠したと知らせました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・中山王、武寧
フニムイ。察度の長男。浦添按司。
妻は汪英紫の娘で、タブチとシタルーの義兄。
山北王、攀安知の義父。
山南王のシタルーと一緒に首里にグスクを築く。

・山南王、汪応祖
シタルー。汪英紫の次男。島尻大里按司。
山南王の官生として明国に留学する。
兄タブチとの争いに勝ち山南王になる。

・冊封使
明国の皇帝、永楽帝が琉球の王を任命するために送った使者。

・シンゴ
早田新五郎。サイムンタルーの弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。
佐敷ヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・クルシ
早田左衛門太郎の重臣。
倅に跡を譲って隠居し、尚巴志の家臣になる。

・サム
伊波按司の四男。マチルギの兄。
妻はクマヌの娘のマチルー。
伊波を飛び出し、妻を連れて佐敷に来る。

・クルー
尚巴志の弟。

・上間按司
糸数按司の母親違いの弟。
兄の糸数按司を倒して、糸数按司になる。

・タブチ
八重瀬按司
汪英紫の長男、シタルーの兄。

・玉グスク按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。

・大グスク按司
マナビー(大グスクヌル)の弟。
父が戦死したあと、母と共に小禄のはずれに隠れ住んでいた。
尚巴志から大グスクを譲られ、大グスク按司になる。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・ヤグルー
尚巴志の弟。
平田グスクを任され、平田大親を名乗る。

・ウミチル
ヤグルーの妻。玉グスク按司の娘。

・マタルー
尚巴志の弟。

・マカミー
マタルーの妻。タブチの娘。

・知念按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。
大グスク按司の叔父。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。
家族を佐敷に連れて来て、尚巴志のために活躍する。
久米村を仕切っているアランポーを倒すため、風水師として久米村に住む。

・ヤキチ
奥間の鍛冶屋。サハチを守るために佐敷に送られる。
奥間大親。

・ナーサ
汪英紫が八重瀬グスクを攻め落とす時に、八重瀬按司に贈った絶世の美女。
浦添の若按司に嫁いだ汪英紫の長女の侍女として浦添グスクに入り、今では侍女たちを束ねている。
後に尚巴志にとって重要な人物となる。


尚巴志伝

2017年04月17日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 67.望月ヌル

正月の下旬に、去年の夏にヤマトゥ旅に行ったサハチ(尚巴志)の弟のマタルーと従弟のマガーチが帰って来ました。
サハチは二人から、対馬にいるサハチの娘のユキが、サイムンタルー(早田左衛門次郎)の息子の六郎次郎に嫁いだと聞いて驚きます。
花嫁姿のユキはまぶしいほどの美しさだったと聞いて、サハチは今すぐにでも対馬に行きたいという衝動に駆られます。

2月になって、サハチはウニタキに呼ばれて、島添大里城下の「まるずや」に行きます。
ウニタキはファイチ(懐機)からもらった三弦(サンシェン)を弾いていました。
サハチは奥間に行って、奥間ヌルに骨抜きにされて、ウニタキがフカマヌルに骨抜きにされた気持ちがよくわかったと言います。

浦添の「よろずや」にいた望月党の女が逃げたとウニタキは言いました。
そして、望月党の爺さんがウニタキを訪ねて来て、その女が望月ヌルだった事がわかり、望月党の事も色々と聞いたと言います。
八十歳を過ぎた爺さんはすでに隠居していましたが、望月ヌルがいなくなったので探していました。
望月党のお頭のサンルーと弟のグルーが対立して、望月党が分裂し、その争いに妹の望月ヌルも巻き込まれて、斬られてしまったのでした。
望月党の爺さんは、ウニタキに望月党を潰しても構わんから、望月ヌルを救ってくれと言って息を引き取ります。
望月党が内部争いをして、勢力を弱めたら、望月党を潰すとウニタキは言いました。
望月党はウニタキの妻と娘の敵なので、止める事はできませんが、サハチは心配します。

2月の下旬、島尻大里の「よろずや」の主人だったキラマが亡くなり、3月にはサハチの祖母が亡くなりました。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・シンゴ
早田新五郎。サイムンタルーの弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。
佐敷ヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・クルシ
早田左衛門太郎の重臣。
倅に跡を譲って隠居し、尚巴志の家臣になる。

・マタルー
尚巴志の弟。

・マガーチ
尚巴志の叔父、苗代大親の長男。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・イブキ
ヤマトゥの山伏。ウニタキの師匠。
ウニタキの配下になり、浦添の「よろずや」の主人となる。

・望月サンルー
望月党のお頭。三代目の望月サンルー。

・望月グルー
サンルーの弟で、兄と対立する。

・望月ヌル
望月党のお頭、サンルーとグルーの妹。

望月党の老人
初代の望月サンルーと一緒にヤマトゥから琉球に来て、勝連按司に仕え、望月党を作る。

・キラマ
馬天浜のウミンチュ。カマンタ(エイ)捕りの名人。
島尻大里の「よろずや」の主人になる。

・尚巴志の祖母、マシュー
戦死した大グスク按司の娘で、サミガー大主の妻。



尚巴志伝

2017年04月10日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 66.奥間のサタルー

奥間で生まれたサハチ(尚巴志)の息子のサタルーが婚礼を挙げる事になり、サハチはヤキチと一緒に奥間に行きます。
奥間に着いた途端、サハチは襲撃を受けます。
サハチを襲ったのは初めて会うサタルーでした。
その晩、歓迎の宴が開かれ、サハチは奥間ヌルと出会います。
「あなたが来るのをずっと待っていた」と奥間ヌルはサハチに言います。
サハチは奥間ヌルに誘われるまま、奥間ヌルの屋敷に泊まります。
サタルーの婚礼も無事に終わり、サハチは奥間ヌルの屋敷で、酒を飲みながらサタルーの事を聞きます。
不思議な事に、昨夜は一言も話をしていませんでした。
サタルーが生まれた時、奥間ヌルは『龍の子が生まれた』という神様のお告げを聞きます。
若ヌルだった奥間ヌルがその事を先代の奥間ヌルに話すと、先代は母親からサタルーを取り上げて、長老に預けたそうです。
サタルーは長老の跡を継ぐべく育てられ、長老の娘を妻に迎えて、正式に跡継ぎになりました。
サタルーに武芸の指導をしたのはヒューガで、奥間で生まれたヒューガの娘のユリが中山王の若按司の側室になって浦添グスクにいる事をサハチは知ります。
次の日は奥間ヌルと一緒に、ウタキの中で過ごし、翌日、サハチは奥間を去ります。
奥間での出来事はまるで夢の中のような出来事でした。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・ヤキチ
奥間の鍛冶屋。サハチを守るために佐敷に送られる。
奥間大親。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・東行法師
尚巴志の父、サグルー。
佐敷按司をサハチに譲り、東行法師を名乗って旅に出る。
慶良間の無人島で若い者たちを鍛え、『師匠』と呼ばれる。

・ユシチ
名護の山中に住む木地屋の親方。

・サタルー
サハチの息子。母親は一夜妻だったフジ。
奥間の長老に育てられる。

・奥間大主
奥間の長老。ヤザイム。

・奥間ヌル
先代の奥間ヌルの孫娘。


尚巴志伝

2017年04月03日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 65.上間按司

久高島からの帰り、サハチ(尚巴志)たちは糸数の浪人者の襲撃を受けますが、サハチたちは簡単に倒します。
ウニタキに呼ばれて「まるずや」に行くと、ウニタキは昼寝をしています。
愛用の三弦(サンシェン)を娘のミヨンに取られてしまったと言います。
明国では皇帝が代わったので、大勢の使者たちが琉球に来るようだとウニタキはサハチに知らせます。
中山王の武寧は使者たちの宿泊施設の「天使館」を修築しているようです。
来年には冊封使が来るので、武寧は冊封の儀式をやる会場を首里に造るようだとウニタキは言いました。
そして、その会場作りには山南王のシタルーも加わるようです。

六月に中山王と山南王が合同で送った進貢船が帰って来て、島尻大里から与那原に明国の商品を積んだ荷車が次々にやって来ました。
ヤマトゥの商人たちはすでに帰ってしまったので、サハチからヤマトゥの商品を仕入れるためでした。
サハチも手の空いている者たちを連れて、与那原で取り引きを手伝っていました。
そんな頃、糸数グスクが上間按司という者に攻め落とされたという噂が流れて来ます。
上間按司なんて聞いた事もありませんでした。

次の日の夜、ウニタキがやって来て、上間按司の正体がわかったと言います。
上間按司は先代の糸数按司の息子でした。
先代の糸数按司が二十年前に戦死した時、跡を継いだ若按司は父親の側室を追い出しました。
当時、十二歳だった上間按司は母親と一緒にグスクを追い出されて、母親の実家に行き、十五歳の時には浮島で荷揚げ人足をやっていました。
人足を始めてから何年か経ったある日、人足同士の喧嘩を仲裁している所を察度が見て、見込みがありそうだと察度に拾われます。
察度が隠居して首里天閣に移ると、護衛隊長に任命され、察度が亡くなったあとは、上間の地にグスクを築いて、上間按司になります。
大工の弟がいて、屋敷の改築をしている糸数グスク内にいました。
弟の手引きで、グスク内に攻め込み、按司を殺して、グスクを奪い取ったのでした。
重臣たちの中には上間按司の事を覚えている者もいて、上間按司を新しい按司として迎えます。

7月に明国の使者たちがやって来て、浮島は大賑わいだったようですが、島添大里には何の影響もありませんでした。

閏10月にマチルギが三女のマシューを産みました。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・マサンルー
尚巴志の弟。
佐敷グスクを任され、佐敷大親を名乗る。

・キク
マサンルーの妻。ヤキチの娘。

・クルー
尚巴志の弟。

・ウミトゥク
クルーの妻。山南王シタルーの三女。

・ヤキチ
奥間の鍛冶屋。サハチを守るために佐敷に送られる。
奥間大親。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。

・与那嶺大親
佐敷按司の重臣。

・糸数按司
南部東方の按司。

・上間按司
糸数按司の母親違いの弟。
兄の糸数按司を倒して、糸数按司になる。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。熊野大親。
尚巴志の家臣でサムレー大将。

・苗代大親
尚巴志の叔父。サハチとマチルギの剣術の師匠。
島添大里按司の重臣。島添大里の武術師範になる。

・ウミチル
ヤグルーの妻。玉グスク按司の娘。

・マカミー
マタルーの妻。八重瀬按司、タブチの娘。





尚巴志伝

2017年03月27日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 64.シタルーの娘

1403年、山南王のシタルーの娘、ウミトゥクがサハチ(尚巴志)の弟、クルーに嫁いできます。
二人は島添大里グスクで婚礼の儀式をして、佐敷グスクの東曲輪内の屋敷に入りました。

ウミトゥクはシタルーの三女で大グスクで生まれました。
生まれた翌年、シタルーは豊見グスクに移り、ウミトゥクは豊見グスクのお姫様として育ちます。
5歳の時、父は明国に留学して、8歳の時に帰って来ました。
翌年、父は国場川で「ハーリー」を始め、祖父の山南王と伯父の中山王も見に来ました。
14歳の時、祖父が亡くなって、父と伯父のタブチが戦を始めます。
豊見グスクは大勢の兵に囲まれて、ウミトゥクは毎日、恐ろしい思いをして一ヶ月半を過ごしました。
戦が終わると、父は山南王になりましたが、島添大里按司だった叔父(ヤフス)は戦死してしまいます。

叔父の死を悲しむ間もなく、ウミトゥクは父から島添大里にお嫁に行けと言われました。
叔父を殺した敵の所にお嫁に行くなんて、ウミトゥクには信じられませんでした。
兄のタルムイのもとへ、島添大里按司(サハチ)の妹が嫁いできました。
そして、年が明けて、ウミトゥクは仕方なく島添大里に嫁ぎました。

佐敷グスクの東曲輪では毎日、夕方になると娘たちの剣術の稽古が行なわれていました。
教えているのは馬天ヌルでした。
姉の豊見グスクヌルは馬天ヌルを尊敬していて、馬天ヌルがいるから大丈夫よとウミトゥクに言いました。
ウミトゥクは馬天ヌルから剣術を教わる事にしました。

シンゴが「一文字屋」から借りた船を連れて、馬天浜にやって来ました。
「一文字屋」の船は三往復したあと、サハチのものになるとの事です。
佐敷ヌルが女の子を産んだ事を話すと、シンゴは謝り、ずっと好きだったと言います。

3月になってウニタキが現れ、ファイチと一緒に浮島の久米村にいたと言います。
今、久米村はアランポーという唐人が仕切っていて、ファイチは何とかしてアランポーを追い出す策を練っていました。
ウニタキの配下の女が侍女として浦添グスクに入った事と、浦添の「よろずや」のイブキが怪我をした望月党の女を助けた事をウニタキはサハチに知らせます。

お嫁に来て五か月が過ぎ、敵(かたき)って一体何だろうとウミトゥクは考えていました。
夫のクルーの祖父、美里之子は、ウミトゥクの祖父(汪英紫)と戦をして戦死していました。
クルーの曾祖父の大グスク按司も、ウミトゥクの祖父(汪英紫)と戦をして戦死していました。
義兄のマタルーの妻のマカミーは、父の敵であるタブチの娘でした。
ウミトゥクは頭が混乱するとクルーと一緒に馬天浜に行って海を眺めました。

梅雨が明けると、ウミトゥクとクルーは兄夫婦たちと一緒に旅に出ました。
庶民の格好をして、供も連れずに旅をするなんて、ウミトゥクには信じられない事でした。
ウミトゥクは兄夫婦たちと一緒に久高島に行って、海に入って遊びました。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・クルー
尚巴志の弟。

・ウミトゥク
クルーの妻。山南王シタルーの三女。

・山南王、汪応祖
シタルー。汪英紫の次男。
山南王の官生として明国に留学する。
兄タブチとの争いに勝ち山南王になる。

・マサンルー
尚巴志の弟。
佐敷グスクを任され、佐敷大親を名乗る。

・キク
マサンルーの妻。ヤキチの娘。

・ヤグルー
尚巴志の弟。
平田グスクを任され、平田大親を名乗る。

・ウミチル
ヤグルーの妻。玉グスク按司の娘。

・マタルー
尚巴志の弟。

・マカミー
マタルーの妻。八重瀬按司、タブチの娘。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。

・シンゴ
早田新五郎。サイムンタルーの弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。

・クルシ
早田左衛門太郎の重臣。
倅に跡を譲って隠居し、尚巴志の家臣になる。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。
シンゴと結ばれ、娘のマユが生まれる。

・東行法師
尚巴志の父、サグルー。
佐敷按司をサハチに譲り、東行法師を名乗って旅に出る。
慶良間の無人島で若い者たちを鍛え、『師匠』と呼ばれる。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。
家族を佐敷に連れて来て、尚巴志のために活躍する。

・アランポー(亜蘭匏)
久米村の唐人。
1383年、泰期に代わって正使となり、明国に行く。
久米村を仕切っている。

・イブキ
ヤマトゥの山伏。ウニタキの師匠。
ウニタキの配下になり、浦添の「よろずや」の主人となる。

・サチョー
運玉森の山賊。島添大里の残党。
ヒューガの配下となり、浦添の遊女屋「喜羅摩」の主人になる。

・フカマヌル(外間ノロ)
久高島のフカマヌルの娘でフカマヌルを継ぐ。
父はサグルー。尚巴志の母違いの妹。
ウニタキと結ばれ、娘のウニチルが生まれる。





尚巴志伝

2017年03月20日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 63.サミガー大主の死

ウニタキが久し振りにサハチ(尚巴志)のもとに現れました。
ウニタキはフカマヌルに骨抜きにされて久高島にいたと言います。
フカマヌルに出会った瞬間、一目惚れをしてしまい、何をやっても手に着かず、フカマヌルと一緒にいたと言います。
こんな事を続けていたらよくないと思ったフカマヌルはフボーのウタキに籠もってしまいます。
ウニタキは男子禁制のフボーのウタキに入ろうとして、雷に打たれて気絶したそうです。
その時、ウニタキは神様の声を聞いて、その意味がわかって帰って来たと言います。
神様は何と言ったんだとサハチが聞いても、ウニタキは教えてくれませんでした。

島添大里から浦添に移った「よろずや」のムトゥが浦添グスク内に入り、侍女たちを束ねているナーサという女と会ったとウニタキはサハチに知らせます。
浦添グスクは簡単に落とせるグスクではないので、浦添グスクの見取り図を作ってくれとサハチはウニタキに頼みます。

十月になって、祖父のサミガー大主が倒れます。
クマヌの煎じ薬を飲んでも、よくなりません。
倒れてから五日後、慶良間の島から父が帰って来ます。
祖父は父の帰りを待っていたかのように、「戦のない世の中を作ってくれよ」と言って息を引き取りました。
次の日、葬儀の準備をしていると、馬天浜に大勢のウミンチュがやって来ます。
サミガー大主にお世話になったウミンチュたちが集まって来たのです。
サハチは小舟で埋まった馬天浜を見て、改めて、祖父の偉大さを知ります。

サミガー大主の死から一月後、佐敷ヌルは女の子を産みました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。

・フカマヌル(外間ノロ)
久高島のフカマヌルの娘でフカマヌルを継ぐ。
父はサグルー。尚巴志の母違いの妹。
ウニタキといい仲になる。

・ナーサ
汪英紫が八重瀬グスクを攻め落とす時に、八重瀬按司に贈った絶世の美女。
浦添の若按司に嫁いだ汪英紫の長女の侍女として浦添グスクに入り、今では侍女たちを束ねている。
後に尚巴志にとって重要な人物となる。

・ムトゥ
マチルギの教え子。ウニタキの配下。
浦添の「よろずや」の売り子。

・サミガー大主
尚巴志の祖父。
鮫皮造りを隠居し、東行法師に扮して旅に出て、若者たちを慶良間の島に送り込む。

・尚巴志の祖母、マシュー
戦死した大グスク按司の娘で、サミガー大主の妻。

・東行法師
尚巴志の父、サグルー。
佐敷按司をサハチに譲り、東行法師を名乗って旅に出る。
慶良間の無人島で若い者たちを鍛え、『師匠』と呼ばれる。

・尚巴志の母、ミチ
戦死した美里之子(んざとぅぬしぃ)の長女。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。

・ササ
馬天ヌルとヒューガの娘。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。
シンゴと結ばれ、娘のマユが生まれる。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。熊野大親。
尚巴志の家臣でサムレー大将。

・キラマ
馬天浜のウミンチュ。カマンタ(エイ)捕りの名人。
島尻大里の「よろずや」の主人になる。

・ソウゲン(宗玄)
元の国で修行を積んだ禅僧。佐敷按司の家臣となり、尚巴志たちの読み書きの師になる。





尚巴志伝

2017年03月13日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 62.マレビト神

久高島から帰ったサハチ(尚巴志)は浮島(那覇)に行ってシンゴと会って、船が手に入らないかと相談します。
島添大里按司になって領内も広くなり、家臣たちも増えて、ますます交易を盛んにしなければなりませんが、サハチは船を持っていませんでした。
シンゴは「一文字屋」から船を借りる事ができると言います。
来年に来る時、その船を一緒に連れて来てくれとサハチはシンゴに頼みます。

島添大里グスクに帰ると馬天ヌルとササ、そして、フカマヌルも来ていました。
フカマヌルは佐敷ヌルとの再会を喜んで、佐敷ヌルの屋敷に泊まる事になります。
サハチが馬天ヌルと話をしていたら、ササがいなくなってしまいます。
あちこち探しても見当たらず、ふと物見櫓を見上げたら、ササは楽しそうに踊っていました。

次の日、馬天ヌルはまたやって来て、サハチに話があると言います。
内緒の話だからと言って、二人は物見櫓に登ります。
ウニタキがフカマヌルのマレビト神に違いないと馬天ヌルは言います。
ウニタキとフカマヌルを会わせるべきだと馬天ヌルは言いますが、サハチは反対します。
ウニタキの妻はサハチの叔母のチルーで、チルーを悲しませるわけにはいきません。
馬天ヌルは奥間のサタルーの事をマチルギにばらすと言ってサハチを脅します。
サハチは仕方なく、ウニタキとフカマヌルを会わせる事にします。

サハチは城下の「まるずや」に行って、ウニタキと会い、馬天ヌルが用があるそうだと言います。
ウニタキはフカマヌルと会ったあと、行方がわからなくなります。
六日後、フカマヌルは島添大里グスクに帰って来て、ウニタキと一緒にあちこちに行って、とても幸せだったと言います。
その二日後、フカマヌルは久高島に帰りますが、ウニタキは姿を現しません。

8月の半ば、慶良間の島から真っ黒な顔をしてファイチ(懐機)が帰って来ます。
9月になって、佐敷ヌルのお腹が大きくなり、サハチは驚きます。
サハチが馬天ヌルと一緒に佐敷ヌルを問い詰めると、何と、相手はシンゴだと言います。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・シンゴ
早田新五郎。サイムンタルーの弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。

・ササ
馬天ヌルとヒューガの娘。

・フカマヌル(外間ノロ)
久高島のフカマヌルの娘でフカマヌルを継ぐ。
父はサグルー。尚巴志の母違いの妹。
ウニタキといい仲になる。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。
シンゴといい仲になる。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。

・マサンルー
尚巴志の弟。
佐敷グスクを任され、佐敷大親を名乗る。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。
家族を佐敷に連れて来て、尚巴志のために活躍する。





尚巴志伝

2017年03月06日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 61.同盟

サハチ(尚巴志)は東方の按司たちと相談して、山南王のシタルーと同盟を結ぶ事に決めます。
佐敷グスクに行って、妹のマチルーに話すとマチルーは驚いて、部屋から飛び出してしまいます。
サハチがあとを追うと、佐敷ヌルの屋敷に入って行きました。
佐敷ヌルの屋敷には、今、馬天ヌルが娘のササと暮らしていました。
マチルーは馬天ヌルに説得させて、山南王の長男、タルムイに嫁ぐ覚悟を決めます。

サハチはウニタキに会うため、城下の「よろずや」に行くと、そこは「まるずや」という古着屋になっていました。
サハチはシタルーから聞いた勝連の事を話します。
勝連では仲のよかったウニタキの二人の兄が喧嘩を始めたようでした。
ウニタキの家族が望月党に殺されてから十年が経っていました。
望月党がいるので、勝連には近づくなとウニタキは配下の者たちに言ってあるそうです。
危険な真似はするなよとサハチはウニタキに言いますが、嫌な予感がしました。

4月の半ば、マチルーは島尻大里グスクに嫁いで行きました。
父も慶良間の島からやって来て、花嫁姿のマチルーを見送りました。
婚礼のあと、タルムイは豊見グスク按司になり、マチルーと一緒に豊見グスクに入りました。

梅雨が明け、今年は島添大里グスクに移ったばかりなので、恒例の旅はやめようかと思っていたら、クマヌが行って来いと言いました。
サハチ夫婦は、ヤグルー夫婦とマタルー夫婦を連れて久高島に行きました。
久高島にはフカマヌルしかいませんでした。
みんな、慶良間の島に行ってしまって寂しい思いをしていたと言って、サハチたちを見ると涙を流して喜びました。
三日間、のんびり過ごしたサハチたちはフカマヌルを連れて帰りました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・大グスク按司
マナビー(大グスクヌル)の弟。
父が戦死したあと、母と共に小禄のはずれに隠れ住んでいた。
尚巴志から大グスクを譲られ、大グスク按司になる。

・玉グスク按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。

・知念按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。
大グスク按司の叔父。

・垣花按司
南部東方の按司。
大グスク按司の叔父。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。熊野大親。
尚巴志の家臣でサムレー大将。

・マチルー
尚巴志の妹。
山南王の長男、タルムイ(豊見グスク按司)の妻になる。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。

・ササ
馬天ヌルとヒューガの娘。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。

・ナツ
ウニタキの配下。
島添大里グスクの侍女。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。
家族を佐敷に連れて来て、尚巴志のために活躍する。

・シンゴ
早田新五郎。サイムンタルーの弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。

・ヤグルー
尚巴志の弟。
平田グスクを任され、平田大親を名乗る。

・ウミチル
ヤグルーの妻。玉グスク按司の娘。

・マタルー
尚巴志の弟。

・マカミー
マタルーの妻。八重瀬按司、タブチの娘。

・フカマヌル(外間ノロ)
久高島のフカマヌルの娘でフカマヌルを継ぐ。
父はサグルー。尚巴志の母違いの妹。



尚巴志伝