2017年10月16日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 6.宇座の古酒

攻め落とした中グスクにはクマヌが入って、中グスク按司になりました。
越来グスクには美里之子が入って、越来按司になりました。
勝連グスクは8歳の若按司が成人するまで、サムが後見役として入りました。
クマヌは娘婿のサムが勝連に行ってしまったので、サムの弟のムタを養子に迎えて跡継ぎとしました。

宇座按司は御隠居(泰期)の次男で、2月の戦の時、兵を引き連れて山田から宇座に寄った時、サハチ(尚巴志)は初めて会いました。
使者として明国に何回か行っていて、サハチが御隠居と会っていた頃は浦添にいたようです。
今は隠居して、牧場で馬を育てているので、サハチは叔父の苗代大親を誘って会いに行ってみました。

宇座按司はサハチたちを歓迎してくれ、御隠居がサハチと飲もうと思っていたという高級な酒を出してくれました。
サハチは宇座按司から話を聞いて、宇座按司が山南王の使者だった事を知って驚きます。
宇座按司の息子たちは山南王に仕えているとの事でした。

12月になって、ヤマトゥの商人たちが続々と浮島にやって来ました。
その中に懐かしい顔がありました。
サハチがヤマトゥに行った時にお世話になった志佐壱岐守でした。
思紹の話し相手に丁度いいと思って、サハチは志佐壱岐守を首里グスクに連れて行きます。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に行こうと考えている。

・思紹
中山王。サハチの父親。
佐敷按司を隠居して、東行法師を名乗り、慶良間の島で若い者たちを鍛える。
一千人の兵を育て、その兵力によって、中山王武寧を倒し、中山王となる。
王となってもじっとしているのは苦手で、兵たちの指導をしている。

・ソウゲン
ヤマトゥの禅僧で、島添大里の城下に住んで、子供たちに読み書きを教えている。

・ファイチ(懐機)
中山王の客将。
久米村からアランポー一族を追い出し、長史のワンマオと一緒に新しい久米村を造っている。
思紹の初めての進貢船を出すために忙しい。

・安謝大親
中山王の重臣。三人の大役の一人。

・嘉数大親
中山王の重臣。三人の大役の一人。

・与那嶺大親
中山王の重臣。三人の大役の一人。

・苗代大親
中山王思紹の弟。武術師範。
サムレーたちの総大将。

・ヒューガ(三好日向)
中山王の水軍の大将。
妻は馬天ヌル。娘にササがいる。
奥間の一夜妻との間に、ユリという娘がいて、ユリは武寧の長男カニムイの側室になる。
浦添グスクが焼け落ちた時、ユリはウニタキに助けられて、佐敷の馬天ヌルの屋敷で娘と一緒に暮らしている。

・クマヌ
中グスク按司。
ヤマトゥの山伏で、長い間、思紹に仕えて、中グスク按司になる。

・美里之子
越来按司。尚巴志の叔父。

・サム
勝連の後見役。マチルギの兄。クマヌの娘婿。

・ムタ
先代の伊波按司の五男。マチルギの弟。
クマヌの養子となる。

・宇座按司
泰期の次男。
中山王の正使、山南王の正使を務め、今は隠居して牧場で馬を育てている。

・マジニ
宇座按司の三女。

・ハリマ
ヤマトゥの山伏。
浮島の宿屋の主人。

・志佐壱岐守
壱岐島の倭寇の大将。
サハチがヤマトゥに行った時にお世話になった。

・ジクー禅師
京都妙心寺の禅僧だったが、妙心寺が将軍義満につぶされ、志佐壱岐守と一緒に琉球に来る。




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2017年10月09日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 5.ナーサの遊女屋

首里の城下町造りを始めてから半年余りが経って、大通りに面して建つ屋敷はほとんど完成して、ようやく都らしくなってきました。
浦添グスクの侍女だったナーサの念願もかなって、「宇久真」という立派な遊女屋もできました。
「宇久真」の開店の日、中山王の思紹は重臣たちの懇親の宴を催します。
佐敷からの重臣たちと寝返った浦添の重臣たちの間にある溝を埋めなければならないと思ったからです。

浦添の重臣たちは「宇久真」の女将になっているナーサを見て、腰を抜かさんばかりに驚きます。
浦添の重臣の中で、平戸親方が欠席しました。
宜野湾親方が、平戸親方が何かをたくらんでいるようだとサハチ(尚巴志)に知らせますが、サハチはナーサから平戸親方の事を聞いていて、すでに対策を打ってありました。

サハチはウニタキと一緒に宴を抜け出して、浮島(那覇)に向かいます。
すでに、平戸親方はヒューガと當山之子に捕まっていました。
サハチとウニタキはヒューガを連れて、「宇久真」に戻ります。
宴席に遊女たちの姿はなく、佐敷と浦添の重臣たちが仲よく騒いでいました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に行こうと考えている。

・思紹
中山王。サハチの父親。
佐敷按司を隠居して、東行法師を名乗り、慶良間の島で若い者たちを鍛える。
一千人の兵を育て、その兵力によって、中山王武寧を倒し、中山王となる。
王となってもじっとしているのは苦手で、兵たちの指導をしている。

・ナーサ
首里の遊女屋「宇久真」の女将。
先代の中山王、武寧の王妃の侍女として、浦添グスクに入り、御内原の侍女たちを仕切っていた。
ウニタキの殺された先妻ウニョンの実の母親。
ウニョンの敵を討つために望月党の事を調べていて、ウニョンの夫だったウニタキと再会する。
生まれ故郷の奥間のために生きようと決心して、サハチの味方となり、浦添の重臣たちを寝返らせる。

・マユミ
「宇久真」の遊女。
サハチに一目惚れするが奥間ヌルに取られてしまい諦めて、中グスク按司の側室になる。
中グスクがサハチに攻められた時、助け出されて奥間に帰り、ナーサの遊女屋の遊女となる。
「宇久真」の開店の日にサハチと出会えて大喜びをする。

・宜野湾親方
明国から帰ってきた進貢船のサムレー大将。
思紹に仕える。

・新垣大親
シャムから帰ってきた交易船の正使。
思紹に仕える。

・サングルミー
与座大親。明国から帰ってきた進貢船の正使。
思紹に仕える。
山南王のシタルーと一緒に明国の国士監に留学している。

・又吉親方
明国から帰ってきた進貢船のサムレー大将。
思紹に仕える。

・ウニタキ
表向きは地図を作っている重臣の三星大親。
中山王の裏の組織「三星党」の頭領。
妻は尚巴志の叔母のチルー。

・ユシヌ
「宇久真」の遊女。
ウニタキの相手をする。

・ヒューガ(三好日向)
中山王の水軍の大将。
妻は馬天ヌル。娘にササがいる。
奥間の一夜妻との間に、ユリという娘がいて、ユリは武寧の長男カニムイの側室になる。
浦添グスクが焼け落ちた時、ユリはウニタキに助けられて、佐敷の馬天ヌルの屋敷で娘と一緒に暮らしている。

・當山之子
中山王のサムレー大将。
越来按司(美里之子)の弟。

・平戸親方
先代の中山王、武寧のサムレー大将。
交易船の護衛をして、シャム(タイ)から帰って来る。
帰国したら武寧が殺されていた事に驚き、進貢船を奪って山北王のもとに行こうと計画するが、サハチに知られて捕まり処刑される。



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2017年10月02日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 4.キラマの休日

サハチ(尚巴志)とマチルギは毎年の恒例の旅で、慶良間の島に行きました。
慶良間の島で、思紹が秘密に兵を育てていたので、サハチたちは行く事ができなかったのです。
一緒に行ったのは、ヒューガと馬天ヌル、ウニタキと妻のチルーでした。
ファイチ(懐機)夫婦も誘ったのですが、忙しいと言って来ませんでした。
首里グスクを奪い取ってから、皆、忙しく、久し振りの休暇でした。

思紹と一緒に若い者たちを鍛えていたマニウシは島に残っていました。
思紹は重臣として、マニウシを迎えるつもりでしたが、グスク務めは性に合わないと言ってマニウシは断りました。
すでに、次の十年の計が始まっていて、思紹から一千人の兵を育ててくれとマニウシは頼まれていました。

マウシとシラーはサハチの次男のジルムイと一緒にヤマトゥ旅に出ました。
ササがシラーを好きになったようだとチルーから聞いて、馬天ヌルは驚きます。
マウシと苗代大親の娘のマカマドゥがいい仲になっているとチルーが言って、サハチとマチルギはいい縁談だと喜びます。
サハチの長男のサグルーがマウシの妹に惚れたみたいとチルーが言うと、サハチもマチルギも驚きますが、マウシの妹なら悪くないと思います。

中山王は3隻の進貢船を持っていました。
1隻は7日前に帰って来て、ヒューガが水軍の船で囲み、使者の新垣大親も、サムレー大将の宜野湾親方も新しい中山王に従うと言ってくれました。
あと2隻もまもなく帰国するので、抑えなければなりません。

サハチが明国に行くと言うと、マチルギがヤマトゥに行きたいと言い出します。
サハチがだめだと言うと、マチルギは女の水軍を作って行くと言いました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に行こうと考えている。

・マチルギ
尚巴志の妻。伊波按司の妹。
女子サムレーたちの総大将。
島添大里按司の奥方だが、首里にいる事が多い。
尚巴志が明国に行くと言い出したので、女たちを連れてヤマトゥに行こうと考える。

・ヒューガ
中山王の水軍の大将。
妻は馬天ヌル。娘にササがいる。

・馬天ヌル
中山王思紹の妹。
霊力が高く、各地のヌルたちに慕われている。
娘のササも霊力が高い。

・ウニタキ
表向きは地図を作っている重臣の三星大親。
中山王の裏の組織「三星党」の頭領。
妻は尚巴志の叔母のチルー。

・チルー
ウニタキの妻。
王妃の妹。
マウシたちの隣の屋敷に住み、マウシたちの食事の面倒を見ていた。

・マニウシ
慶良間の島の武術師範。
久高島のフカマヌルの叔父。
新たな十年の計のため、1000人の若者たちを鍛えなければならない。

・ファイチ(懐機)
中山王の客将。
久米村からアランポー一族を追い出し、長史のワンマオと一緒に新しい久米村を造っている。
思紹の初めての進貢船を出すために忙しい。

・新垣大親
明国から帰ってきた進貢船の正使。
思紹に仕える。

・宜野湾親方
明国から帰ってきた進貢船のサムレー大将。
思紹に仕える。



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2017年09月25日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 3.恋の季節

ササに案内された屋敷は思っていたよりも立派な屋敷でした。
隣の屋敷に住んでいるおかみさんに連れられて、マウシ(護佐丸)は島添大里グスクの二階建ての豪華な屋敷で、叔父のサハチ(尚巴志)と会います。
叔父は「十年後に今帰仁グスクを攻め落とす」と言いました。
「その時、お前はサムレー大将になって、100人の兵を率いて、今帰仁グスクを攻めろ」と言います。
マウシは叔父を見つめて力強くうなづきました。

やがて、佐敷ヌルがサスカサと呼ばれる島添大里ヌルとその若ヌルを連れてやって来て、ササも現れました。
サグルーとジルムイの兄妹も来て、武術師範の苗代大親は娘のマカマドゥを連れて来ました。
稽古着姿ではない綺麗な着物を着たマカマドゥは美しく、マウシは胸がドキドキして、まともに見る事もできません。
叔父が「お前の歓迎の宴だ」と言って、酒や料理が運ばれてきました。
腹が減っていたマウシは遠慮なく、料理を平らげます。
ササがサグルーと一緒にマウシの所にやって来て、一緒に酒を飲みます。

ササがマカマドゥを口説かないのとマウシをからかいます。
ジルムイとマカマドゥも加わって、山田の話をしたりして、マウシは酒を飲みすぎて、翌朝、起きると頭がズキンズキン痛みました。

マウシは隣のおかみさんに連れられて、ソウゲン寺と呼ばれている読み書きを教える所に行きます。
そこにはサグルー、ジルムイ、ササもいました。
退屈な時間が過ぎて、マウシはサグルーと一緒に武術道場に行きます。

稽古が終わったあと、マウシはサグルーと一緒に島添大里グスクの東曲輪の物見櫓に登ります。
サグルーは去年、ヤマトゥに行ったと言って、ヤマトゥの事を話してくれました。
マウシはただ驚いて話を聞いていました。
そして、マウシにヤマトゥに行って来いとサグルーは言います。
ヤマトゥ旅なんて、山田にいた頃、考えた事もありません。
マウシはここに来てよかったと夕暮れの景色をを眺めながら思いました。

マウシのヤマトゥ行きが決まって、マウシは親の許しを得るために、ササとサグルーを連れて山田に帰ります。
サグルーはマウシの妹、マカトゥダルに一目惚れします。
ササはマサルーの息子のシラーに一目惚れします。



登場人物

・マウシ
山田按司の次男。後の護佐丸。
曾祖父は今帰仁按司でしたが、羽地按司に殺され、今帰仁按司の座を奪われます。
祖父は中山王の察度が今帰仁を攻めた時に、今帰仁按司(羽地按司)を殺しますが戦死してしまいます。
マウシは祖父が戦死した頃に生まれ、祖父の生まれ変わりに違いないと皆から期待されて育ちます。
島添大里で苗代大親の娘のマカマドゥに一目惚れします。

・久良波のマサルー
山田按司の家臣。マウシの武術の師匠。
マウシの供をして首里に行きます。

・チルー
ウニタキの妻。
マウシたちの隣の屋敷に住み、マウシたちの食事の面倒を見ます。

・サハチ
島添大里按司。尚巴志。
十年後に山北王を倒し、その十年後に山南王を倒して、琉球を統一しようと考えています。

・佐敷ヌル
尚巴志の妹。シンゴと結ばれて、マユという娘がいます。
娘たちの剣術の師範で、女子サムレーたちの師範でもあります。
強い霊力を持っていますが、本人はまだ気づいていません。

・サスカサ
慶良間の島から戻り、島添大里ヌルに復帰して、ミチを一人前のヌルに育てています。

・ミチ
尚巴志の長女。
島添大里の若ヌル。
サスカサのもとでヌルになるための修行中。
佐敷ヌルから剣術も習っています。

・ササ
馬天若ヌル。父親は水軍大将のヒューガ、母親は馬天ヌル。
誰だかわからないが、誰かが来るのを予見して、木の上で待っていて、マウシと会います。
幼い頃から母親に剣術を習い、娘たちの師範代を務めるほとの腕を持っています。
ヌルとしても強い霊力を持っていて、尚巴志と懐機を出会わせたのもササでした。
山田に行って、久良波のマサルーの息子、シラーに一目惚れします。

・苗代大親
中山王思紹の弟。武術師範。
サムレーたちの総大将。

・マカマドゥ
苗代大親の三女。
幼い頃から父に剣術を習い、自分よりも弱い男には見向きもしません。
マウシが自分と互角の腕を持っていたので、気になる存在になります。

・サグルー
尚巴志の長男。
去年、ヤマトゥ旅に行き、京都にも行っています。
山田に行き、マウシの妹、マカトゥダルに一目惚れします。

・ジルムイ
尚巴志の次男。後の尚忠。
真面目な性格で、サグルーやササとは付き合いません。

・ソウゲン
ヤマトゥの禅僧で、島添大里の城下に住んで、子供たちに読み書きを教えています。

・山田按司
尚巴志の妻、マチルギの兄。
マウシ、マカトゥダルの父親。

・マカトゥダル
山田按司の三女。
マウシが連れて来たサグルーに一目惚れします。

・シラー
久良波のマサルーの次男。
マウシの幼馴染みで、マウシと一緒に首里で修行する事になります。



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2017年09月18日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 2.胸のときめき

島添大里グスクへと向かう山道の途中で、マウシ(護佐丸)は馬天若ヌルのササと出会います。
ササは木の上から飛び降りてきて、マウシの案内をしてグスクに向かいます。
島添大里グスクは山田グスクよりずっと広くて、マウシは羨ましいと思います。
東曲輪にある屋敷から美人の女子サムレーが出て来て、それが佐敷ヌルだと知ったマウシは驚きます。
若ヌルのササにしろ、佐敷ヌルににしろ、どう見てもヌルには見えません。

マウシはササに連れられて武術道場に行って、ササの叔父で、武術師範のの苗代大親と会います。
武術道場からの帰り、東曲輪に木剣を持った娘たちが集まって来るのに出会ったマウシは驚きます。
ササに連れられて、娘たちの剣術の稽古を見学したマウシは、苗代大親の娘、マカマドゥに惹かれます。

マウシはマカマドゥと試合をしますが、お互いに身動きができないまま、引き分けとなります。



登場人物

・マウシ
山田按司の次男。後の護佐丸。
曾祖父は今帰仁按司でしたが、羽地按司に殺され、今帰仁按司の座を奪われます。
祖父は中山王の察度が今帰仁を攻めた時に、今帰仁按司(羽地按司)を殺しますが戦死してしまいます。
マウシは祖父が戦死した頃に生まれ、祖父の生まれ変わりに違いないと皆から期待されて育ちます。

・久良波のマサルー
山田按司の家臣。マウシの武術の師匠。
マウシの供をして首里に行きます。

・ササ
馬天若ヌル。父親は水軍大将のヒューガ、母親は馬天ヌル。
誰だかわからないが、誰かが来るのを予見して、木の上で待っていて、マウシと会います。
幼い頃から母親に剣術を習い、娘たちの師範代を務めるほとの腕を持っています。
ヌルとしても強い霊力を持っていて、尚巴志と懐機を出会わせたのもササでした。

・佐敷ヌル
尚巴志の妹。シンゴと結ばれて、マユという娘がいます。
娘たちの剣術の師範で、女子サムレーたちの師範でもあります。
強い霊力を持っていますが、本人はまだ気づいていません。

・苗代大親
中山王思紹の弟。武術師範。
サムレーたちの総大将。

・ジルムイ
尚巴志の次男。後の尚忠。

・マカマドゥ
苗代大親の三女。
幼い頃から父に剣術を習い、自分よりも弱い男には見向きもしません。



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2017年09月04日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 1.山田のウニウシ

第二部は若き日の護佐丸が首里に向かう場面から始まります。

山田按司の次男に生まれたマウシ(護佐丸)は曾祖父と祖父の敵を討って、今帰仁グスクを奪い取るために山の中で厳しい修行を積んでいました。
先月、叔母夫婦が武装姿で山田グスクにやって来て、叔父(尚巴志)は信じられない事を言いました。
中山王を倒して、浦添グスクを焼き払って、首里グスクを奪い取ったと言うのです。
叔母夫婦が帰ったあと、マウシは首里に行ってサムレー大将になろうと決心をします。
山田にいても次男なので、按司にはなれません。首里に行ってサムレー大将になって今帰仁を攻めようと考えたのです。
山田には自分よりも強い者はいません。首里に行っても、すぐにサムレー大将になれるだろうとマウシは自信を持っていました。

首里にはまだ城下はなく、大通りに面して普請中の屋敷がいくつもありました。
それでも、高い石垣に囲まれたグスクは立派でした。
マウシは門番に父の書状を見せて、グスク内に入ります。
グスク内ではサムレーたちが武術の稽古をしていて、その指導をしているのが王様だと言われて、マウシは驚きます。
マウシは豪華な宮殿に驚き、その宮殿を守っている女子(いなぐ)サムレーに驚きます。
叔母のマチルギが出て来て、マウシは女子サムレーと試合をする事になって、クムという女子サムレーに負けてしまいます。
マチルギはグスク内を案内してくれましたが、女子に負けたマウシは悔しくて、叔母の説明も耳に入りません。
マチルギに言われるまま、マウシは島添大里グスクに向かいます。


登場人物

・マウシ
山田按司の次男。後の護佐丸。
曾祖父は今帰仁按司でしたが、羽地按司に殺され、今帰仁按司の座を奪われます。
祖父は中山王の察度が今帰仁を攻めた時に、今帰仁按司(羽地按司)を殺しますが戦死してしまいます。
マウシは祖父が戦死した頃に生まれ、祖父の生まれ変わりに違いないと皆から期待されて育ちます。

・久良波のマサルー
山田按司の家臣。マウシの武術の師匠。
マウシの供をして首里に行きます。

・思紹
中山王。尚巴志の父。

・マチルギ
島添大里按司(尚巴志)の妻。マウシの叔母。
女子サムレーたちの武術の師匠。

・クム
首里の女子サムレー。

・チタ
首里の女子サムレー。



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2017年07月31日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 81.勝連グスクに雪が降る

奪い取った越来グスクを叔父の美里之子に任せて、サハチ(尚巴志)は勝連グスクに向かいます。
勝連グスクは深い霧に被われていました。
サハチは兵を展開して、三つの門を塞ぎました。

馬天ヌルがやって来て、手ごわいマジムン(悪霊)がいるとサハチに言います。
サハチが馬天ヌルと話をしていると、サタルーとヤキチが現れます。
朝早くから噂を流していた二人は、ウニタキが勝連グスク内にいると言います。
ウニタキは山伏のイブキと望月ヌルを連れて、知人に会いに行ったようです。

一時間後、ウニタキたちは無事にグスクから出て来て、うまくいったと言います。
ウニタキは叔父の平安名大親と会って、三つの条件を受け入れれば、グスクを開け渡すと話を付けてきたようです。
サハチは三つの条件を受け入れます。
ウニタキは再び、グスク内に戻って、平安名大親と会います。
しばらくして、正門が開き、平安名大親が出て来て、サハチと会います。

城下に避難していた者たちが解放され、サハチが率いていた兵たちがグスク内に入ります。
サハチは重臣たちを連れて、勝連の重臣たちと会い、今後の事を相談します。

サハチたちが会議をしている時、馬天ヌルはマチルギ、佐敷ヌル、フカマヌルを連れて、勝連ヌルの案内で、マジムン退治をしています。
雨が勢いよく降って来て、大きな雷が何度も轟き、強風が吹き荒れ、雪まで降ってきました。
雪がやむと青空が顔を出して、マジムン退治も終わります。

その晩、戦勝祝いの宴が開かれて、サハチたちは勝連の重臣たちと酒を酌み交わします。
驚いた事に、サハチの幼馴染みのサンラーが勝連の重臣になっていて、サハチは再会を喜びます。

サハチとヒューガが一の曲輪に登ると、馬天ヌル、佐敷ヌル、フカマヌル、勝連ヌル、望月ヌル、マチルギがいて、月見を楽しんでいました。
ウニタキもやって来て、姉の勝連ヌルと再会します。
突然、ヒューガが叫び、島添大里の方を見ると、光が天に向かって伸びています。
ツキシルの石がサハチたちを祝福して光っていたのでした。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。
首里グスクを攻め落とし、首里に攻めて来るカニムイを倒す。
兵を率いて、中グスク、越来グスクを攻め落とし、勝連グスクを攻める。

・美里之子(んざとぅぬしぃ)
尚巴志の叔父。武術師範。
島添大里大親の重臣。
サハチに従い、中グスク、越来グスク、勝連グスクを攻める。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。
首里の悪霊を退治する。
サハチに従い、攻め落とした中グスク、越来グスクを清める。
勝連グスクの悪霊を退治する。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。
シンゴと結ばれ、娘のマユが生まれる。
馬天ヌルと一緒に、首里の悪霊を退治する。
馬天ヌルと一緒に中グスク、越来グスクを清める。
馬天ヌルと一緒に勝連グスクの悪霊を退治する。

・フカマヌル(外間ノロ)
久高島のフカマヌルの娘でフカマヌルを継ぐ。
父はサグルー。尚巴志の母違いの妹。
ウニタキと結ばれ、娘のウニチルが生まれる。
馬天ヌルと一緒に、首里の悪霊を退治する。
馬天ヌルと一緒に中グスク、越来グスクを清める。
馬天ヌルと一緒に勝連グスクの悪霊を退治する。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。
馬天ヌルと一緒に、首里の悪霊を退治する。
馬天ヌルと一緒に中グスク、越来グスクを清める。
馬天ヌルと一緒に勝連グスクの悪霊を退治する。

・ヤグルー
尚巴志の弟。
平田グスクを任され、平田大親を名乗る。
サハチに従い、中グスク、越来グスク、勝連グスクを攻める。

・サム
伊波按司の四男。マチルギの兄。
妻はクマヌの娘のマチルー。
伊波を飛び出し、妻を連れて佐敷に来る。
父親の死後、伊波大親を名乗り、尚巴志の重臣になる。
カニムイを討ち取る。
サハチに従い、中グスク、越来グスク、勝連グスクを攻める。

・當山之子(とうやまぬしぃ)
島添大里按司の重臣。美里之子の弟。
待ち伏せをして、カニムイの兵を攻める。
サハチに従い、中グスク、越来グスク、勝連グスクを攻める。

・苗代大親(なーしるうふや)
尚巴志の叔父。サハチとマチルギの剣術の師匠。
島添大里按司の重臣。島添大里の武術師範になる。
待ち伏せをして、カニムイの兵を攻める。
サハチに従い、中グスク、越来グスク、勝連グスクを攻める。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。尚巴志の師匠。
尚巴志のために山賊になる。
山南王の船を奪い取って海賊になり、慶良間の島の修行者たちの食糧を調達する。
首里攻めのために慶良間の島から1000人の兵を運ぶ。
待ち伏せをして、カニムイの兵を攻める。
サハチに従い、中グスク、越来グスク、勝連グスクを攻める。

・サタルー
サハチの息子。母親は一夜妻だったフジ。
奥間の長老に育てられ、「若様」と呼ばれる。
ヤキチと一緒に越来グスクを落とす。

・ヤキチ
奥間の鍛冶屋。サハチを守るために佐敷に送られる。
奥間大親。
配下の者を各地に配置して、敵の動きを探る。
サタルーと一緒に越来グスクを落とす。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。先代の中山王、察度の孫娘(武寧の娘)、ウニョンを妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。
望月党を壊滅させ、妻と娘の敵を討つ。
首里グスクの抜け穴を利用して、グスク内に潜入して、尚巴志の兵をグスク内に入れる。
浦添グスクに潜入して、火を付けて炎上させる。
勝連グスクで叔父の平安名大親と会い、勝連と同盟を結ぶ。

・イブキ
ヤマトゥの山伏。ウニタキの師匠。
ウニタキの配下になり、浦添の「よろずや」の主人となる。
ウニタキと一緒に勝連グスクで平安名大親と会う。

・望月ヌル(望月ノロ)
望月党のお頭、サンルーとその弟、グルーの妹。
イブキに助けられ、イブキの妻になる。
ウニタキと一緒に勝連グスクで平安名大親と会う。
馬天ヌルと一緒に勝連グスクの悪霊を退治する。

・平安名大親(へんなうふや)
勝連の重臣。ウニタキの叔父。
ウニタキと会い、サハチと同盟を結ぶ。

・勝連ヌル(勝連ノロ)
ウニタキの姉。
馬天ヌルと一緒に勝連グスクの悪霊を退治する。

・屋慶名大親(やぎなうふや)
勝連の重臣。

・平敷屋大親(ひしちゃうふや)
勝連の重臣。

・安勢理大親(あせりうふや)
勝連の重臣。

・平安座大親(へんざうふや)
勝連の重臣。

・北原大親(にしばるうふや)
勝連の重臣。

・浜川大親(はまかーうふや)
勝連の重臣。サンラー、サハチの幼馴染み。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年07月17日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 80.快進撃

中グスクの城下には信じられない噂が流れていました。
中山王が戦死して、中グスク按司も戦死して、できたばかりの首里グスクは奪われ、浦添グスクは焼け落ちて、今、大軍が中グスクに向かっているという噂です。
中山王を殺して、首里グスクを奪い取ったのが誰なのか、一体、どこの大軍が攻めて来るのか、噂からはわかりませんでした。

中グスクの留守を守っていた久場大親は、真相を確かめるために家臣の伊集之子を浦添に送ります。
久場大親は中山王を倒したのは山南王に違いないと考えます。
山南王なら同盟を結んでいるので、中グスクを攻める事はなく、勝連に行くに違いないと思います。
城下の者たちが大騒ぎしているので、三の曲輪内に避難させます。

中グスクはサハチ(尚巴志)が率いる800の兵に包囲されます。
クマヌが、降伏せよと声を掛けると久場大親が出て来て、クマヌから話を聞いて、中山王を倒したのが島添大里按司だった事を知ります。
久場大親は若按司と相談すると言って引き下がり、しばらくして、中グスクヌルが現れます。
馬天ヌルと中グスクヌルは再会を喜び、敵味方の兵が見守る中、話をして別れます。

一時間後、久場大親が現れて、中グスクヌルと一緒に説得したが、うまくいかなかったと言います。
久場大親がグスク内に戻ると、サハチは法螺貝で戦闘開始の合図を送ります。

グスク内に潜入していた奥間の者たちによって門が開けられ、クマヌが兵を率いて突入します。
裏門からは美里之子が率いる兵が突入して、中グスクは落城します。

戦が終わると、敵兵の死体を片付け、馬天ヌルたちにグスクの清めを頼みます。
中グスクの一の曲輪には立派な二階建ての屋敷があり、そこからの眺めは最高でした。

奪い取った中グスクをクマヌと100人の兵に任せ、次の日、サハチは700の兵を率いて越来グスクに向かいます。
昨日と同じように、奥間の者たちに噂を流させ、越来の城下は騒然となります。
サハチは越来グスクを包囲しますが、何となく様子が変です。
法螺貝を吹き鳴らすと、門が開いて、奥間のサタルーとヤキチが出て来て、グスクを落としたと言います。

グスク内では仲宗根大親が反乱を起こし、若按司たちを殺していました。
それに気づいたサタルーたちが仲宗根大親の一味を退治して、グスクを奪い取ったのでした。



登場人物

・久場大親(くばうふや)
中グスク按司の叔父。
中グスクの留守を守る。

・伊集之子(いじゅぬしぃ)
中グスク按司の家臣。

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。
首里グスクを攻め落とし、首里に攻めて来るカニムイを倒す。
兵を率いて、中グスク、越来グスクを攻め落とす。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。
馬天ヌルと一緒に、首里のマジムンを退治する。
馬天ヌルと一緒に中グスク、越来グスクを清める。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。熊野大親。
尚巴志の家臣でサムレー大将。
首里攻めの大将を務める。
サハチに従い、中グスク、越来グスクを攻める。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。尚巴志の師匠。
尚巴志のために山賊になる。
山南王の船を奪い取って海賊になり、慶良間の島の修行者たちの食糧を調達する。
首里攻めのために慶良間の島から1000人の兵を運ぶ。
待ち伏せをして、カニムイの兵を攻める。
サハチに従い、中グスク、越来グスクを攻める。

・ヤグルー
尚巴志の弟。
平田グスクを任され、平田大親を名乗る。
サハチに従い、中グスク、越来グスクを攻める。

・苗代大親(なーしるうふや)
尚巴志の叔父。サハチとマチルギの剣術の師匠。
島添大里按司の重臣。島添大里の武術師範になる。
待ち伏せをして、カニムイの兵を攻める。
サハチに従い、中グスク、越来グスクを攻める。

・美里之子(んざとぅぬしぃ)
尚巴志の叔父。武術師範。
島添大里大親の重臣。
サハチに従い、中グスク、越来グスクを攻める。

・當山之子(とうやまぬしぃ)
島添大里按司の重臣。美里之子の弟。
待ち伏せをして、カニムイの兵を攻める。
サハチに従い、中グスク、越来グスクを攻める。

・サム
伊波按司の四男。マチルギの兄。
妻はクマヌの娘のマチルー。
伊波を飛び出し、妻を連れて佐敷に来る。
父親の死後、伊波大親を名乗り、尚巴志の重臣になる。
カニムイを討ち取る。
サハチに従い、中グスク、越来グスクを攻める。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。
首里のマジムンを退治する。
サハチに従い、攻め落とした中グスク、越来グスクを清める。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。
シンゴと結ばれ、娘のマユが生まれる。
馬天ヌルと一緒に、首里のマジムンを退治する。
馬天ヌルと一緒に中グスク、越来グスクを清める。

・フカマヌル(外間ノロ)
久高島のフカマヌルの娘でフカマヌルを継ぐ。
父はサグルー。尚巴志の母違いの妹。
ウニタキと結ばれ、娘のウニチルが生まれる。
馬天ヌルと一緒に、首里のマジムンを退治する。
馬天ヌルと一緒に中グスク、越来グスクを清める。

・サタルー
サハチの息子。母親は一夜妻だったフジ。
奥間の長老に育てられ、「若様」と呼ばれる。
ヤキチと一緒に越来グスクを落とす。

・ヤキチ
奥間の鍛冶屋。サハチを守るために佐敷に送られる。
奥間大親。
配下の者を各地に配置して、敵の動きを探る。
サタルーと一緒に越来グスクを落とす。

・中グスクヌル(中城ノロ)
中グスク按司の妹。母親は奥間から贈られた側室。

・マユミ
奥間から贈られた側室。

・越来ヌル(越来ノロ)
仲宗根大親の姉。

・仲宗根大親(なかずにうふや)
先々代の越来按司の長男。
按司になろうとして反乱を起こす。



尚巴志伝
ラベル:琉球 尚巴志伝

2017年07月10日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 79.包囲陣崩壊

中部の按司たちの兵が、島尻大里グスクの包囲陣から引き上げて行った事を知った、八重瀬按司のタブチは鬼のような顔をして怒鳴っていました。
豊見グスク按司の兵が攻めて来ると、小禄按司、瀬長按司、兼グスク按司が陣を引き払って撤収して行きました。
やがて、タブチのもとに中山王の若按司か率いていた中部の按司たちの兵が全滅したとの知らせが入ります。
タブチは悪態をついて、包囲陣を解除して、引き上げます。

島尻大里グスク内にいた山南王のシタルーは急に包囲していた敵兵が引き上げて行ったので、何事かと驚きます。
豊見グスク按司から事情を聞いたシタルーは、さらに詳しい情報を得るために石屋の者たちを各地に飛ばしました。

シタルーは石屋から中山王の若按司の戦死と中部の按司たちの戦死を聞いて驚きます。
さらに、久米村からアランポーの一族がいなくなったと聞いて驚きます。

サハチ(尚巴志)の思い通りにはさせないとシタルーは首里に向かって出陣します。
抜け穴を利用して、首里グスクを奪い取るつもりでしたが、抜け穴の入り口は見つかりませんでした。

その頃、首里グスクでは浦添グスクから運んできた明国の酒で祝杯を上げていました。



登場人物

・タブチ
八重瀬按司。
汪英紫の長男、シタルーの兄。
中山王の武寧と組んで、シタルーを倒すつもりだったが、尚巴志に邪魔される。

・奥間大親
ナーサの甥。タブチに仕える。

・豊見グスク按司
シタルーの長男、タルムイ。
妻は尚巴志の妹、マチルー

・小禄按司
武寧の従兄。
宇座の御隠居、泰期の長男。

・瀬長按司
武寧の弟。妻はシタルーの妹。

・兼グスク按司。
武寧の次男。妻は山北王攀安知の妹、マハニ。

・米須按司
武寧の弟。察度の次男。
タブチの味方をして、山南王と戦う。

・山南王、汪応祖
シタルー。汪英紫の次男。島尻大里按司。
山南王の官生として明国に留学する。
兄タブチとの争いに勝ち山南王になる。
首里グスクを奪い取るつもりだったが、尚巴志に奪われる。

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。
首里グスクを攻め落とし、首里に攻めて来るカニムイを倒す。

・東行法師
尚巴志の父、サグルー。
佐敷按司をサハチに譲り、東行法師を名乗って旅に出る。
慶良間の無人島で若い者たちを鍛え、『師匠』と呼ばれる。
首里攻めの総大将として指揮を執る。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。先代の中山王、察度の孫娘(武寧の娘)、ウニョンを妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。
望月党を壊滅させ、妻と娘の敵を討つ。
首里グスクの抜け穴を利用して、グスク内に潜入して、尚巴志の兵をグスク内に入れる。
浦添グスクに潜入して、火を付けて炎上させる。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。
家族を佐敷に連れて来て、尚巴志のために活躍する。
久米村を仕切っているアランポーを倒すため、風水師として久米村に住む。
浦添グスクの炎上と同時に、アランポーの一族を抹殺する。

・シンゴ
早田新五郎。サイムンタルーの弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。
佐敷ヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・クルシ
早田左衛門太郎の重臣。
倅に跡を譲って隠居し、尚巴志の家臣になる。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年07月03日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 78.南風原決戦

サハチ(尚巴志)が首里グスクを奪い取り、浦添グスクを焼き討ちにした翌日、豊見グスクを包囲していたサハチの弟のマサンルーは東方(あがりかた)の按司たちにサハチのした事を説明して、豊見グスクから撤収します。

島尻大里大里グスクを包囲していた中山王武寧の若按司のカニムイは島尻大里グスクの包囲網を解いて、中部の按司たちを率いて首里グスクを攻めるために向かいます。

その頃、サハチは首里グスクの物見櫓から景色を眺めていました。
遙か、昔、ここは真玉添(まだんすい)と呼ばれていたらしいわと馬天ヌルが言います。
『真玉』は勾玉(まがたま)の事で、『添』は浦々を治める浦添(うらしい)や島々を治める島添(しましい)と同じで、ここはヌルが治めていた祈りの中心地だったのです。
ヌルたちが治めていた真玉添は、浦添按司の舜天(しゅんてぃん)に滅ぼされてしまいます。
殺されたヌルたちは悪霊になってしまい、人々を苦しめます。
悪霊を鎮めるために『真玉添』は二つに分けられ、『真玉森(まだんむい)』と『添森(すいむい)』になります。
察度は『添森』に高楼を建てて、『首里天閣(すいてぃんかく)』と名付けました。
武寧が首里天閣の跡地に首里グスクを築いたため、悪霊が飛び出して来ました。
封じ込められていた神様を救い出したので、悪霊は消え去ったと馬天ヌルはサハチに説明しました。
そして、サハチの守り神の『月代の石』は、真玉添の御宮に祀られていたと言います。

カニムイが率いる兵たちは首里に向かう途中で、當山之子、ヒューガ、苗代大親が率いる兵の待ち伏せに遭って壊滅し、カニムイも討たれます。


※真玉添を滅ぼしたのは舜天ではなかった事が、第二部で明らかになります。



◇首里(すい)について
『すい』とは何か、色々と考えました。
『首里』という漢字は、当て字なので参考にはなりません。
首里グスクには『真玉森(まだんむい)』と『首里森(すいむい)』のウタキがあります。
そこで、かつては『真玉添(まだんすい)の森』と呼ばれていたのではないかと考えました。
『真玉添』が何かの事情で二つに分けられてしまって、『真玉森』と『添森(すいむい)』になり、『添』が『首里』に変わっていったのではないかと思います。



登場人物

・マサンルー
尚巴志の弟。
佐敷グスクを任され、佐敷大親を名乗る。
サハチの代理として、豊見グスク攻めに参加する。

・屋比久大親
平田大親の重臣になる。
副将としてマサンルーに従う。

・大グスク按司
マナビー(大グスクヌル)の弟。
父が戦死したあと、母と共に小禄のはずれに隠れ住んでいた。
尚巴志から大グスクを譲られ、大グスク按司になる。

・玉グスク按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。

・知念按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。
大グスク按司の叔父。

・垣花按司
南部東方の按司。
大グスク按司の叔父。

・糸数按司
先代の糸数按司の母親違いの弟。
察度に仕えて護衛隊長を務め、上間按司になる。
兄の糸数按司を倒して、糸数按司になる。

・カニムイ
中山王武寧の若按司。
中山王の大将として、中部の按司たちを率いて、山南王の島尻大里グスクを攻める。

・奥間大親
中山王の重臣。

・北谷按司
妻は望月党に殺された江州按司の娘。
カニムイに率いられて、島尻大里グスクを攻める。

・勝連按司
ウニタキの弟、シワカー
妻は北谷按司の妹。
カニムイに率いられて、島尻大里グスクを攻める。

・越来按司
妻は北谷按司の妹。
カニムイに率いられて、島尻大里グスクを攻める。

・中グスク按司
妻は北谷按司の妹。
カニムイに率いられて、島尻大里グスクを攻める。

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。
首里グスクを攻め落とし、首里に攻めて来るカニムイを待ち伏せする。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。
馬天ヌルと一緒に、首里のマジムンを退治する。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。熊野大親。
尚巴志の家臣でサムレー大将。
首里攻めの大将を務める。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。
首里のマジムンを退治する。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。
シンゴと結ばれ、娘のマユが生まれる。
馬天ヌルと一緒に、首里のマジムンを退治する。

・フカマヌル(外間ノロ)
久高島のフカマヌルの娘でフカマヌルを継ぐ。
父はサグルー。尚巴志の母違いの妹。
ウニタキと結ばれ、娘のウニチルが生まれる。
馬天ヌルと一緒に、首里のマジムンを退治する。

・マウー
伊是名のナビーの五男。サグルーの甥。慶良間の島の師範代。
クマヌ隊の副将を務める。

・當山之子
島添大里按司の重臣。美里之子の弟。
待ち伏せをして、カニムイの兵を攻める。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。尚巴志の師匠。
尚巴志のために山賊になる。
山南王の船を奪い取って海賊になり、慶良間の島の修行者たちの食糧を調達する。
首里攻めのために慶良間の島から1000人の兵を運ぶ。
待ち伏せをして、カニムイの兵を攻める。

・苗代大親
尚巴志の叔父。サハチとマチルギの剣術の師匠。
島添大里按司の重臣。島添大里の武術師範になる。
待ち伏せをして、カニムイの兵を攻める。

・美里之子(んざとぅぬしぃ)
尚巴志の叔父。武術師範。
島添大里大親の重臣。

・サム
伊波按司の四男。マチルギの兄。
妻はクマヌの娘のマチルー。
伊波を飛び出し、妻を連れて佐敷に来る。
父親の死後、伊波大親を名乗り、尚巴志の重臣になる。
カニムイを討ち取る。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年06月26日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 77.浦添グスク炎上

サハチ(尚巴志)が首里グスクを奪い取った日の夕方、浦添の遊女屋『喜羅摩』では、早々と戦勝祝いの宴が賑やかに開かれていました。
招待したのは侍女の頭を務めるナーサで、招待されたのは中山王の重臣たちでした。
重臣といっても武将ではなく、政務を司つかさどっている文官たちです。
夜も更けて、重臣たちがだらしなく遊女と戯れている時、若いサムレーが血相を変えてやって来ました。
「大変です。グスクが燃えております」と若いサムレーは叫びました。
重臣たちが外に飛び出して、グスクを見ると真っ赤な炎を上げて、グスクは勢いよく燃えていました。

ウニタキは配下を率いて、日が暮れるのを待って、浦添グスク内に潜入しました。
中山王の武寧も若按司もいないので、気が緩んでいる警固の兵たちを倒しながら、ウニタキたちはあちこちに火を付けました。
グスク内の者たちは火を消すどころではなく、必死に逃げました。
ウニタキたちは御内原(うーちばる)に潜入して、武寧の息子たちを皆、殺して、女たちは速く逃げろと追い出しました。
若按司の側室になっていたヒューガの娘のユリと奥間から贈られた側室を助け、武寧の三男に嫁いでいた玉グスク按司の娘も助けました。
西門からは財宝を山積みにした荷車が首里へと運ばれて行きました。

その頃、浮島の久米村ではファイチに率いられた慶良間の若者たちが、アランポーの配下の者たちを殺し、一族の者も殺し、アランポーも殺していました。

夜が明け、浦添グスクはまだくすぶっていましたが、グスク内に建っていたほとんどの屋敷が焼け落ちていました。
朝早くから重臣たちのもとへ、ナーサからの書状が届いて、重臣たちは昨夜の遊女屋に集まります。
ナーサは、中山王の武寧は亡くなり、島添大里按司が新しい中山王になると言います。
重臣たちは驚きますが、ナーサの話を聞いて、新しい中山王に仕える事になります。

山南王のシタルーがいる島尻大里グスクは、中山王の若按司が率いる兵とタブチが率いる兵に完全に包囲されていました。
中山王の若按司、カニムイのもとに、浦添グスクが焼け落ちたとの知らせが入ってきます。
タブチのもとにも浦添グスク炎上の知らせが入ります。
カニムイもタブチも、一体、何が起こっているのか、わけがわかりませんでした。


登場人物

・ナーサ
汪英紫が八重瀬グスクを攻め落とす時に、八重瀬按司に贈った絶世の美女。
浦添の若按司に嫁いだ汪英紫の長女、ウシの侍女として浦添グスクに入り、今では侍女たちを束ねている。
ウニタキの亡くなった妻、ウニョンの実の母親。
侍女を引退して、「遊女屋」をやろうと考えている。
尚巴志のために、中山王の重臣たちを寝返らせる。

・安謝大親
中山王の重臣。交易担当の総奉行。

・嘉数大親
中山王の重臣。財政担当。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。先代の中山王、察度の孫娘(武寧の娘)、ウニョンを妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。
望月党を壊滅させ、妻と娘の敵を討つ。
首里グスクの抜け穴を利用して、グスク内に潜入して、尚巴志の兵をグスク内に入れる。
浦添グスクに潜入して、火を付けて炎上させる。

・ユリ
奥間で生まれたヒューガの娘。
中山王の若按司の側室になる。
燃える浦添グスクからウニタキに助けられる。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。
家族を佐敷に連れて来て、尚巴志のために活躍する。
久米村を仕切っているアランポーを倒すため、風水師として久米村に住む。
浦添グスクの炎上と同時に、アランポーの一族を抹殺する。

・アランポー(亜蘭匏)
久米村の唐人。
1383年、泰期に代わって正使となり、明国に行く。
1394年、国相に任じられる。
久米村を仕切っている。

・ワンマオ(王茂)
久米村の唐人。
アランポーを追い出すためにファイチと手を組む。
アランポーを倒して、久米村の代表になる。

・山南王、汪応祖
シタルー。汪英紫の次男。島尻大里按司。
山南王の官生として明国に留学する。
兄タブチとの争いに勝ち山南王になる。
首里グスクを奪い取るつもりだったが、尚巴志に奪われる。

・カニムイ
中山王武寧の若按司。
中山王の大将として、中部の按司たちを率いて、山南王の島尻大里グスクを攻める。

・奥間大親
中山王の重臣。

・ハマジ
奥間大親の配下。

・タブチ
八重瀬按司
汪英紫の長男、シタルーの兄。
中山王の武寧と組んで、シタルーを倒すつもりだったが、尚巴志に邪魔される。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年06月19日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 76.首里のマジムン

1406年2月9日、島添大里グスクで、馬天ヌル、佐敷ヌル、フカマヌルによって、出陣の儀式が行なわれました。
儀式が終わるとサハチ(尚巴志)の弟、マサンルーが100人の兵を率いて、糸数グスクに向かいました。

サハチと父、大将に任命された重臣たちは運玉森に移動しました。
運玉森には慶良間の島から来た1000人の兵が待機していました。
サハチと父は「マジムン屋敷」で鎧を身に付けて、1000人の兵の前に立ちました。
皆、「三つ巴」の紋が描かれた鎧を着ていて、引き締まった顔付きで並んでいます。
父が挨拶をして、サハチも挨拶をしました。
兵たちの歓声が轟いている中、四人の女武者が現れました。
馬天ヌルと佐敷ヌルとフカマヌルとマチルギが鎧を身に付けてやって来たのです。
サハチが驚いて、どうして来たのか聞くと、馬天ヌルは、首里グスクにマジムン(悪霊)がいるので退治しなければならないと言います。
マジムンを退治するには四人のヌルが必要なので、神人(かみんちゅ)であるマチルギも連れて来たと言います。
父は、首里にマジムンがいるなら退治しなければならんと言い、サハチも、戦には参加しないという条件を付けて、四人の同行を許しました。

ウニタキがやって来て、中山王の若按司が中部の兵700人を率いて出陣したと知らせます。
中山王の武寧は浦添で若按司を見送ると首里グスクに戻ったようです。
しばらくして、ヤキチが現れ、東方の按司たちが豊見グスク攻めに向かったと知らせます。
ウニタキが抜け穴を通って、首里グスクに潜入すると言って出掛けました。

それから二時間ほどして、中山王の兵がタブチの兵と合流して、島尻大里グスクを包囲したとヤキチの配下の者が知らせました。
サハチ、クマヌ、兼久大親の三人がそれぞれ100人の兵を率いて首里に向かいました。

サハチたちが首里グスクに着くと土砂降りでした。
やがて、正門が開いて、ウニタキが合図をしました。
サハチは兵を突撃させました。
兼久大親の兵は敵兵を倒して、グスクの警固に付き、サハチの兵は石垣の内側に沿って進んで敵を倒し、クマヌの兵は武寧のいる御内原を攻めます。

サハチはヌルたちと一緒に最後にグスクに入りました。
グスク内には見事な宮殿が建っていました。
サハチとマチルギが宮殿に見とれていると、馬天ヌルがマチルギを呼びました。
マチルギは馬天ヌルたちと一緒に、ウタキのある「キーヌウチ(後の京の内)」に入って行きました。

武寧はすでに殺されていました。
シタルーの命令で、武寧の側室になったアミーという女が殺したのでした。
アミーはサハチたちが攻めて来たのを、シタルーが攻めて来たものと勘違いして、武寧を殺したのでした。
クマヌがアミーを連れて、サハチの所に来て、成り行きを説明しました。
武寧を討ったのだから敵ではない。シタルーに返してやろうとサハチは言いました。

戦が終わると、ウニタキは次の仕事があると言って、浦添に向かいました。
サハチが兵たちの前で、首里グスクを奪い取ったぞと言うと、皆は勝ち鬨を上げて喜びました。

突然、暗くなったかと思うと雨が勢いよく降って来ました。
風も強くなり、稲光もして、雷も鳴り出しました。
空から大きな雹が降って来て、庭一面を埋め尽くしました。
やがて、黒い雲が飛んでいって、雨がやんで日が差して来ました。
四人のヌルたちがやって来て、空を指さしました。
サハチが指さす方を見ると、大きな虹が出ていました。
宮殿を囲んで、虹が輝いていました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。
首里グスクを攻め落とす。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。
馬天ヌルと一緒に、首里のマジムンを退治する。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。
首里のマジムンを退治する。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。
シンゴと結ばれ、娘のマユが生まれる。
馬天ヌルと一緒に、首里のマジムンを退治する。

・フカマヌル(外間ノロ)
久高島のフカマヌルの娘でフカマヌルを継ぐ。
父はサグルー。尚巴志の母違いの妹。
ウニタキと結ばれ、娘のウニチルが生まれる。
馬天ヌルと一緒に、首里のマジムンを退治する。

・ササ
馬天若ヌル。
馬天ヌルとヒューガの娘。

・ミチ
尚巴志の長女。
ヌルになるために修行中。

・マサンルー
尚巴志の弟。
佐敷グスクを任され、佐敷大親を名乗る。
サハチの代理として、豊見グスク攻めに参加する。

・屋比久大親
平田大親の重臣になる。
副将としてマサンルーに従う。

・東行法師
尚巴志の父、サグルー。
佐敷按司をサハチに譲り、東行法師を名乗って旅に出る。
慶良間の無人島で若い者たちを鍛え、『師匠』と呼ばれる。
首里攻めの総大将として指揮を執る。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。熊野大親。
尚巴志の家臣でサムレー大将。
首里攻めの大将を務める。

・マウー
伊是名のナビーの五男。サグルーの甥。慶良間の島の師範代。
クマヌ隊の副将を務める。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。尚巴志の師匠。
尚巴志のために山賊になる。
山南王の船を奪い取って海賊になり、慶良間の島の修行者たちの食糧を調達する。
首里攻めのために慶良間の島から1000人の兵を運ぶ。

・サム
伊波按司の四男。マチルギの兄。
妻はクマヌの娘のマチルー。
伊波を飛び出し、妻を連れて佐敷に来る。
父親の死後、伊波大親を名乗り、尚巴志の重臣になる。

・兼久大親
島添大里按司の重臣。
首里攻めの大将を務める。

・苗代大親
尚巴志の叔父。サハチとマチルギの剣術の師匠。
島添大里按司の重臣。島添大里の武術師範になる。

・美里之子(んざとぅぬしぃ)
尚巴志の叔父。武術師範。
島添大里大親の重臣。

・當山之子
島添大里按司の重臣。美里之子の弟。

・ヤグルー
尚巴志の弟。
平田グスクを任され、平田大親を名乗る。

・マガーチ
尚巴志の従弟。苗代大親の長男。

・与那嶺大親
島添大里按司の重臣。
首里攻めで、小荷駄奉行を務める。

・マタルー
尚巴志の弟。
島添大里グスクを守る。

・サグルー
尚巴志の長男。
島添大里グスクを守る。

・チルー
ウニタキの妻。美里之子の妹。
マチルギに代わり、女子サムレーを指揮して島添大里グスクを守る。

・八代大親
ヤシルー。ヤマトゥから来た弓矢の名人。
島添大里按司の重臣。
島添大里グスクを守る。

・クルー
尚巴志の弟。
佐敷グスクを守る。

・サンルー
美里之子の長男。
佐敷グスクを守る。

・クグルー
泰期の三男。母は後妻のナミー。
妻は苗代大親の娘。
平田グスクを守る。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。先代の中山王、察度の孫娘(武寧の娘)、ウニョンを妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。
望月党を壊滅させ、妻と娘の敵を討つ。
首里グスクの抜け穴を利用して、グスク内に潜入して、サハチの兵をグスク内に入れる。

・ヤキチ
奥間の鍛冶屋。サハチを守るために佐敷に送られる。
奥間大親。
配下の者を各地に配置して、敵の動きを探る。

・中山王、武寧
フニムイ。察度の長男。浦添按司。
妻は汪英紫の娘ウシで、タブチとシタルーの義兄。
山北王、攀安知の義父。
山南王のシタルーと一緒に首里にグスクを築く。
首里グスク完成後、タブチと組んで、シタルーを倒そうとたくらむ。

・アミー
武寧の側室。
シタルーが送った刺客。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年06月12日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 75.首里グスク完成

首里グスクの完成の儀式が行なわれる2月10日の翌日、山南王のシタルーを攻めるとの出撃要請が、八重瀬按司のタブチからサハチ(尚巴志)のもとに来ました。
サハチは大グスク按司と一緒に玉グスクに行って、東方(あがりかた)の按司たちと相談します。
玉グスク按司のもとには中山王の武寧から使者が来て、中山王もタブチを支援するので、東方の按司たちもタブチを支持するようにと言って来たそうです。
東方の按司たちは戦の準備をして、2月の11日の朝、糸数グスクに集合する事に決まりました。

島添大里に帰ったサハチは、城下の「まるずや」に行きます。
「まるずや」には父とクマヌとウニタキとヤキチが待っていました。
サハチたちは、首里グスクを奪い取るための作戦を検討して、父とクマヌは決戦が行なわれるであろう首里グスクの南部の地形を調べに行きました。
ヤキチは奥間のサタルーを今回の戦に参加させるように頼み、了解を得ます。

2月5日、サハチはウニタキと会い、首里グスクは完成したが、引き続き、重臣たちの屋敷の普請が始まった事を知ります。
普請に従事している人足たちと、人足を指図している役人もいるので、そいつらはウニタキが始末すると言いました。
そして、ウニタキは、武寧がお気に入りの側室と数人の家臣を連れて、首里グスクに移ったと言います。
武寧が首里グスクに移ったのなら、首里グスクを攻め落とした時、武寧の命も奪おうとサハチは考えます。

次の日の夕方、タブチの密使が来て、11日の出陣が9日になったと知らせました。
密使もその理由を知らず、出撃の日にちがシタルーに漏れたのかもしれないとサハチたちは思いました。

2月8日の午後、サハチが父と一緒に「まるずや」に行くと、ヒューガとファイチがいました。
ヒューガは慶良間の兵たちの移動を終え、ファイチも久米村のアランポー退治の準備は整ったと言います。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・大グスク按司
マナビー(大グスクヌル)の弟。
父が戦死したあと、母と共に小禄のはずれに隠れ住んでいた。
尚巴志から大グスクを譲られ、大グスク按司になる。

・玉グスク按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。

・知念按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。
大グスク按司の叔父。

・垣花按司
南部東方の按司。
大グスク按司の叔父。

・糸数按司
先代の糸数按司の母親違いの弟。
察度に仕えて護衛隊長を務め、上間按司になる。
兄の糸数按司を倒して、糸数按司になる。

・東行法師
尚巴志の父、サグルー。
佐敷按司をサハチに譲り、東行法師を名乗って旅に出る。
慶良間の無人島で若い者たちを鍛え、『師匠』と呼ばれる。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。熊野大親。
尚巴志の家臣でサムレー大将。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。先代の中山王、察度の孫娘(武寧の娘)、ウニョンを妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。
望月党を壊滅させ、妻と娘の敵を討つ。

・ヤキチ
奥間の鍛冶屋。サハチを守るために佐敷に送られる。
奥間大親。

・サタルー
サハチの息子。母親は一夜妻だったフジ。
奥間の長老に育てられ、「若様」と呼ばれる。

・マサンルー
尚巴志の弟。
佐敷グスクを任され、佐敷大親を名乗る。

・ナツ
ウニタキの配下。
島添大里グスクの侍女。
密かにサハチを思っている。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。尚巴志の師匠。
尚巴志のために山賊になる。
山南王の船を奪い取って海賊になり、慶良間の島の修行者たちの食糧を調達する。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。
家族を佐敷に連れて来て、尚巴志のために活躍する。
久米村を仕切っているアランポーを倒すため、風水師として久米村に住む。



尚巴志伝
ラベル:琉球 尚巴志伝

2017年06月05日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 74.タブチの野望とシタルーの誤算

久し振りに馬天ヌルと娘のササと一緒に、年末年始を過ごしたヒューガは五日になると慶良間の島から兵の移動を開始します。
サハチ(尚巴志)の父は慶良間の島には帰らず、孫たちと過ごしていました。

正月の半ば、八重瀬グスクで婚礼があり、南部の按司たちは皆、集まりました。
八重瀬按司のタブチの娘が中山王の武寧の四男に嫁いで行きました。
山南王のシタルーも来ていました。
糸数按司は何を考えているのかわかせない男でした。
武寧の次男の兼グスク按司は落ち着きのない男でした。
小禄按司は不気味で、面影が父親の宇座の御隠居(泰期)に似ていて、シタルーに付くのかタブチに付くのかわかりませんでした。

お祝いの宴の時、サハチはタブチに呼ばれて、別室でタブチと二人だけで会いました。
中山王が味方に付いたので、今回は必ず、シタルーに勝つから、サハチも従えとタブチは言います。
サハチは驚いた振りをして、タブチに従うと約束します。

次の日、サハチは「まるずや」でウニタキと会い、首里グスクの完成の儀式が2月10日に行なわれる事を知ります。
ウニタキは周りの状況を説明したあと、首里グスクの抜け穴を見つけたと言います。
シタルーが首里グスクを奪い取るために造った抜け穴を、ウニタキが見つけ出したのでした。

「まるずや」から出たサハチは弟のヤグルーと久高島のフカマヌルが一緒にいるのに出会います。
年末年始に誰も帰って来なかったので、フカマヌルは心配して島を出て来たそうです。
サハチは二人を連れて「まるずや」に戻り、フカマヌルをウニタキに預けます。

正月23日、シンゴとクルシの船が馬天浜に来て、サハチの長男、サグルーと弟のマサンルーが無事にヤマトゥから帰って来ました。
二人は京都まで行って来たと言って、サハチを驚かせます。
「一文字屋」が京都にも店を出して、その店にお世話になって京都見物を楽しんだと言います。
二人の話を聞いて、サハチも京都に行きたいと思いました。
シンゴからは、シンゴの父親、三郎左衛門が亡くなったと聞いて驚きます。
サハチはヤマトゥ旅に行った時の事を思い出し、三郎左衛門の冥福を祈りました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。尚巴志の師匠。
尚巴志のために山賊になる。
山南王の船を奪い取って海賊になり、慶良間の島の修行者たちの食糧を調達する。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。

・ササ
馬天若ヌル。
馬天ヌルとヒューガの娘。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。
シンゴと結ばれ、娘のマユが生まれる。

・東行法師
尚巴志の父、サグルー。
佐敷按司をサハチに譲り、東行法師を名乗って旅に出る。
慶良間の無人島で若い者たちを鍛え、『師匠』と呼ばれる。

・タブチ
八重瀬按司
汪英紫の長男、シタルーの兄。

・山南王、汪応祖
シタルー。汪英紫の次男。島尻大里按司。
山南王の官生として明国に留学する。
兄タブチとの争いに勝ち山南王になる。

・糸数按司
先代の糸数按司の母親違いの弟。
察度に仕えて護衛隊長を務め、上間按司になる。
兄の糸数按司を倒して、糸数按司になる。

・ンマムイ
兼グスク按司。
武寧の次男。山北王の娘、マハニを妻に迎える。

・小禄按司
武寧の従兄。
宇座の御隠居、泰期の長男。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。先代の中山王、察度の孫娘(武寧の娘)、ウニョンを妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。
望月党を壊滅させ、妻と娘の敵を討つ。

・ヤグルー
尚巴志の弟。
平田グスクを任され、平田大親を名乗る。

・フカマヌル(外間ノロ)
久高島のフカマヌルの娘でフカマヌルを継ぐ。
父はサグルー。尚巴志の母違いの妹。
ウニタキと結ばれ、娘のウニチルが生まれる。

・シンゴ
早田新五郎。サイムンタルーの弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。
佐敷ヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・クルシ
早田左衛門太郎の重臣。
倅に跡を譲って隠居し、尚巴志の家臣になる。

・サグルー
尚巴志の長男。

・マサンルー
尚巴志の弟。
佐敷グスクを任され、佐敷大親を名乗る。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年05月29日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 73.ナーサの望み

ウニタキが望月党を倒してから、浦添グスクの侍女のナーサは「よろずや」にちょくちょく遊びに来るようになりました。
ナーサは侍女を引退して、何か商売を始めようと思っているようです。
長年、女たちを使っていたので、遊女屋ならできそうだと思うが、遊女屋に行った事がないので、どんな事をしているのかわからないと言います。
ウニタキはヒューガの配下がやっている遊女屋「喜羅摩」に、ナーサを連れて行きます。
ナーサは遊女たちから真剣に話を聞いていて、本気で、遊女屋をやりたいと思っているようでした。

半月後、ウニタキはナーサと会いました。
ナーサは首里にできる新しい城下で「遊女屋」をやりたいと言います。
ウニタキはナーサを信じて、自分の事やサハチ(尚巴志)の事を話します。
ナーサは生まれ故郷の奥間のためにも、サハチのために働きたいと言って、ナーサが書いた浦添グスクの詳しい見取り図をウニタキに渡します。

サハチは浦添グスクの見取り図を見て喜び、ウニタキと一緒に浦添の「よろずや」に行ってナーサと会います。
ナーサの話を聞いて、サハチは以前、ナーサに会っていた事に気づきます。
クマヌに連れられて、初めて宇座の御隠居(泰期)の牧場を訪ねた時、馬に乗った勇ましく美しい侍女が浦添から来ましたが、それがナーサだったのです。

年の暮れ、父がヒューガと一緒に慶良間の島から帰って来ました。
サハチは父とヒューガと一緒に首里グスクを奪い取る作戦を練ります。


登場人物

・ナーサ
汪英紫が八重瀬グスクを攻め落とす時に、八重瀬按司に贈った絶世の美女。
浦添の若按司に嫁いだ汪英紫の長女、ウシの侍女として浦添グスクに入り、今では侍女たちを束ねている。
ウニタキの亡くなった妻、ウニョンの実の母親。
侍女を引退して、「遊女屋」をやろうと考えている。

・ムトゥ
マチルギの教え子。ウニタキの配下。
浦添の「よろずや」の売り子。

・望月ヌル
ヤエ。
望月党の兄二人が亡くなり、イブキと一緒になって、浦添の「よろずや」の女将になる。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。先代の中山王、察度の孫娘(武寧の娘)、ウニョンを妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。
望月党を壊滅させ、妻と娘の敵を討つ。

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・東行法師
尚巴志の父、サグルー。
佐敷按司をサハチに譲り、東行法師を名乗って旅に出る。
慶良間の無人島で若い者たちを鍛え、『師匠』と呼ばれる。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。尚巴志の師匠。
尚巴志のために山賊になる。
山南王の船を奪い取って海賊になり、慶良間の島の修行者たちの食糧を調達する。



尚巴志伝
ラベル:琉球 尚巴志伝

2017年05月22日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 72.伊波按司

勝連の噂が飛び交っていた7月の下旬、大きな台風がやって来ました。
島添大里も佐敷も平田もそれ程の被害はなくて助かります。
ウニタキが調べた所によると、建築中の首里グスクの石垣がかなり崩れたようです。
石垣の崩壊は中山王の武寧を激怒させ、崩れた石垣を担当していた石屋と人足たちは牢獄に入れられます。
今年中に完成させて、来年の正月は首里グスクで祝おうと計画していた武寧は、怒りが治まらず、手抜き工事に関係していた者たちは去勢して明国に送ると言ったそうです。

九月の半ば、伊波按司が危篤だと知らせが来ます。
サハチ(尚巴志)夫婦とサム夫婦はクマヌと一緒に伊波に行きます。
着いた時には、伊波按司は亡くなっていました。
マチルギは突然の父親の死を悲しみます。

サムは父親の死をきっかけにして、サハチの家臣になる事を決心します。
伊波大親を名乗って、重臣の一人になりました。

伊波から帰るとウニタキに呼ばれたサハチは、八重瀬按司と中山王の婚礼が決まった事を知ります。
冊封使が来て以来、中山王と山南王の仲に溝ができ、首里グスクの石垣の崩壊で溝がさらに深まり、中山王は八重瀬按司と組んで、山南王を倒そうとたくらんでいるようです。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・北谷按司
妻は望月党に殺された江州按司の娘。

・シワカー
ウニタキの弟。
二人の兄の死後、勝連按司になる。
妻は北谷按司の妹。

・越来按司
妻は北谷按司の妹。

・中グスク按司
妻は北谷按司の妹。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。
シンゴと結ばれ、娘のマユが生まれる。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。先代の中山王、察度の孫娘(武寧の娘)、ウニョンを妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。
望月党を壊滅させ、妻と娘の敵を討つ。

・中山王、武寧
フニムイ。察度の長男。浦添按司。
妻は汪英紫の娘ウシで、タブチとシタルーの義兄。
山北王、攀安知の義父。
山南王のシタルーと一緒に首里にグスクを築く。

・山南王、汪応祖
シタルー。汪英紫の次男。島尻大里按司。
山南王の官生として明国に留学する。
兄タブチとの争いに勝ち山南王になる。

・伊波按司
羽地按司に滅ぼされた今帰仁按司の次男。マチルギの父。

・伊波若按司
伊波按司の長男、チューマチ。妻は研ぎ師ミヌキチの娘。

・山田按司
伊波按司の次男、トゥク。妻は宇座の御隠居の娘。

・伊波ヌル
伊波按司の長女。

・安慶名按司
伊波按司の三男、マイチ。妻は勝連按司の娘。

・サム
伊波按司の四男。マチルギの兄。
妻はクマヌの娘のマチルー。
伊波を飛び出し、妻を連れて佐敷に来る。
父親の死後、伊波大親を名乗り、尚巴志の重臣になる。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・ムタ
伊波按司の五男。妻は越来按司の娘。

・ウトゥ
伊波按司の三女。北谷按司の弟に嫁ぐ。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。熊野大親。
尚巴志の家臣でサムレー大将。

・マチルー
サムの妻。クマヌの娘。

・タブチ
八重瀬按司
汪英紫の長男、シタルーの兄。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年05月15日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 71.勝連無残

永楽三年(1405年)の正月の末、シンゴとクルシの船が馬天浜に来て、サムとクルーがヤマトゥ旅から帰って来ました。
3月の半ばには島尻大里で盛大な婚礼があり、南部の按司たちが勢揃いしました。
サハチ(尚巴志)は島尻大里グスクに初めて入りましたが、グスク内には立派な建物がいくつも建っていて驚きます。
婚礼の翌日、サハチはウニタキに呼ばれ、中グスク按司が何者かに殺された事を知ります。
ウニタキは望月党の仕業に違いないと言います。

4月の初め、サハチの長男のサグルーが、弟のマサンルーと一緒にヤマトゥへと旅立ちます。
サグルーも16歳になり、サハチがヤマトゥに行った年齢になったのです。
その頃、越来按司が亡くなりました。病死と公表されましたが、真相はわかりません。
ウニタキは望月党の仕業だと言います。

5月の初め、サハチはウニタキに呼ばれて、「まるずや」に行きます。
ウニタキは望月党の弟のグルーが、兄のサンルーに殺されたと言います。

6月になると勝連按司が奇病に罹って亡くなり、弟の江州按司が勝連按司になりました。

6月の半ば、ウニタキは望月党を壊滅させて、妻と娘の敵を討ちました。
弟を倒したサンルーが、安心して以前の隠れ家に戻って来た所をウニタキは襲撃して、皆殺しにしたのでした。
弟との争いで配下の者が多く亡くなり、サンルーの一味は30人もいなかったとの事です。

勝連の騒ぎはそれで終わる事はなく、7月に勝連按司が先代と同じように奇病に罹って亡くなります。
望月党はすでに消滅したので、北谷按司の仕業かもしれません。
按司が奇病に倒れて、次々と変わるので、勝連グスクは呪われているとの噂が流れました。



望月党

1336年、初代望月三郎(サンルー)、琉球に来る。
      勝連按司と出会い、意気投合して、勝連按司に仕え、裏の組織「望月党」を結成する。
1346年、勝連按司の娘が察度に嫁ぐ。望月党の女が侍女として付いて行く。
1349年、察度、浦添按司の西威を滅ぼす。望月党が裏で活躍する。
1347年、勝連按司の娘が中グスク按司に嫁ぐ。中グスクに侍女を入れる。
1354年、3代目勝連按司が死す。若按司が4代目を継ぐ。
1365年、初代望月サンルーが死す。長男が2代目望月サンルーを継ぐ。
1374年、4代目勝連按司が死す。若按司が5代目を継ぐ。
      新しい勝連按司のために邪魔な老臣を殺す。
1380年、勝連按司の娘が越来按司の息子に嫁ぐ。越来に侍女を入れる。
1387年、5代目勝連按司が死す。若按司が6代目を継ぐ。
      新しい勝連按司のために邪魔な老臣を殺す。
1389年、勝連按司の娘が伊波按司の息子に嫁ぐ。伊波グスクに侍女を入れる。
1389年、江洲按司を殺す。勝連按司の弟が江州按司になる。
1391年2月、今帰仁合戦。ウニタキが活躍する。
1392年 2月、望月党の2代目サンルーが死す、長男が3代目望月サンルーを継ぐ。
      4月、望月党、高麗人の山賊となり、村々を襲撃する。
      8月、望月党、ウニタキを襲撃して殺す。
      12月、勝連按司の妹が武寧の長男に嫁ぐ。浦添グスクに侍女を入れる。
         弟のグルーは兄のサンルーのやり方に反対して、望月党を抜ける。
1402年、グルーか新しい望月党を結成して戻って来る。
         グルーは江洲按司に付いて、勝連の兄弟を対立させる。
1403年 2月、望月ヌルが浦添で、サンルーの配下に斬られる。「よろずや」に助けられる。
1405年 3月、中グスク按司、勝連按司の命令でサンルーに殺される。
      4月、越来按司、勝連按司の命令でサンルーに殺される。
      5月、グルー、江洲按司の裏切りでサンルーに殺される。
      6月、勝連按司がサンルーに殺され、江洲按司が勝連按司になる。
      6月、ウニタキ、サンルーの隠れ家を襲撃して、サンルーを殺し、望月党を壊滅させる。
      7月、江洲按司が北谷按司に殺され、四男のシワカーが勝連按司になる。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・シンゴ
早田新五郎。サイムンタルーの弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。
佐敷ヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・クルシ
早田左衛門太郎の重臣。
倅に跡を譲って隠居し、尚巴志の家臣になる。

・サム
伊波按司の四男。マチルギの兄。
妻はクマヌの娘のマチルー。
伊波を飛び出し、妻を連れて佐敷に来る。

・クルー
尚巴志の弟。

・マチ
母方の祖母。美里之子の妻。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。先代の中山王、察度の孫娘(武寧の娘)、ウニョンを妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。
望月党を壊滅させ、妻と娘の敵を討つ。

・チルー
ウニタキの妻。美里之子の娘。

・山南王、汪応祖
シタルー。汪英紫の次男。島尻大里按司。
山南王の官生として明国に留学する。
兄タブチとの争いに勝ち山南王になる。

・大グスク按司
マナビー(大グスクヌル)の弟。
父が戦死したあと、母と共に小禄のはずれに隠れ住んでいた。
尚巴志から大グスクを譲られ、大グスク按司になる。

・玉グスク按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。

・知念按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。
大グスク按司の叔父。

・垣花按司
南部東方の按司。
大グスク按司の叔父。

・糸数按司
先代の糸数按司の母親違いの弟。
察度に仕えて護衛隊長を務め、上間按司になる。
兄の糸数按司を倒して、糸数按司になる。

・タブチ
八重瀬按司
汪英紫の長男、シタルーの兄。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・ナツ
ウニタキの配下。
島添大里グスクの侍女。
密かにサハチを思っている。

・サグルー
尚巴志の長男。

・マサンルー
尚巴志の弟。
佐敷グスクを任され、佐敷大親を名乗る。

・中グスク按司
察度の娘婿。
望月党に殺される。

・越来按司
察度の三男。
望月党に殺される。

・望月サンルー
望月党のお頭。三代目の望月サンルー。

・望月グルー
サンルーの弟で、兄と対立する。

・望月ヌル
望月党のお頭、サンルーとその弟、グルーの妹。

・勝連按司
ウニタキの長兄。
望月党に殺される。

・江州按司
ウニタキの次兄。
兄の死後、勝連按司になるが、北谷按司に殺される。

・シワカー
ウニタキの弟。
二人の兄の死後、勝連按司になる。
妻は北谷按司の妹。

・北谷按司
妻は望月党に殺された江州按司の娘。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年05月08日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 70.久米村

11月に冊封使は帰って行きました。
サハチ(尚巴志)は「まるずや」でウニタキと会います。
ウニタキは、中山王の武寧と山南王のシタルーの間にすきま風が吹き始めたようだと言います。
シタルーは明国の言葉がしゃべれるので、冊封使と仲よくしていたのが、武寧には気に入らなかったようです。
首里のグスクが完成するまではシタルーが必要ですが、グスクが完成したら、武寧はシタルーを必要とはしなくなるだろうとウニタキは言います。

サハチはヤキチから、奥間ヌルが娘を産んだと聞いてほっとしました。
もし、男の子が生まれたら、もう一度、奥間に行かなければならなくなると思っていました。
行くのはいいが、そのあと、マチルギの事を考えると恐ろしくなりました。

12月に、サハチとウニタキはファイチ(懐機)に呼ばれて浮島の久米村に行きました。
ファイチの拠点は大通りから細い道に入って、迷路のように入り組んだ道の中にある茅葺きの小さな家でした。
ファイチは風水師として、久米村の人たちの相談に乗っているようです。
ファイチはメイファンという明国の美女と一緒にいました。
メイファンは明国から逃げて来た盗賊の女で、一緒にいた盗賊の男は明国から来た使者たちに捕まったそうです。

久米村を支配しているのはアランポーで、明国の皇帝から「国相」という地位を与えられて、王様のように贅沢な暮らしをしていました。
久米村でアランポーに逆らう事はできませんが、長史のワンマオ(王茂)はアランポーに反感を持っていて、ファイチはワンマオを味方に引き入れようと考えています。
ファイチはサハチとウニタキをワンマオに会わせます。
サハチとウニタキにはよくわかりませんが、ファイチは、うまくいった喜びます。
ファイチはサハチとウニタキをメイファンの屋敷に連れて行き、明国の料理を御馳走します。
食事中、浮島の港にシャム(タイ)の船が入ってきます。
サハチたちはシャムの船を見に行きます。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・ナツ
ウニタキの配下。
島添大里グスクの侍女。
密かにサハチを思っている。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。先代の中山王、察度の孫娘(武寧の娘)、ウニョンを妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・ヤキチ
奥間の鍛冶屋。サハチを守るために佐敷に送られる。
奥間大親。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。
家族を佐敷に連れて来て、尚巴志のために活躍する。
久米村を仕切っているアランポーを倒すため、風水師として久米村に住む。

・メイファン(張美帆)
明国の海賊の娘。
海賊の男と一緒に琉球に来て、密貿易で稼ぐ。
男は明国から来た使者に捕まり、明国に連れて行かれる。
メイファンはファイチに助けられ、南蛮の商人として浮島に住んでいる。

・ワンマオ(王茂)
久米村の唐人。
アランポーを追い出すためにファイチと手を組む。

・アランポー(亜蘭匏)
久米村の唐人。
1383年、泰期に代わって正使となり、明国に行く。
1394年、国相に任じられる。
久米村を仕切っている。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年05月01日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 69.ウニョンの母

ウニタキは浦添の「よろずや」にいるムトゥから信じられない話を聞きます。
浦添グスクの侍女たちを仕切っているナーサが、ウニタキの妻だったウニョンの本当の母親だったというのです。

ナーサは三十三年前、中山王の武寧に嫁いだ花嫁の侍女として八重瀬から浦添に行きます。
ナーサの美貌は、当時十六歳だった武寧の心を捕らえ、武寧は花嫁よりも侍女のナーサに夢中になってしまいます。
ナーサは妊娠してしまい、武寧は困って、花嫁の父親の汪英紫に相談し、察度には内緒で、ナーサは八重瀬でウニョンを産みます。
ウニョンは花嫁が産んだという事にして育てられ、勝連按司の三男だったウニタキに嫁ぎます。

話を聞いたウニタキは腰を抜かしてしまうほどに驚き、もっと詳しい話を聞きたいと思います。
ムトゥに頼んで、ウニタキは「よろずや」でナーサと会います。
すでにナーサは50歳を越えているはずなのに、未だに美しく、30代にしか見えませんでした。
ナーサはウニタキをじっと見つめて、ウニョンの夫の浜川大親ではないかと言います。
ウニタキは覚えていなかったが、以前、ウニタキはナーサと会っていて、ナーサは覚えていました。
正体を明かすつもりはなかったが、ばれてしまったのなら仕方がないとウニタキはウニョンの夫だと名乗ります。

ナーサは勝連から来た侍女から「望月党」の事を知り、娘の敵を討つために、望月党の事をずっと調べていたと言います。
ウニタキはナーサの話を聞いて、必ず、望月党を倒すと約束します。

一月後、いなくなった望月ヌルの居場所がわかり、イブキが救い出して浦添の「よろずや」に連れて来ました。


登場人物

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。先代の中山王、察度の孫娘(武寧の娘)ウニョンを妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・ムトゥ
マチルギの教え子。ウニタキの配下。
浦添の「よろずや」の売り子。

・ナーサ
汪英紫が八重瀬グスクを攻め落とす時に、八重瀬按司に贈った絶世の美女。
浦添の若按司に嫁いだ汪英紫の長女、ウシの侍女として浦添グスクに入り、今では侍女たちを束ねている。

・イブキ
ヤマトゥの山伏。ウニタキの師匠。
ウニタキの配下になり、浦添の「よろずや」の主人となる。

・望月ヌル
望月党のお頭、サンルーとその弟、グルーの妹。

・中山王、武寧
フニムイ。察度の長男。浦添按司。
妻は汪英紫の娘ウシで、タブチとシタルーの義兄。
山北王、攀安知の義父。
山南王のシタルーと一緒に首里にグスクを築く。

・ウシ
武寧の妻。汪英紫の娘。
八重瀬按司のタブチと山南王のシタルーの姉。

・汪英紫
先代の山南王。中山王武寧の義父。
武寧の妻のウシと八重瀬按司のタブチと山南王のシタルーの父親。
八重瀬グスクを奪い取って、八重瀬按司になり、島添大里グスクを奪い取って島添大里按司になり、島尻大里グスクを奪い取って、山南王になる。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年04月24日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 68.冊封使

1404年の4月、明国から初めて冊封使が来ました。
中山王の武寧と山南王のシタルーは、冊封使を大歓迎して迎えましたが、サハチ(尚巴志)には関係のない事でした。

その頃、サハチはシンゴの船に乗ってヤマトゥに行く弟のクルーと義兄のサムを見送りました。
そのあと、八重瀬按司のタブチの娘が糸数按司の長男に嫁いだ婚礼に出席します。
タブチの長男は先代の糸数按司の娘を嫁に迎えていましたが、糸数按司が代わったので、新たに同盟を結んだのでした。

今年のハーリーは冊封使たちも招待されて盛大に行なわれ、首里に新しくできた宮殿では、中山王と山南王の冊封の儀式が行なわれました。
シタルーの父親の汪英紫は正式に山南王になっていなかったので、シタルーは11年前に亡くなった承察度の跡を継ぐ形で山南王になりました。

サハチ夫婦は毎年恒例の旅で、ヤグルー夫婦とマタルー夫婦を連れて久高島に行きました。

6月には知念按司の娘がタブチの三男に嫁いで行きました。
これで、東方の按司たちは全員、タブチと婚礼で結ばれました。

冊封の儀式が終わると、首里グスクの工事が再開されました。
サハチはウニタキと一緒に、首里グスクを見に行きました。
高い石垣に囲まれ、厳重に警備された首里グスクの門を見ていると、驚いた事にファイチ(懐機)が中から出て来ました。
サハチとウニタキはファイチのあとを追って行き、人影のない所まで行って声を掛けます。
ファイチはシタルーに呼ばれて、風水の事を聞かれたそうです。
ファイチは首里グスクは最高のグスクだから、完成したら奪い取ったらいいと、とんでもない事を言いました。
サハチが、首里グスクを奪い取って、浦添グスクを攻めるのだなと聞くと、ファイチは、浦添グスクは必要ないので焼き払ってしまえばいいと言って、浮島に帰って行きました。
サハチはファイチの言った事に驚きますが、ウニタキは、ファイチの考えもいいかもしれないと言いました。

島添大里グスクに帰るとヤキチが待っていて、奥間ヌルが妊娠したと知らせました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・中山王、武寧
フニムイ。察度の長男。浦添按司。
妻は汪英紫の娘で、タブチとシタルーの義兄。
山北王、攀安知の義父。
山南王のシタルーと一緒に首里にグスクを築く。

・山南王、汪応祖
シタルー。汪英紫の次男。島尻大里按司。
山南王の官生として明国に留学する。
兄タブチとの争いに勝ち山南王になる。

・冊封使
明国の皇帝、永楽帝が琉球の王を任命するために送った使者。

・シンゴ
早田新五郎。サイムンタルーの弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。
佐敷ヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・クルシ
早田左衛門太郎の重臣。
倅に跡を譲って隠居し、尚巴志の家臣になる。

・サム
伊波按司の四男。マチルギの兄。
妻はクマヌの娘のマチルー。
伊波を飛び出し、妻を連れて佐敷に来る。

・クルー
尚巴志の弟。

・上間按司
糸数按司の母親違いの弟。
兄の糸数按司を倒して、糸数按司になる。

・タブチ
八重瀬按司
汪英紫の長男、シタルーの兄。

・玉グスク按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。

・大グスク按司
マナビー(大グスクヌル)の弟。
父が戦死したあと、母と共に小禄のはずれに隠れ住んでいた。
尚巴志から大グスクを譲られ、大グスク按司になる。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・ヤグルー
尚巴志の弟。
平田グスクを任され、平田大親を名乗る。

・ウミチル
ヤグルーの妻。玉グスク按司の娘。

・マタルー
尚巴志の弟。

・マカミー
マタルーの妻。タブチの娘。

・知念按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。
大グスク按司の叔父。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。
家族を佐敷に連れて来て、尚巴志のために活躍する。
久米村を仕切っているアランポーを倒すため、風水師として久米村に住む。

・ヤキチ
奥間の鍛冶屋。サハチを守るために佐敷に送られる。
奥間大親。

・ナーサ
汪英紫が八重瀬グスクを攻め落とす時に、八重瀬按司に贈った絶世の美女。
浦添の若按司に嫁いだ汪英紫の長女の侍女として浦添グスクに入り、今では侍女たちを束ねている。
後に尚巴志にとって重要な人物となる。


尚巴志伝
ラベル:琉球 尚巴志伝

2017年04月17日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 67.望月ヌル

正月の下旬に、去年の夏にヤマトゥ旅に行ったサハチ(尚巴志)の弟のマタルーと従弟のマガーチが帰って来ました。
サハチは二人から、対馬にいるサハチの娘のユキが、サイムンタルー(早田左衛門次郎)の息子の六郎次郎に嫁いだと聞いて驚きます。
花嫁姿のユキはまぶしいほどの美しさだったと聞いて、サハチは今すぐにでも対馬に行きたいという衝動に駆られます。

2月になって、サハチはウニタキに呼ばれて、島添大里城下の「まるずや」に行きます。
ウニタキはファイチ(懐機)からもらった三弦(サンシェン)を弾いていました。
サハチは奥間に行って、奥間ヌルに骨抜きにされて、ウニタキがフカマヌルに骨抜きにされた気持ちがよくわかったと言います。

浦添の「よろずや」にいた望月党の女が逃げたとウニタキは言いました。
そして、望月党の爺さんがウニタキを訪ねて来て、その女が望月ヌルだった事がわかり、望月党の事も色々と聞いたと言います。
八十歳を過ぎた爺さんはすでに隠居していましたが、望月ヌルがいなくなったので探していました。
望月党のお頭のサンルーと弟のグルーが対立して、望月党が分裂し、その争いに妹の望月ヌルも巻き込まれて、斬られてしまったのでした。
望月党の爺さんは、ウニタキに望月党を潰しても構わんから、望月ヌルを救ってくれと言って息を引き取ります。
望月党が内部争いをして、勢力を弱めたら、望月党を潰すとウニタキは言いました。
望月党はウニタキの妻と娘の敵なので、止める事はできませんが、サハチは心配します。

2月の下旬、島尻大里の「よろずや」の主人だったキラマが亡くなり、3月にはサハチの祖母が亡くなりました。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・シンゴ
早田新五郎。サイムンタルーの弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。
佐敷ヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・クルシ
早田左衛門太郎の重臣。
倅に跡を譲って隠居し、尚巴志の家臣になる。

・マタルー
尚巴志の弟。

・マガーチ
尚巴志の叔父、苗代大親の長男。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。
尚巴志の叔母、チルーを妻に迎える。
久高島のフカマヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・イブキ
ヤマトゥの山伏。ウニタキの師匠。
ウニタキの配下になり、浦添の「よろずや」の主人となる。

・望月サンルー
望月党のお頭。三代目の望月サンルー。

・望月グルー
サンルーの弟で、兄と対立する。

・望月ヌル
望月党のお頭、サンルーとグルーの妹。

望月党の老人
初代の望月サンルーと一緒にヤマトゥから琉球に来て、勝連按司に仕え、望月党を作る。

・キラマ
馬天浜のウミンチュ。カマンタ(エイ)捕りの名人。
島尻大里の「よろずや」の主人になる。

・尚巴志の祖母、マシュー
戦死した大グスク按司の娘で、サミガー大主の妻。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年04月10日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 66.奥間のサタルー

奥間で生まれたサハチ(尚巴志)の息子のサタルーが婚礼を挙げる事になり、サハチはヤキチと一緒に奥間に行きます。
奥間に着いた途端、サハチは襲撃を受けます。
サハチを襲ったのは初めて会うサタルーでした。
その晩、歓迎の宴が開かれ、サハチは奥間ヌルと出会います。
「あなたが来るのをずっと待っていた」と奥間ヌルはサハチに言います。
サハチは奥間ヌルに誘われるまま、奥間ヌルの屋敷に泊まります。
サタルーの婚礼も無事に終わり、サハチは奥間ヌルの屋敷で、酒を飲みながらサタルーの事を聞きます。
不思議な事に、昨夜は一言も話をしていませんでした。
サタルーが生まれた時、奥間ヌルは『龍の子が生まれた』という神様のお告げを聞きます。
若ヌルだった奥間ヌルがその事を先代の奥間ヌルに話すと、先代は母親からサタルーを取り上げて、長老に預けたそうです。
サタルーは長老の跡を継ぐべく育てられ、長老の娘を妻に迎えて、正式に跡継ぎになりました。
サタルーに武芸の指導をしたのはヒューガで、奥間で生まれたヒューガの娘のユリが中山王の若按司の側室になって浦添グスクにいる事をサハチは知ります。
次の日は奥間ヌルと一緒に、ウタキの中で過ごし、翌日、サハチは奥間を去ります。
奥間での出来事はまるで夢の中のような出来事でした。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・ヤキチ
奥間の鍛冶屋。サハチを守るために佐敷に送られる。
奥間大親。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・東行法師
尚巴志の父、サグルー。
佐敷按司をサハチに譲り、東行法師を名乗って旅に出る。
慶良間の無人島で若い者たちを鍛え、『師匠』と呼ばれる。

・ユシチ
名護の山中に住む木地屋の親方。

・サタルー
サハチの息子。母親は一夜妻だったフジ。
奥間の長老に育てられる。

・奥間大主
奥間の長老。ヤザイム。

・奥間ヌル
先代の奥間ヌルの孫娘。


尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年04月03日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 65.上間按司

久高島からの帰り、サハチ(尚巴志)たちは糸数の浪人者の襲撃を受けますが、サハチたちは簡単に倒します。
ウニタキに呼ばれて「まるずや」に行くと、ウニタキは昼寝をしています。
愛用の三弦(サンシェン)を娘のミヨンに取られてしまったと言います。
明国では皇帝が代わったので、大勢の使者たちが琉球に来るようだとウニタキはサハチに知らせます。
中山王の武寧は使者たちの宿泊施設の「天使館」を修築しているようです。
来年には冊封使が来るので、武寧は冊封の儀式をやる会場を首里に造るようだとウニタキは言いました。
そして、その会場作りには山南王のシタルーも加わるようです。

六月に中山王と山南王が合同で送った進貢船が帰って来て、島尻大里から与那原に明国の商品を積んだ荷車が次々にやって来ました。
ヤマトゥの商人たちはすでに帰ってしまったので、サハチからヤマトゥの商品を仕入れるためでした。
サハチも手の空いている者たちを連れて、与那原で取り引きを手伝っていました。
そんな頃、糸数グスクが上間按司という者に攻め落とされたという噂が流れて来ます。
上間按司なんて聞いた事もありませんでした。

次の日の夜、ウニタキがやって来て、上間按司の正体がわかったと言います。
上間按司は先代の糸数按司の息子でした。
先代の糸数按司が二十年前に戦死した時、跡を継いだ若按司は父親の側室を追い出しました。
当時、十二歳だった上間按司は母親と一緒にグスクを追い出されて、母親の実家に行き、十五歳の時には浮島で荷揚げ人足をやっていました。
人足を始めてから何年か経ったある日、人足同士の喧嘩を仲裁している所を察度が見て、見込みがありそうだと察度に拾われます。
察度が隠居して首里天閣に移ると、護衛隊長に任命され、察度が亡くなったあとは、上間の地にグスクを築いて、上間按司になります。
大工の弟がいて、屋敷の改築をしている糸数グスク内にいました。
弟の手引きで、グスク内に攻め込み、按司を殺して、グスクを奪い取ったのでした。
重臣たちの中には上間按司の事を覚えている者もいて、上間按司を新しい按司として迎えます。

7月に明国の使者たちがやって来て、浮島は大賑わいだったようですが、島添大里には何の影響もありませんでした。

閏10月にマチルギが三女のマシューを産みました。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・マサンルー
尚巴志の弟。
佐敷グスクを任され、佐敷大親を名乗る。

・キク
マサンルーの妻。ヤキチの娘。

・クルー
尚巴志の弟。

・ウミトゥク
クルーの妻。山南王シタルーの三女。

・ヤキチ
奥間の鍛冶屋。サハチを守るために佐敷に送られる。
奥間大親。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。

・与那嶺大親
佐敷按司の重臣。

・糸数按司
南部東方の按司。

・上間按司
糸数按司の母親違いの弟。
兄の糸数按司を倒して、糸数按司になる。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。熊野大親。
尚巴志の家臣でサムレー大将。

・苗代大親
尚巴志の叔父。サハチとマチルギの剣術の師匠。
島添大里按司の重臣。島添大里の武術師範になる。

・ウミチル
ヤグルーの妻。玉グスク按司の娘。

・マカミー
マタルーの妻。八重瀬按司、タブチの娘。





尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年03月27日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 64.シタルーの娘

1403年、山南王のシタルーの娘、ウミトゥクがサハチ(尚巴志)の弟、クルーに嫁いできます。
二人は島添大里グスクで婚礼の儀式をして、佐敷グスクの東曲輪内の屋敷に入りました。

ウミトゥクはシタルーの三女で大グスクで生まれました。
生まれた翌年、シタルーは豊見グスクに移り、ウミトゥクは豊見グスクのお姫様として育ちます。
5歳の時、父は明国に留学して、8歳の時に帰って来ました。
翌年、父は国場川で「ハーリー」を始め、祖父の山南王と伯父の中山王も見に来ました。
14歳の時、祖父が亡くなって、父と伯父のタブチが戦を始めます。
豊見グスクは大勢の兵に囲まれて、ウミトゥクは毎日、恐ろしい思いをして一ヶ月半を過ごしました。
戦が終わると、父は山南王になりましたが、島添大里按司だった叔父(ヤフス)は戦死してしまいます。

叔父の死を悲しむ間もなく、ウミトゥクは父から島添大里にお嫁に行けと言われました。
叔父を殺した敵の所にお嫁に行くなんて、ウミトゥクには信じられませんでした。
兄のタルムイのもとへ、島添大里按司(サハチ)の妹が嫁いできました。
そして、年が明けて、ウミトゥクは仕方なく島添大里に嫁ぎました。

佐敷グスクの東曲輪では毎日、夕方になると娘たちの剣術の稽古が行なわれていました。
教えているのは馬天ヌルでした。
姉の豊見グスクヌルは馬天ヌルを尊敬していて、馬天ヌルがいるから大丈夫よとウミトゥクに言いました。
ウミトゥクは馬天ヌルから剣術を教わる事にしました。

シンゴが「一文字屋」から借りた船を連れて、馬天浜にやって来ました。
「一文字屋」の船は三往復したあと、サハチのものになるとの事です。
佐敷ヌルが女の子を産んだ事を話すと、シンゴは謝り、ずっと好きだったと言います。

3月になってウニタキが現れ、ファイチと一緒に浮島の久米村にいたと言います。
今、久米村はアランポーという唐人が仕切っていて、ファイチは何とかしてアランポーを追い出す策を練っていました。
ウニタキの配下の女が侍女として浦添グスクに入った事と、浦添の「よろずや」のイブキが怪我をした望月党の女を助けた事をウニタキはサハチに知らせます。

お嫁に来て五か月が過ぎ、敵(かたき)って一体何だろうとウミトゥクは考えていました。
夫のクルーの祖父、美里之子は、ウミトゥクの祖父(汪英紫)と戦をして戦死していました。
クルーの曾祖父の大グスク按司も、ウミトゥクの祖父(汪英紫)と戦をして戦死していました。
義兄のマタルーの妻のマカミーは、父の敵であるタブチの娘でした。
ウミトゥクは頭が混乱するとクルーと一緒に馬天浜に行って海を眺めました。

梅雨が明けると、ウミトゥクとクルーは兄夫婦たちと一緒に旅に出ました。
庶民の格好をして、供も連れずに旅をするなんて、ウミトゥクには信じられない事でした。
ウミトゥクは兄夫婦たちと一緒に久高島に行って、海に入って遊びました。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・クルー
尚巴志の弟。

・ウミトゥク
クルーの妻。山南王シタルーの三女。

・山南王、汪応祖
シタルー。汪英紫の次男。
山南王の官生として明国に留学する。
兄タブチとの争いに勝ち山南王になる。

・マサンルー
尚巴志の弟。
佐敷グスクを任され、佐敷大親を名乗る。

・キク
マサンルーの妻。ヤキチの娘。

・ヤグルー
尚巴志の弟。
平田グスクを任され、平田大親を名乗る。

・ウミチル
ヤグルーの妻。玉グスク按司の娘。

・マタルー
尚巴志の弟。

・マカミー
マタルーの妻。八重瀬按司、タブチの娘。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。

・シンゴ
早田新五郎。サイムンタルーの弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。

・クルシ
早田左衛門太郎の重臣。
倅に跡を譲って隠居し、尚巴志の家臣になる。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。
シンゴと結ばれ、娘のマユが生まれる。

・東行法師
尚巴志の父、サグルー。
佐敷按司をサハチに譲り、東行法師を名乗って旅に出る。
慶良間の無人島で若い者たちを鍛え、『師匠』と呼ばれる。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。
家族を佐敷に連れて来て、尚巴志のために活躍する。

・アランポー(亜蘭匏)
久米村の唐人。
1383年、泰期に代わって正使となり、明国に行く。
久米村を仕切っている。

・イブキ
ヤマトゥの山伏。ウニタキの師匠。
ウニタキの配下になり、浦添の「よろずや」の主人となる。

・サチョー
運玉森の山賊。島添大里の残党。
ヒューガの配下となり、浦添の遊女屋「喜羅摩」の主人になる。

・フカマヌル(外間ノロ)
久高島のフカマヌルの娘でフカマヌルを継ぐ。
父はサグルー。尚巴志の母違いの妹。
ウニタキと結ばれ、娘のウニチルが生まれる。





尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年03月20日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 63.サミガー大主の死

ウニタキが久し振りにサハチ(尚巴志)のもとに現れました。
ウニタキはフカマヌルに骨抜きにされて久高島にいたと言います。
フカマヌルに出会った瞬間、一目惚れをしてしまい、何をやっても手に着かず、フカマヌルと一緒にいたと言います。
こんな事を続けていたらよくないと思ったフカマヌルはフボーのウタキに籠もってしまいます。
ウニタキは男子禁制のフボーのウタキに入ろうとして、雷に打たれて気絶したそうです。
その時、ウニタキは神様の声を聞いて、その意味がわかって帰って来たと言います。
神様は何と言ったんだとサハチが聞いても、ウニタキは教えてくれませんでした。

島添大里から浦添に移った「よろずや」のムトゥが浦添グスク内に入り、侍女たちを束ねているナーサという女と会ったとウニタキはサハチに知らせます。
浦添グスクは簡単に落とせるグスクではないので、浦添グスクの見取り図を作ってくれとサハチはウニタキに頼みます。

十月になって、祖父のサミガー大主が倒れます。
クマヌの煎じ薬を飲んでも、よくなりません。
倒れてから五日後、慶良間の島から父が帰って来ます。
祖父は父の帰りを待っていたかのように、「戦のない世の中を作ってくれよ」と言って息を引き取りました。
次の日、葬儀の準備をしていると、馬天浜に大勢のウミンチュがやって来ます。
サミガー大主にお世話になったウミンチュたちが集まって来たのです。
サハチは小舟で埋まった馬天浜を見て、改めて、祖父の偉大さを知ります。

サミガー大主の死から一月後、佐敷ヌルは女の子を産みました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。

・フカマヌル(外間ノロ)
久高島のフカマヌルの娘でフカマヌルを継ぐ。
父はサグルー。尚巴志の母違いの妹。
ウニタキといい仲になる。

・ナーサ
汪英紫が八重瀬グスクを攻め落とす時に、八重瀬按司に贈った絶世の美女。
浦添の若按司に嫁いだ汪英紫の長女の侍女として浦添グスクに入り、今では侍女たちを束ねている。
後に尚巴志にとって重要な人物となる。

・ムトゥ
マチルギの教え子。ウニタキの配下。
浦添の「よろずや」の売り子。

・サミガー大主
尚巴志の祖父。
鮫皮造りを隠居し、東行法師に扮して旅に出て、若者たちを慶良間の島に送り込む。

・尚巴志の祖母、マシュー
戦死した大グスク按司の娘で、サミガー大主の妻。

・東行法師
尚巴志の父、サグルー。
佐敷按司をサハチに譲り、東行法師を名乗って旅に出る。
慶良間の無人島で若い者たちを鍛え、『師匠』と呼ばれる。

・尚巴志の母、ミチ
戦死した美里之子(んざとぅぬしぃ)の長女。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。

・ササ
馬天ヌルとヒューガの娘。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。
シンゴと結ばれ、娘のマユが生まれる。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。熊野大親。
尚巴志の家臣でサムレー大将。

・キラマ
馬天浜のウミンチュ。カマンタ(エイ)捕りの名人。
島尻大里の「よろずや」の主人になる。

・ソウゲン(宗玄)
元の国で修行を積んだ禅僧。佐敷按司の家臣となり、尚巴志たちの読み書きの師になる。





尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年03月13日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 62.マレビト神

久高島から帰ったサハチ(尚巴志)は浮島(那覇)に行ってシンゴと会って、船が手に入らないかと相談します。
島添大里按司になって領内も広くなり、家臣たちも増えて、ますます交易を盛んにしなければなりませんが、サハチは船を持っていませんでした。
シンゴは「一文字屋」から船を借りる事ができると言います。
来年に来る時、その船を一緒に連れて来てくれとサハチはシンゴに頼みます。

島添大里グスクに帰ると馬天ヌルとササ、そして、フカマヌルも来ていました。
フカマヌルは佐敷ヌルとの再会を喜んで、佐敷ヌルの屋敷に泊まる事になります。
サハチが馬天ヌルと話をしていたら、ササがいなくなってしまいます。
あちこち探しても見当たらず、ふと物見櫓を見上げたら、ササは楽しそうに踊っていました。

次の日、馬天ヌルはまたやって来て、サハチに話があると言います。
内緒の話だからと言って、二人は物見櫓に登ります。
ウニタキがフカマヌルのマレビト神に違いないと馬天ヌルは言います。
ウニタキとフカマヌルを会わせるべきだと馬天ヌルは言いますが、サハチは反対します。
ウニタキの妻はサハチの叔母のチルーで、チルーを悲しませるわけにはいきません。
馬天ヌルは奥間のサタルーの事をマチルギにばらすと言ってサハチを脅します。
サハチは仕方なく、ウニタキとフカマヌルを会わせる事にします。

サハチは城下の「まるずや」に行って、ウニタキと会い、馬天ヌルが用があるそうだと言います。
ウニタキはフカマヌルと会ったあと、行方がわからなくなります。
六日後、フカマヌルは島添大里グスクに帰って来て、ウニタキと一緒にあちこちに行って、とても幸せだったと言います。
その二日後、フカマヌルは久高島に帰りますが、ウニタキは姿を現しません。

8月の半ば、慶良間の島から真っ黒な顔をしてファイチ(懐機)が帰って来ます。
9月になって、佐敷ヌルのお腹が大きくなり、サハチは驚きます。
サハチが馬天ヌルと一緒に佐敷ヌルを問い詰めると、何と、相手はシンゴだと言います。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・シンゴ
早田新五郎。サイムンタルーの弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。

・ササ
馬天ヌルとヒューガの娘。

・フカマヌル(外間ノロ)
久高島のフカマヌルの娘でフカマヌルを継ぐ。
父はサグルー。尚巴志の母違いの妹。
ウニタキといい仲になる。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。
シンゴといい仲になる。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。

・マサンルー
尚巴志の弟。
佐敷グスクを任され、佐敷大親を名乗る。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。
家族を佐敷に連れて来て、尚巴志のために活躍する。





尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年03月06日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 61.同盟

サハチ(尚巴志)は東方の按司たちと相談して、山南王のシタルーと同盟を結ぶ事に決めます。
佐敷グスクに行って、妹のマチルーに話すとマチルーは驚いて、部屋から飛び出してしまいます。
サハチがあとを追うと、佐敷ヌルの屋敷に入って行きました。
佐敷ヌルの屋敷には、今、馬天ヌルが娘のササと暮らしていました。
マチルーは馬天ヌルに説得させて、山南王の長男、タルムイに嫁ぐ覚悟を決めます。

サハチはウニタキに会うため、城下の「よろずや」に行くと、そこは「まるずや」という古着屋になっていました。
サハチはシタルーから聞いた勝連の事を話します。
勝連では仲のよかったウニタキの二人の兄が喧嘩を始めたようでした。
ウニタキの家族が望月党に殺されてから十年が経っていました。
望月党がいるので、勝連には近づくなとウニタキは配下の者たちに言ってあるそうです。
危険な真似はするなよとサハチはウニタキに言いますが、嫌な予感がしました。

4月の半ば、マチルーは島尻大里グスクに嫁いで行きました。
父も慶良間の島からやって来て、花嫁姿のマチルーを見送りました。
婚礼のあと、タルムイは豊見グスク按司になり、マチルーと一緒に豊見グスクに入りました。

梅雨が明け、今年は島添大里グスクに移ったばかりなので、恒例の旅はやめようかと思っていたら、クマヌが行って来いと言いました。
サハチ夫婦は、ヤグルー夫婦とマタルー夫婦を連れて久高島に行きました。
久高島にはフカマヌルしかいませんでした。
みんな、慶良間の島に行ってしまって寂しい思いをしていたと言って、サハチたちを見ると涙を流して喜びました。
三日間、のんびり過ごしたサハチたちはフカマヌルを連れて帰りました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・大グスク按司
マナビー(大グスクヌル)の弟。
父が戦死したあと、母と共に小禄のはずれに隠れ住んでいた。
尚巴志から大グスクを譲られ、大グスク按司になる。

・玉グスク按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。

・知念按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。
大グスク按司の叔父。

・垣花按司
南部東方の按司。
大グスク按司の叔父。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。熊野大親。
尚巴志の家臣でサムレー大将。

・マチルー
尚巴志の妹。
山南王の長男、タルムイ(豊見グスク按司)の妻になる。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。

・ササ
馬天ヌルとヒューガの娘。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。

・ナツ
ウニタキの配下。
島添大里グスクの侍女。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。
家族を佐敷に連れて来て、尚巴志のために活躍する。

・シンゴ
早田新五郎。サイムンタルーの弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。

・ヤグルー
尚巴志の弟。
平田グスクを任され、平田大親を名乗る。

・ウミチル
ヤグルーの妻。玉グスク按司の娘。

・マタルー
尚巴志の弟。

・マカミー
マタルーの妻。八重瀬按司、タブチの娘。

・フカマヌル(外間ノロ)
久高島のフカマヌルの娘でフカマヌルを継ぐ。
父はサグルー。尚巴志の母違いの妹。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年02月27日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 60.お祭り騒ぎ

島添大里グスクを手に入れてから一月後、サハチ(尚巴志)は盛大なお祭りを行ないます。
祖父のサミガー大主は孫のサハチが島添大里按司になるなんて、まるで夢のようだと喜びます。
シンゴとクルシも船乗りたちとやって来て、お祭りを楽しみ、大グスク按司になった若按司と大グスクヌルもお礼にやって来ます。
玉グスクの若按司夫婦と知念の若按司夫婦もやって来て、久し振りに兄弟が揃って、夜遅くまで騒ぎました。

島添大里グスクのお祭りは噂になって、山南王のシタルーや中山王の武寧の耳にも入ります。
シタルーはあいつらしいと笑い、サハチが島添大里グスクを落とせたのはただ運がよかっただけで、警戒するほどの男ではないと武寧は言います。
武寧を警戒させないために、サハチは派手なお祭りをしたのでした。

3月の半ば、大グスク按司と美里之子の娘が婚礼を挙げました。
馬天ヌルと出会った大グスクヌルは馬天ヌルを尊敬して指導を受けます。
大グスクの婚礼のあと、サハチが妹のマチルーの嫁ぎ先をクマヌと相談していたら、山南王になったシタルーが訪ねて来ました。
シタルーは以前と変わらず、三人の供を連れただけで気楽にやって来て、サハチは驚きます。
サハチはシタルーと一緒に物見櫓に登って、景色を眺めながら話をします。
シタルーは同盟を結ぼうと言い出しました。
浦添と勝連のように、島尻大里と島添大里が手を結べばお互いに発展するだろうと言います。
そして、シタルーの若按司の妻にサハチの妹を迎え、サハチの弟の妻にシタルーの娘を迎えてもらうと言いました。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。

・サミガー大主
尚巴志の祖父。
鮫皮造りを隠居し、東行法師に扮して旅に出て、若者たちを慶良間の島に送り込む。

・尚巴志の祖母、マシュー
戦死した大グスク按司の娘で、サミガー大主の妻。

・尚巴志の母、ミチ
戦死した美里之子(んざとぅぬしぃ)の長女。

・マチルー
尚巴志の妹。

・クルー
尚巴志の弟。

・ウミンター
尚巴志の叔父。サミガー大主を継ぎ、鮫皮造りの親方になる。

・シンゴ
早田新五郎。サイムンタルーの弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。

・クルシ
早田左衛門太郎の重臣。

・マサンルー
尚巴志の弟。
佐敷グスクを任され、佐敷大親を名乗る。

・キク
マサンルーの妻。ヤキチの娘。

・ヤグルー
尚巴志の弟。
平田グスクを任され、平田大親を名乗る。

・ウミチル
ヤグルーの妻。玉グスク按司の娘。

・マタルー
尚巴志の弟。

・マカミー
マタルーの妻。八重瀬按司、タブチの娘。

・大グスクヌル(大城ノロ)
マナビー。尚巴志の幼馴染み。

・大グスク按司
マナビーの弟。
父が戦死したあと、母と共に小禄のはずれに隠れ住んでいた。
尚巴志から大グスクを譲られ、大グスク按司になる。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。熊野大親。
尚巴志の家臣でサムレー大将。

・玉グスクの若按司
妻は尚巴志の妹。

・マナミー
尚巴志の妹。玉グスクの若按司の妻。

・知念の若按司
妻は尚巴志の妹。

・マカマドゥ
尚巴志の妹。知念の若按司の妻。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。

・マチ
美里之子の娘。大グスク按司の妻になる。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。

・玉グスク按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。

・知念按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。
大グスク按司の叔父。

・垣花按司
南部東方の按司。
大グスク按司の叔父。

・山南王
シタルー。汪英紫の次男。
山南王の官生として明国に留学する。
兄タブチとの争いに勝ち山南王になる。


尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年02月20日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 59.島添大里按司

島添大里(しましいうふざとぅ)グスクを手に入れたサハチ(尚巴志)は島添大里按司になりました。
「5年後には浦添グスクを落とすぞ」と言って、父は慶良間の島に帰って行きました。
佐敷グスクには平田グスクにいた弟のマサンルーが入り、弟のヤグルーが平田グスクに入りました。

サハチが島添大里グスクを落としたという噂を聞いて、知念按司が血相を変えてやって来ます。
知念按司はグスクの中を見て、凄いのうと感心し、わしらをだましていたのかと怒ります。
サハチは大グスクは大グスクの若按司に返すと言って、知念按司を説得します。
知念按司は大グスクの若按司が生きていたと聞いて驚き、機嫌を直して帰って行きます。

ウニタキがやって来て、周りの状況をサハチに教えます。
佐敷按司が島添大里グスクを攻め落とした事に誰もが驚いているとの事です。
中山王の武寧は佐敷按司の事を知らず、何者だと調べさせたようです。
山南王になったシタルーは引っ越しが忙しくて、島添大里に攻めて来る様子はありません。
戦に敗れた八重瀬按司のタブチはやけ酒を食らう事もなく、城下の者たちと一緒に城下の再建をしています。
ファイチが来て話に加わり、娘たちの剣術の稽古が終わって顔を出した佐敷ヌルが三人を見て、「古くからの友達みたい」と笑いました。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・東行法師
尚巴志の父、サグルー。
佐敷按司をサハチに譲り、東行法師を名乗って旅に出る。
慶良間の無人島で若い者たちを鍛え、『師匠』と呼ばれる。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。尚巴志の師匠。
尚巴志のために山賊になる。
山南王の船を奪い取って海賊になり、慶良間の島の修行者たちの食糧を調達する。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。

・マサンルー
尚巴志の弟。
佐敷グスクを任され、佐敷大親を名乗る。

・ヤグルー
尚巴志の弟。
平田グスクを任され、平田大親を名乗る。

・美里之子(んざとぅぬしぃ)
尚巴志の叔父。武術師範。
佐敷大親の重臣になる。

・屋比久大親
平田大親の重臣になる。

・苗代大親
尚巴志の叔父。サハチとマチルギの剣術の師匠。
島添大里按司の重臣。島添大里の武術師範になる。

・知念按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。

・大グスクヌル(大城ノロ)
マナビー。サハチの幼馴染み。

・大グスク若按司
マナビーの弟。
父が戦死したあと、母と共に小禄のはずれに隠れ住んでいた。

・大グスク按司の妻
垣花按司の姉。
夫が戦死したあと、若按司と共に小禄のはずれに隠れ住んでいた。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。
家族を佐敷に連れて来て、尚巴志のために活躍する。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球

2017年02月13日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 58.奇襲攻撃

東方(あがりかた)の按司たちが引き上げたあと、グスクから外に出て来た島添大里按司のヤフスは疲れ切った顔付きで、ほっと溜め息をつきます。
兵糧もなくなり、あともう少しで落城という所まで来ていました。
ヤフスがグスク内に戻ると、東曲輪に避難していた者たちが城下に帰って行きました。

一の曲輪の屋敷で、ヤフスはささやかな祝いの宴を開き、城下の者から贈られた酒を飲み、家臣たちにも配ります。
疲れ切っていた門番たちも安心して眠ってしまいます。

明け方、島添大里グスクは大勢の兵で囲まれ、法螺貝が鳴り響くと兵たちは一斉にグスク内に攻め込んできました。
側室になってグスク内にいたウニタキの配下のトゥミによって、ヤフスは殺され、島添大里グスクは佐敷の兵に占領されました。

避難民に扮してウニタキが配下を率いてグスク内に潜入し、夜明けと共に門を開いて、外にいる兵を招きいれたのです。

サハチ(尚巴志)は父と共に、島添大里グスクを攻め落として、長年の念願を果たしたのでした。



登場人物

・ヤフス
島添大里按司。
汪英紫の三男。
具志頭按司の娘婿に入って若按司になるが、父が山南王になって島尻大里グスクに移ると島添大里按司になる。
シタルーの味方をする。

・ウミカナ
汪英紫の三女。側室として大グスク按司に贈られる。
大グスク落城後、助け出されて大グスクヌルになる。
ヤフスが島添大里按司になった時、島添大里ヌルになる。

・トゥミ
マチルギの教え子。ウニタキの配下。
ヤフスの側室になって島添大里グスクに入る。

・イブキ
ヤマトゥの山伏。ウニタキの師匠。
ウニタキの配下になり、島添大里の「よろずや」の主人となる。

・ムトゥ
マチルギの教え子。ウニタキの配下。
島添大里の「よろずや」の売り子。

・ウミ
マチルギの教え子。ウニタキの配下。
島添大里の「よろずや」の売り子。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。尚巴志の師匠。
尚巴志のために山賊になる。
山南王の船を奪い取って海賊になり、慶良間の島の修行者たちの食糧を調達する。

・當山之子
佐敷按司の家臣。美里之子の弟。

・東行法師
尚巴志の父、サグルー。
佐敷按司をサハチに譲り、東行法師を名乗って旅に出る。
慶良間の無人島で若い者たちを鍛え、『師匠』と呼ばれる。

・サハチ(尚巴志)
佐敷按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。

・苗代大親
尚巴志の叔父。サハチとマチルギの剣術の師匠。
佐敷按司の重臣。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。
家族を佐敷に連れて来て、尚巴志のために活躍する。

・サム
伊波按司の四男。マチルギの兄。
妻はクマヌの娘のマチルー。
伊波を飛び出し、妻を連れて佐敷に来る。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。熊野大親。
佐敷按司の家臣でサムレー大将。

・マサンルー
尚巴志の弟。

・シンゴ
早田新五郎。サイムンタルーの弟。
兄のサイムンタルーが朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。

・屋比久大親
佐敷按司の重臣。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球