
「葉男婦舞喜(はなふぶき)」は享和2年(1802年)に刊行された喜多川歌麿の艶本です。
上巻、中巻、下巻と三冊からなる半紙本で、序文と付文は道楽人と号した十返舎一九が書いています。
艶本は最初に序文が付き、何枚かの春画があって、付文と呼ばれる、絵とは直接関係のない艶笑小話が付いていました。
一九が書いた付文は上巻が「若後家の精進おちに納所坊の口を吸物」というタイトルで、若後家と納所坊主の話、中巻では「大雁高の矢次速もおくれをとる油断大開(へき)」というタイトルで、六尺余りもある大女の姫君と細工職人の話、下巻では「飯焚男のしめた顔は淫乱の巾着陰(ぼぼ)」というタイトルで、好き者の妾と屋根屋の話を書いています。
享和2年は「東海道中膝栗毛」の初編が売り出された年でもあり、一九が売れっ子作家になった記念すべき年になりました。





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