2020年08月13日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 206.天罰

ミャーク(宮古島)の船が無事にミャークに着いたあと、ミャークの沖を台風が通過して北上して行きました。
ユンヌ姫は琉球に帰ると、サハチにミャークの船の無事と台風が近づいている事を知らせました。
台風は直撃する事はなく、久米島沖を通って行ったので、大した被害は出ませんでしたが、雨と風は強く、浮島の天使館に滞在している冊封使たちは真っ青な顔をして、明国の神様に無事を祈っていました。
ユンヌ姫は鬼界島(喜界島)に行って、娘のキキャ姫に台風の事を教えます。
今、湧川大主の船は赤木名にいるので、台風が湧川大主の船を座礁させてくれるわとキキャ姫は楽しそうに言いました。

4月の敗戦の時、40人もの戦死者を出してしまった湧川大主は悔しがって、マジニが止めるのも聞かずに、やけ酒を食らいました。
こんな惨めな敗戦は初めてで、このままでは兄の山北王に顔向けができません。
湧川大主は梅雨が明けるまで赤木名に移動して、作戦を立て直そうと考えました。
赤木名に移った湧川大主は近在の若者たちを鍛えて兵の補充をして、山北王にも援軍を依頼しました。

6月24日、今帰仁のサムレー大将、具志堅大主と謝花大主、羽地のサムレー大将の我部祖河之子、名護のサムレー大将の伊差川之子がそれぞれ50人の兵を連れて、万屋に到着しました。
7隻の船と400の兵で攻めれば、今度こそは必ず勝てると士気も上がって、前祝いの酒まで飲んで勝利に酔いました。

5日後の早朝、2度目の総攻撃を開始しました。
根謝銘大主が小野津を攻め、瀬玉泊(早町)を謝花大主が攻め、沖名泊(志戸桶)を我部祖河之子と伊差川之子の二隻で攻め、浦原を諸喜田大主と具志堅大主の二隻で攻め、湧川大主は湾泊を攻め、鉄炮(大砲)の合図で総攻撃を開始する手筈になっていました。
浦原を攻めた諸喜田大主と具志堅大主は多数の兵を失い撤収して瀬玉泊に行きますが、謝花大主の船はありません。
沖名泊に行くと三隻の船が泊まっていたので、諸喜田大主と具志堅大主は小舟を下ろして兵たちを上陸させました。
浜辺には大勢の戦死者がいて、敵の落とし穴にやられたと我部祖河之子が悔しそうに言いました。
「ここを攻めるのは無理じゃ。戦死者が増えるばかりじゃ」と謝花大主は言い、諸喜田大主は具志堅大主と相談して、ここから攻めるのをやめて、兵を引き上げさせました。
小野津に行ったら、小野津の浜にも戦死者が大勢いて、根謝銘大主は戦意をなくして、戦死者たちの前でうなだれていました。

諸喜田大主と具志堅大主は湧川大主に合流しようと湾泊に向かいました。
湾泊の浜にも大勢の戦死者がいて、浜辺の近くにある屋敷で指揮を執っていた湧川大主は、諸喜田大主と具志堅大主の姿を見ると、「お前らが持ち場を離れれば、分散していた敵の兵がここに集中してくる。作戦は台無しじゃ」と怒鳴り、悪態をつくと、撤退を命じました。

万屋に戻った湧川大主は大将たちを集めて今後の対策を練る事もなく、屋敷に籠もってしまいました。
こんな屈辱感を味わうのは初めてでした。
二回の攻撃で150人もの戦死者を出してしまいました。
たとえ、150人が戦死しても、御所殿の首を取れば許されるだろうが、御所殿の姿を見る事もできずに大敗しています。
兄はきっと激怒するに違いありません。
援軍まで送ってもらったのに負けるなんて、申し開きもできません。

マジニの世話によって、湧川大主が立ち直ったのは一月後の事でした。
自らの失敗を認めて、兄に怒られる覚悟をして、鬼界島を攻める事は諦めました。
しばらく間を置いてから、マジニを連れて鬼界島に行き、御所殿と話し合いをしようと決めました。

湧川大主は万屋の屋敷で、マジニと仲良く暮らして、近在の若者たちに武当拳を教えていました。
湧川大主はみんなから師匠と呼ばれ、万屋グスクは若者たちの集会所となり、娘たちも集まって来て、湧川大主を囲んで、一緒に歌を歌ったりして楽しい時を過ごしました。
今まで山北王の弟として生きて来た湧川大主は、これからは俺は俺として主役を生きようと思ったんだとマジニに言いました。

アマンデーに行って、マジニはカサン姫に、湧川大主が鬼界島攻めを中止した事を伝えました。
カサン姫は喜んで、母親のキキャ姫に伝えます。
キキャ姫も喜びましたが、湧川大主との戦いで多くの民家が破壊され、数10人の島民が戦死した事は許せません。
帰る前にもう一泡吹かせたいと思っていた所に、ユンヌ姫が台風の知らせを持って来て、キキャ姫は最後の仕上げにかかったのでした。

9月17日、台風がやって来て、湧川大主の武装船は無事でしたが、4隻の船が座礁していて、一隻は完全に横倒しになっていました。
ユンヌ姫はキキャ姫にササを紹介すると言って、一緒にヤマトゥに向かいました。









登場人物

・ユンヌ姫
アマン姫の娘。
スサノオの孫娘。
与論島に来たササの勾玉に憑いてヤマトゥに行き、祖父のスサノオと会う。
ササのために新宮十郎を探して、ササと会わせる。
ササのためにスサノオと一緒に鳥居禅尼を探す。
スサノオと慶良間の島に行き、タミーとサハチに声を掛ける。
児島のグルーを琉球に連れて行く。
サハチたちが包囲した玻名グスクの様子を見ている。
サハチに声を掛けて、ササたちを古いウタキに連れて行く。
ササたちと一緒に古いウタキを探す。
小渡ヌルの事を調べて、小渡ヌルの母親の先祖が津波で亡くなった久高ヌルの双子の妹だった事を知る。
久高島参詣に付いてきて、姪のキーダカ姫と会う。
タミーを守るために一緒にヤマトゥに行く。
ヤマトゥに行っていたがササが吹く笛を聞いて久米島に来る。
スサノオが久米島に来たので、スサノオと一緒にサハチとクイシヌの前に姿を現す。
琉球に帰り、タミーの事をササに知らせ、アキシノと一緒にササたちの南の島を探す旅に出る。
ミャークで赤名姫と会い、赤名姫の案内で池間島のウパルズと会い、イシャナギ島まで行ってウムトゥ姫と会う。
ササの笛の音を聞いてミャークに戻って来る。
ササがアマミキヨ様の子孫のウタキを見つけたので喜ぶ。
高腰グスクにスサノオが来て、ウパルズを呼びに行き、ササたちの前に姿を現して酒盛りを楽しむ。
スサノオを連れて来間島、多良間島に行き、ササたちより先にイシャナギ島に行く。
イシャナギ島の名蔵に来たササたちを迎える。
スサノオと一緒に島々を巡り、ウムトゥダギの山頂にスサノオと共に姿を現し、ササたちとの酒盛りを楽しむ。
ヤラブダギのガマに逃げ込んだササたちに、スサノオとシヴァがヤキー退治をしている事を教える。
ウムトゥ姫と一緒に人々を避難させているマッサビたちを助ける。
ウムトゥ姫と一緒にナルンガーラのウタキに行き、スサノオが倒れているのに驚き、豊玉姫様とウパルズがいるのに驚く。
スサノオが快復した後、スサノオと豊玉姫を送って琉球に行く。
ビンダキの山頂にいたサハチに声を掛けて、ササたちの様子を知らせる。
ヂャンサンフォンが琉球を去って、三姉妹の船に乗ってムラカ(マラッカ)に行く事をササたちに伝える。
クン按司が待ち構えているので、クンに行くのは危険だとササたちに教える。
ササたちを見守ってターカウに行く。
ターカウの熊野権現で五峰尼から阿蘇津姫の事を聞いて、豊玉姫に聞きに行こうとしたらスサノオが現れたので驚く。
スサノオと一緒に一番高い山の山頂で瑤姫と会う。
ササたちを見守り、トンドに行く。
チェンジォンジーがササたちの船を襲撃する事をササたちに知らせる。
新年の酒盛りでサラスワティと再会する。
トンドに来たギリムイ姫とホアカリをササと安須森ヌルに会わせる。
クメール王国から帰って来たスサノオと一緒に琉球に帰り、豊玉姫に瀬織津姫の事を聞く。
パラワン島にいたササたちに、豊玉姫から聞いた瀬織津姫の事を教える。
ビンダキに登って来たサハチに、ササたちが無事に帰国する事を教える。
ササたちと一緒にヤマトゥに行き、スサノオにササたちが瀬織津姫を探しに来た事を教え、スサノオと一緒にササたちを追う。
富士山まで行き、精進湖のほとりでササが鎮魂の曲を吹いたら瀬織津姫が姿を現したので、一緒に酒を飲もうと姿を現す。
トヨウケ姫に連れられて武庫山の山頂にある奥の宮に行き、女神山に来たササたちに声を掛ける。
大粟神社でササの祖母、笹と会い、笹と子供たちを連れて琉球に行く。
笹と子供たちをヒューガに会わせ、大粟神社に連れて帰り、京都に戻ったササたちが御所に入ると、ミャークの船を見守るために琉球に来て、サハチに声を掛ける。
ミャークの船が無事にミャークに着いたのを見届け、メイヤ姫と別れて赤名姫と一緒て琉球に戻り、サハチにミャークの船の無事と台風が近づいている事を知らせる。
鬼界島に行き、娘のキキャ姫に台風が来る事を教える。
湧川大主の船を座礁させ、キキャ姫を連れてヤマトゥに行く。


・赤名姫
赤崎姫の次女。
ウパルズの孫。
ユンヌ姫とアキシノを案内して池間島に行き、イシャナギ島まで行く。
30年前、クマラパを助けて、佐田大人の船を座礁させる。
アラウスの古いウタキは馬の神様だと信じていたので、ササの発見に驚く。
高腰グスクにスサノオが来て、母を呼びに行き、ササたちの前に姿を現して酒盛りを楽しむ。
来間島に娘がいる事をササに教えて、ササたちを娘の来間姫に会わせる。
ユンヌ姫と一緒にスサノオを連れて多良間島に行き、ササたちより先にイシャナギ島に行く。
スサノオと一緒に島々を巡り、ウムトゥダギの山頂にスサノオと共に姿を現し、ササたちとの酒盛りを楽しむ。
ウムトゥ姫と一緒に人々を避難させているマッサビたちを助ける。
ウムトゥ姫と一緒にナルンガーラのウタキに行き、スサノオが倒れているのに驚き、豊玉姫様とウパルズがいるのに驚く。
ユンヌ姫と一緒にスサノオと豊玉姫を送って琉球に行き、サハチに声を掛ける。
ササたちを見守ってターカウに行く。
ターカウの「宮古館」のウタキで、従姉の三代目ウバルズと再会する。
ターカウの熊野権現にスサノオが現れたので驚く。
スサノオと一緒に一番高い山の山頂で瑤姫と会う。
ササたちを見守り、トンドに行く。
新年の酒盛りでサラスワティと再会する。
ユンヌ姫と一緒に琉球に行く。
ササたちと一緒にヤマトゥに行き、スサノオにササたちが瀬織津姫を探しに来た事を教え、スサノオと一緒にササたちを追う。
富士山まで行き、精進湖のほとりでササが鎮魂の曲を吹いたら瀬織津姫が姿を現したので、一緒に酒を飲もうと姿を現す。
トヨウケ姫に連れられて武庫山の山頂にある奥の宮に行き、女神山に来たササたちに声を掛ける。
大粟神社でササの祖母、笹と会い、ユンヌ姫と一緒に笹と子供たちを連れて琉球に行く。
笹と子供たちをヒューガに会わせ、大粟神社に連れて帰り、京都に戻ったササたちが御所に入ると、ミャークの船を見守るために琉球に来て、サハチに声を掛ける。
ミャークの船が無事にミャークに着いたのを見届け、メイヤ姫と別れてユンヌ姫と一緒に琉球に戻り、サハチにミャークの船の無事と台風が近づいている事を知らせる。
鬼界島に行き、キキャ姫に佐田大人の船を座礁させた時のやり方を教える。
湧川大主の船を座礁させ、キキャ姫を連れてヤマトゥに行く。


・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に旅立つ。
妻のマチルギをヤマトゥ旅に行かせる。
笛が得意。マチルギからもらった一節切の稽古に励んでいる。
佐敷のお祭りで一節切を初披露して喝采を浴びる。
梅雨が明け、ウニタキ、ファイチと一緒にヤマトゥと朝鮮の旅に出る。
高橋殿の屋敷で一節切を吹くと美女が現れて華麗に舞う。
高橋殿に連れられて登った七重の塔で将軍様と会う。
高橋殿と一緒に鞍馬山に行く。
増阿弥の一節切を聴いて感激する。
対馬でイトと再会し、娘のユキと、孫娘のミナミと会う。
朝鮮の都、漢城府に行く。
開京に行き、早田左衛門太郎と再会する。
漢城府で李芸と会う。
思紹が明国に行き、留守を守る。
ンマムイを東方に寝返らせる。
メイユーを側室に迎える。
タブチを進貢船の副使に任命する。
ウニタキと一緒に伊平屋島に行く。
琉球に来た慈恩禅師と二階堂右馬助を伊平屋島で迎える。
ササたちを連れて与論島に行く。
シタルーからハルを側室として贈られる。
琉球に来たサイムンタルーとイトたちを歓迎する。
四男のチューマチの妻に山北王の娘マナビーを迎える。
サイムンタルーとイトたちを連れて慶良間の島に行く。
首里に来た奥間ヌルに驚く。
三姉妹と一緒に来たソンウェイと再会する。
島添大里グスクの十五夜の宴で一節切と横笛を吹く。
ユーナのお陰でシタルーが送った20人の刺客を倒す。
琉球に来たマツとトラを歓迎する。
首里グスクのお祭りで一節切を吹いて、スサノオの声を聞く。
慶良間の島に行って、スサノオとユンヌ姫の声を聞く。
マグルーとマウミが恋仲だと知って驚き、喜ぶ。
メイユーが女の子を産んだと聞いて喜ぶ。
チヌムイがシタルーを殺したという噂を聞いて驚き、思紹に知らせるために首里に行く。
タブチの要請で東方の按司たちと一緒にサグルーを出陣させる。
サタルーが連れて来たサンルーを見て、クマヌにそっくりだと驚く。
島添大里グスクに来たチヌムイとミカと会い、タブチが山南王の座から降りたと聞いて驚く。
首里に行き思紹に知らせて、今後の作戦を練る。
ウニタキと一緒に喜屋武グスクに行き、久米島に逃げるタブチとナーグスク大主を見送る。
佐敷ヌルとサスカサを連れて八重瀬グスクに行き、エータルーの最期を見届ける。
タブチとチヌムイとエータルーの首を山南王妃に送る。
具志頭グスクを開城して、イハチを具志頭按司にする。
東方の按司たちを率いて玻名グスクを攻める。
ササたちが鎧姿でやって来たので、具志頭グスクに連れて行く。
ユンヌ姫の案内で、ササたちを古いウタキに連れて行く。
首里の「まるずや」で小渡ヌルと会い、島添大里グスクに連れて行き、父親の敵は望月党だったと教える。
玻名グスクに来たンマムイから、島尻大里ヌルのマレビト神がヤタルー師匠だと聞いて驚く。
琉球に来た愛洲ジルーを歓迎し、愛洲ジルーがササのマレビト神だったらいいと思う。
玻名グスクを攻め落として、奥間大親を玻名グスク按司にする。
島添大里グスクのお祭りで、東方の按司たちを労う。
米須グスクの開城に立ち合い、若按司のマルクを米須按司にする。
山グスクの様子を見に行く。
八重瀬の本陣に来た波平大親と会う。
三星党と赤丸党の活躍で山グスクを攻め落とす。
甥の勝連若按司の戦死を悲しむ。
思紹を山グスクに連れて行き、ここで今帰仁攻めのための特訓をやらせようと提案する。
他魯毎から山北王の条件を知らされ、3年後には世の中も変わっているだろうから心配するなと言う。
ルクルジルーたちと愛洲ジルーたちを慶良間の島に連れて行く。
首里の武術道場の隣りに慈恩寺が完成する。
ウニタキ、ファイチと一緒にタブチに会いに久米島に行く。
チヌムイの案内で、ウニタキ、ファイチと一緒に久米島を散策する。
ウニタキに連れられてクイシヌと会い、一瞬にして魂を奪われたサハチはクイシヌと一緒にニシタキに登って、一節切を吹く。
一節切を聴いたスサノオがやって来て、ユンヌ姫と一緒に現れ、クミ姫も現れて、神様たちと酒盛りを楽しむ。
久米島から帰り、ナツが女たちを連れて津堅島に行くのを許す。
今年もメイユーは来なかったが、ソンウェイが鉄炮付きの武装船を持って来てくれたので感謝する。
メイファンからリンジョンシェンの戦死を聞いて驚く。
ウニタキが首里に連れて来たリュウインと会い、ヂャンサンフォンと会わせる。
アミーのお腹が大きくなったとササから聞いて驚き、アミーの相手がウニタキだと知って呆れる。
苗代大親が南の島から来たヌルと結ばれて、娘が南の島にいると馬天ヌルから聞いて驚く。
苗代大親はヂャンサンフォンが琉球に来る以前から武当拳を知っていた事に驚き、苗代大親の武当拳を見て、改めて苗代大親の強さを思い知る。
ビンダキに登り、ユンヌ姫からササたちの様子を聞く。
遊女屋「宇久真」でのヂャンサンフォンと山グスクヌルの送別の宴に参加する。
馬天浜のお祭りをヂャンサンフォンの送別の宴にして、弟子たちに別れを告げさせる。
琉球を去るヂャンサンフォンと山グスクヌルを見送る。
タムンと一緒にヂャンサンフォンが始めた孤児院に行き、我謝ヌルと会い、孤児院は中山王が面倒を見ると言う。
キラマの島から帰ってきたマチルギが血相を変えて、アミーが産んだ娘の父親がサハチだと問い詰める。
当時、玻名グスクを攻めていたのでキラマの島に行けるはずはないと言うとマチルギも納得する。
研ぎ師のジルキチを連れて来たサタルーから、奥間の長老の奥さんがトゥイの姉で、奥間ヌルの母親が泰期の娘だったと聞いて驚く。
島尻大里ヌルのマレビト神がマガーチだったと座波ヌルから聞いて驚く。
サスカサに頼まれてヤマトゥまで行ってきたギリムイ姫から交易船が無事に博多にいる事を聞いて安心する。
山北王の正使として浮島に来たリュウインを迎え、久米村の遊女屋で送別の宴を開く。
五男のマグルーにンマムイの娘マウミを嫁に迎え、次女のマチルーをウニタキの長男ウニタルに嫁がせる。
ウニタルとマチルー、マグルーとマウミを旅に出し、ウニタキに守るように頼む。
今帰仁のお祭りから帰って来たウニタキから、名護按司の死と新しい海賊が運天泊に来た事を聞く。
中山王世子として進貢船を送る事に決まり、「尚巴志」という明国名をファイチが考える。
島尻大里グスクのお祭りに行き、ンマムイの女子サムレーの隊長フニと再会し、フニを連れて首里に行きマチルギに会わせる。
苗代大親を手伝って、最初の武科挙を執り行なう。
ビンダキに登り、ササたちが無事に帰国するとユンヌ姫から知らされ、帰国祝いの準備をする。
浮島でササたちを迎え、南の島から来た人たちを歓迎する。
歓迎の宴でンマムイから、山北王の弟を殺したという真喜屋之子の事を聞く。
ンマムイと一緒に慈恩寺に行き、真喜屋之子と会う。
アンアンたちを連れて島添大里グスクに来たササから瀬織津姫の事を聞き、瀬織津姫が妹の知念姫を贈ったという勾玉を見せてもらう。
島添大里グスクに来たクマラパを歓迎し、慈恩寺に連れて行って師範を頼み、ササと一緒にヤマトゥに行ってくれとヤタルー師匠に頼む。
玻名グスクヌルと一緒に島添大里グスクに来たミワから、お父さんと呼ばれて、ミワの父親がサハチだったとばれてしまう。
マチルギが血相を変えてやって来て、サハチに刀で斬り付ける芝居をして、この借りは後で返してもらうと言う。
ミワがササと一緒にヤマトゥ旅に行く事になり、心配して、飯篠修理亮とカナに一緒に行ってくれと頼む。
今帰仁から帰ってきたウニタキから真喜屋之子の事を詳しく聞き、真喜屋之子の兄が材木屋の主人なら寝返らせようと思う。
安須森参詣から帰って来た安須森ヌルから、サスカサが山北王の娘の今帰仁若ヌルと湧川大主の娘の勢理客若ヌルに武当拳を教え、佐敷ヌルと平田ヌルが仲間はずれにされていたクーイの若ヌルと仲良くなったと聞いて驚く。
冊封使が来る前にパレンバンとジャワの船が来たので、重ならなくてよかったとホッとする。
冊封使を迎えるのは山南王とファイチに任せて、ウニタキと一緒に陰ながら見守る。
永楽帝の娘、リーポー姫が島添大里グスクに来たので驚き、ファイチを呼んで確認させ、本物とわかって歓迎する。
与那原に行くリーポー姫たちを見送り、チウヨンフォンを連れて慈恩寺に行き、シュミンジュンと会わせる。
島尻大里ヌルに頼まれて、安須森ヌルと一緒に島尻大里グスクに滞在して、冊封の宴の準備を手伝う。
冊封の儀式が無事に終わり、他魯毎が正式に山南王になる。
山南王に会いに来たリーポー姫たちを山南王に会わせ、思紹に会わせるために首里に連れて行く。
リーポー姫に恋をしたウリーを連れて平田グスクのお祭りに行き、メイユーの活躍を描いたお芝居「女海賊」を観る。
ヒューガにリーポー姫たちを名護まで連れて行くように頼み、ンマムイに一緒に行くように頼み、ウニタキに守るように頼む。
ユンヌ姫からミャークの船が無事に帰った事を聞き、台風が近づいて来る事を知り、他魯毎にも知らせて台風に備えさせる。

・タルムイ(他魯毎)
豊見グスク按司→山南王。
シタルーの長男。
妻は尚巴志の妹マチルー。
チューマチとマナビーの婚礼で山南王の代理を務める。
父が義兄のサハチに刺客を送ったと聞いて驚く。
島添大里グスクにサハチを訪ねて、刺客の事を確認する。
父が叔父のタブチに殺された事を知り敵討ちを誓う。
兵を率いて島尻大里グスクに行き、父の遺体を引き取る。
豊見グスクで、山南王として、先代の葬儀を執り行なう。
李仲按司の作戦で摩文仁方の按司たちを島尻大里グスクに閉じ込めようとするが失敗する。
摩文仁が使用できないように糸満港を封鎖する。
山南王として国場川と糸満港で、ヤマトゥから来た商人たちと取り引きをする。
山南王になったのに、何もかも母親が決めてしまうので反感を抱いている。
母から王印を譲られて、正式に山南王になる。
島尻大里グスクの抜け穴の出口を塞いで、島尻大里グスクに総攻撃を掛ける。
山南王の兵が来て、共に島尻大里グスクを包囲する。
3月10日、すでに兵糧は尽きたものと判断して、島尻大里グスクに総攻撃を掛けて攻め落とす。
生き残っていた波平大親にお礼を言う。
裏切った者たちを処刑して、山南王になる。
本部のテーラーが示した山北王の条件を飲み、山北王の若按司ミンを世子として迎える事に決める。
山北王の若按司ミンを島尻大里グスクに迎え、山南王の世子と認める。
琉球に来た冊封使を出迎え、諭祭の儀式のあと冊封の儀式をして、正式に山南王になる。
サハチから台風の事を聞いて、台風に備えさせる。

・冊封使
行人の陳季芳。
他魯毎を冊封するために琉球に来る。
島尻大里グスクで冊封の儀式を執り行ない、他魯毎を山南王に冊封する。
中山王に招待されて首里グスクに行き、中秋の宴を楽しむ。
中山王に招待されて首里グスクに行き、重陽の宴を楽しむ。
台風の恐ろしさに真っ青な顔をして、明国の神様に無事を祈る。

・キキャ姫
ユンヌ姫の娘。
鬼界島の神様。
鬼界島に来たマジニに、マジニの母親の先祖は鬼界島の出身だと教える。
湧川大主相手の戦を楽しむ。
鬼界島に来たユンヌ姫と赤名姫から、台風を利用して湧川大主の船を座礁させるやり方を聞いて、ミキに教える。
湧川大主の船を座礁させ、ユンヌ姫と赤名姫と一緒にヤマトゥに行く。


・鬼界島のヌル
ミキ。
ギン爺の娘。母は先代の島ヌル。
マジニを連れて古いウタキに行き、キキャ姫と会わせる。
諸喜田大主と結ばれ、娘リュウを産む。
キキャ姫に言われた通りに事を運んで、攻めて来た湧川大主を追い返す。
キキャ姫に言われた通りに事を運んで、湧川大主の船を座礁させる。

・湧川大主
攀安知の弟。
妻は羽地按司の娘、ミキ。
テーラーと一緒に兵を率いて奄美大島を攻め、北半分を支配下に組み込む。
明国の海賊リンジョンシェンを迎える。
与論島を奪い返すために、中山王と同盟するように山北王に勧める。
与論島に行き、按司を入れ替える。
運天泊に来たヂャンサンフォンから武当拳の指導を受ける。
鉄炮を積んだ武装船で鬼界島を攻め取る。
マジニを奄美大島の赤木名に送り、あとの事を鬼界按司に任せて、今帰仁に帰る。
鬼界按司が全滅したとの知らせを受けて愕然となり、来年こそは必ず鬼界島を奪い取る決心する。
妻が亡くなり、鬼界島攻めは中止となる。
今帰仁のお祭りが終わると鬼界島を攻めるために出陣する。
琉球に来ていた鬼界島の船を永良部島沖で沈める。
鬼界島を攻めるが敵の罠にやられて失敗し、やけ酒を食らう。
万屋から赤木名に移動して、山北王に援軍を依頼する。
援軍が来て、総攻撃を掛けるが敵の罠にやられて敗北する。
初めて味わう屈辱感にさいなまれて酒に逃げ、酔い潰れる。
マジニのお陰で立ち直り、山北王に怒鳴られる覚悟を決め、山北王の弟ではなく、自分らしく生きようと決める。
鬼界島攻めを中止して、近在の若者たちに武当拳を教え、マジニと楽しく暮らす。
台風が来て、4隻の船が座礁してしまい嘆く。

・マジニ
武寧の娘で、前浦添ヌル。
ンマムイの腹違いの妹。
山北王妃のマアサは同母姉。
父武寧が殺され、姉を頼って今帰仁に逃げる。
山北王に父の敵を討ってくれと頼むが、山北王は中山王と同盟してしまう。
今帰仁ヌルと喧嘩して、奄美大島に行き、湧川大主と結ばれる。
鬼界島でキキャ姫の話を聞いて、キキャ姫が御先祖様だと知る。
若ヌルを育てるために奄美大島の赤木名に行き、湧川大主と別れる。
赤木名のウタキでハッキナ姫の声を聞き、カサン姫に会いにアマンデーに登る。
カサン姫から鬼界島の歴史を教わり、島を守るために湧川大主を倒さなければならないと言われて悩む。
万屋グスクが完成すると若ヌルを連れて赤木名から万屋グスクに移る。
万屋に来た湧川大主と再会する。
鬼界島攻めに失敗して、酒に溺れている湧川大主を立ち直らせる。
湧川大主が鬼界島攻めを中止したのでよかったと安心して、カサン姫に知らせる。
台風が来て、4隻の船が座礁してしまい、天罰が下ったんだわとぽつりと言う。

・奄美若ヌル
奄美按司の娘、クヌファ。
マジニの弟子。

・具志堅大主
山北王のサムレー大将。
湧川大主の援軍として鬼界島に行き、鬼界島を攻めるが敗れる。

・謝花大主
山北王のサムレー大将。
湧川大主の援軍として鬼界島に行き、鬼界島を攻めるが敗れる。

・我部祖河之子
羽地のサムレー大将。
湧川大主の援軍として鬼界島に行き、鬼界島を攻めるが敗れる。

・伊差川之子
名護のサムレー大将。名護按司の従弟。
湧川大主の援軍として鬼界島に行き、鬼界島を攻めるが敗れる。

・諸喜田大主
ジルー。
今帰仁のサムレー大将。
妻は志慶真の長老の孫娘マカーミ。
湧川大主と一緒に鬼界島を攻める。
山北王の兵を率いて南部に来て、本部のテーラーに山北王の作戦を告げる。
新兵器を使って島尻大里グスクの門を壊して攻め込む。
島尻大里グスクを攻め、山南王に命じられた通りに山南王の役人たちを皆殺しにする。
湧川大主と一緒に鬼界島を攻めるが敗れる。
援軍が来て、総攻撃を掛けるが敵の罠にやられて敗北する。

・根謝銘大主
鬼界按司。
国頭按司の弟。先代鬼界按司の兄。
弟の敵を討つため、鬼界按司として、湧川大主と一緒に鬼界島を攻めるが敗れる。
援軍が来て、総攻撃を掛けるが敵の罠にやられて敗北する。
敵討ちどころか、多くの兵を戦死させてしまった事を悔やむ。

・仲尾之子
仲尾大主の三男、サンルー。
諸喜田大主の配下。

・カサン姫
キキャ姫の三女。
アマンデーの神様。
アマンデーに来たマジニに鬼界島の歴史を教え、島を守るために湧川大主を倒さなければならないと言う。
マジニから湧川大主が鬼界島攻めを中止した事を聞いて喜び、キキャ姫に知らせる。





尚巴志伝
posted by 酔雲 at 13:14| Comment(0) | 尚巴志伝 あらすじと解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。