2020年05月22日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 127.王妃の思惑

島添大里グスクに集まった東方の按司たちは、今度こそ、タブチに山南王になってもらおうと声を揃えて言いました。
全員一致で、タブチに援軍を送る事に決まって、各自、戦仕度をするために帰って行きました。
サハチはサグルーと会って状況を説明して、戦の準備をさせました。

八重瀬グスクを攻めていた兼グスク按司、長嶺按司、瀬長按司はその夜、城下の家々を焼き払おうとしましたが、隠れていた敵兵にやられ、さらに大雨が降って来て中止になりました。
一晩中降っていた雨は翌朝にはやみましたが、雨宿りに飛び込んだ空き家の水瓶の水を飲んだ者たちが、下痢に悩まされました。
タブチの指示で、避難した城下の人たちは水瓶に下痢薬を投げ込んでいたのでした。

豊見グスクで山南王の葬儀が行なわれ、島添大里にも知らせが届いて、サハチの代わりにクルーの妻ウミトゥクが女子サムレーを連れて豊見グスクに行きました。
葬儀から帰って来たウミトゥクは幼馴染みのアミーとユーナの事をサハチに聞き、2人が生きている事を知って喜びました。

シタルーの葬儀の次の日、戦は再開して、タルムイが糸満川を越えて、照屋グスク、糸満グスク、大グスクを攻めると、タブチも糸満川を越えて、阿波根グスクと保栄茂グスクを攻めました。
東方の按司たちもタブチを支援するため長嶺グスクを攻めました。

王妃はテハを使って、噂を流します。

八重瀬按司は山南王を殺して、王妃様まで殺そうとした。
王妃様は逃げて豊見グスクに入った。
明国の皇帝から賜わった山南王の王印は王妃様が持っている。
王妃様によって、豊見グスク按司のタルムイが山南王に任命された。
今後、山南王がいるのは島尻大里グスクではなく、豊見グスクである。

その噂を聞いて、王印がなくなっている事にタブチは気づきました。
王印がなければ山南王として進貢はできません。
何としてでも取り戻さなくてはなりませんでした。

首里グスクの龍天閣で、噂を耳にしたサハチたちも驚いていました。
山南王妃は察度の娘だけあって、大した女だと思紹も感心しました。
サハチは今まで山南王妃に会った事はないし、シタルーから妻の話を聞いた事もありませんでした。
もしかしたら、王妃はシタルーの陰の軍師として、シタルーを支えてきたのではないかと思いました。




登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に旅立つ。
妻のマチルギをヤマトゥ旅に行かせる。
笛が得意。マチルギからもらった一節切の稽古に励んでいる。
佐敷のお祭りで一節切を初披露して喝采を浴びる。
梅雨が明け、ウニタキ、ファイチと一緒にヤマトゥと朝鮮の旅に出る。
高橋殿の屋敷で一節切を吹くと美女が現れて華麗に舞う。
高橋殿に連れられて登った七重の塔で将軍様と会う。
高橋殿と一緒に鞍馬山に行く。
増阿弥の一節切を聴いて感激する。
対馬でイトと再会し、娘のユキと、孫娘のミナミと会う。
朝鮮の都、漢城府に行く。
開京に行き、早田左衛門太郎と再会する。
漢城府で李芸と会う。
思紹が明国に行き、留守を守る。
ンマムイを東方に寝返らせる。
メイユーを側室に迎える。
タブチを進貢船の副使に任命する。
ウニタキと一緒に伊平屋島に行く。
琉球に来た慈恩禅師と二階堂右馬助を伊平屋島で迎える。
ササたちを連れて与論島に行く。
シタルーからハルを側室として贈られる。
琉球に来たサイムンタルーとイトたちを歓迎する。
四男のチューマチの妻に山北王の娘マナビーを迎える。
サイムンタルーとイトたちを連れて慶良間の島に行く。
首里に来た奥間ヌルに驚く。
三姉妹と一緒に来たソンウェイと再会する。
島添大里グスクの十五夜の宴で一節切と横笛を吹く。
ユーナのお陰でシタルーが送った20人の刺客を倒す。
琉球に来たマツとトラを歓迎する。
首里グスクのお祭りで一節切を吹いて、スサノオの声を聞く。
慶良間の島に行って、スサノオとユンヌ姫の声を聞く。
マグルーとマウミが恋仲だと知って驚き、喜ぶ。
メイユーが女の子を産んだと聞いて喜ぶ。
チヌムイがシタルーを殺したという噂を聞いて驚き、思紹に知らせるために首里に行く。
タブチの要請で東方の按司たちと一緒にサグルーを出陣させる。

・玉グスク按司
妻は尚巴志の妹マナミー。
従者として明国に行く。
タブチの要請で東方の按司たちと一緒に長嶺グスクを攻める。

・知念按司
南部東方の按司。
若按司の妻は尚巴志の妹。
大グスク按司の叔父。
そろそろ隠居しようと思っている。
タブチの要請で東方の按司たちと一緒に若按司を出陣させる。

・垣花按司
妻は知念按司の娘。
従者として明国に行く。
父が隠居して按司を継ぐ。
タブチの要請で東方の按司たちと一緒に長嶺グスクを攻める。

・糸数按司
先代の糸数按司の母親違いの弟。
察度に仕えて護衛隊長を務め、上間按司になる。
兄の糸数按司を倒して、糸数按司になる。
タブチの要請で東方の按司たちと一緒に長嶺グスクを攻める。

・大グスク按司
妻は越来按司の娘。
サハチが大グスクを奪い取った後、按司に復帰する。
タブチの要請で東方の按司たちと一緒に長嶺グスクを攻める。

・兼グスク按司
武寧の次男、ンマムイ。
妻は山北王の妹、マハニ。
武芸に興味を持ち阿波根グスクに武芸者たちを集めている。
ヂャンサンフォンに会いに武当山に行ったことがある。
日本の剣術、念流と明国の拳術、少林拳を身に付けている。
従者として明国に二度、朝鮮にも二度行っている。
豊見グスクでヂャンサンフォンに出会えたので、サハチの襲撃を中止する。
ヤマトゥから帰って来たヂャンサンフォンを迎えて指導を受ける。
武当拳でサハチに負け、サハチを師兄と敬う。
山南王から許しをもらって、サハチたちと一緒に中山王の船に乗って朝鮮とヤマトゥに行く。
トカラの宝島でシンシンに負け、ササ、シンシン、シズを師姐と敬う。
サハチの真似をして、笛の稽古を始める。
サハチたちと一緒に京都に行き、対馬に行き、朝鮮の漢城府、開京まで行く。
対馬で左衛門太郎の妹、サキ母子と仲良くなる。
山南王に頼まれて、家族を連れて今帰仁に行く。
奥間でナーサと出会い、姉のウニョンの本当の母がナーサだと知らされる。
ウニョンの夫は生きていて、ウニタキだと聞いて驚く。
名護の山中で山南王の刺客に襲われるがウニタキに助けられる。
サハチに従おうと決心する。
再び、山南王の書状を持って今帰仁に行き、山南王と山北王の同盟をまとめる。
家族と家臣を連れて阿波根グスクから脱出して新グスクに移る。
本部のテーラーを会同館に連れて来て、ヂャンサンフォンに会わせる。
南風原に兼グスクが完成して新グスクから移る。
中山王の書状を持って、今帰仁に行き山北王と会う。
今帰仁にできた「まるずや」の主人マイチをヤンバルの按司たちに会わせて取り引きを成功させる。
チューマチとマナビーの婚礼で山北王の代理を務める。
浮島に来たソンウェイを兼グスクに迎え、与那原に連れて行きヂャンサンフォンと会わせる。
娘のマウミとサハチの息子のマグルーの事をサハチに相談する。
タブチから出陣要請が来て、サハチに相談しに来る。

・サグルー
サハチの長男。島添大里の若按司。
妻はマウシの妹のマカトゥダル。
サハチの代理として山南王の婚礼に行く。
従者として進貢船に乗って明国に行く。
先発隊として伊平屋島に行き、山北王の兵を倒す。
中山王と山北王の同盟を知らせに与論島に行く。
胸騒ぎがして、佐敷ヌルとサスカサと一緒にサハチの所に来ると、シタルーが行方不明になったと知らせが来る。
サハチの代わりに東方の按司たちと一緒に長嶺グスクを攻める。

・兼グスク按司
シタルーの次男ジャナムイ。
妻は先代の中城按司の娘。
ンマムイが阿波根グスクを出て行ったあと、兼グスク按司になる。
来年、進貢船に乗って明国に行って来いと父から言われたので、父は久米村に行ったのだろうと思う。
父の死を知って敵討ちを誓う。
長嶺按司、瀬長按司と共に八重瀬グスクを攻める。

・長嶺按司
シタルーの娘婿。
高麗に逃げた山南王の弟。
妻はタルムイの妹マジニ。
久米村に新しい遊女屋ができたので、父はそこに行ったに違いないと思う。
義父の死を知って敵討ちを誓う。
兼グスク按司、瀬長按司と共に八重瀬グスクを攻める。

・瀬長按司
武寧の弟。山南王妃の弟。
兼グスク按司、長嶺按司と共に八重瀬グスクを攻める。

・豊見グスク按司
シタルーの長男タルムイ。
妻は尚巴志の妹マチルー。
チューマチとマナビーの婚礼で山南王の代理を務める。
父が義兄のサハチに刺客を送ったと聞いて驚く。
島添大里グスクにサハチを訪ねて、刺客の事を確認する。
父が叔父のタブチに殺された事を知り敵討ちを誓う。
兵を率いて島尻大里グスクに行き、父の遺体を引き取る。
豊見グスクで、山南王の葬儀を執り行なう。

・ウミトゥク
クルーの妻。
山南王シタルーの娘。
豊見グスク按司の妹。
手登根グスクの女子サムレーたちを育てる。
クルーの留守に手登根グスクのお祭りを成功させる。
サハチの代わりに父の葬儀に出る。
幼馴染みのアミーとユーナが死んだと聞いて驚き、サハチから事情を聞く。

・トゥイ
山南王妃。
シタルーの妻。
察度の娘。母親は高麗人で武寧の同母妹。
豊見グスクヌル、タルムイ、ウミトゥク、ジャナムイ、マジニ、グルムイの母。
摩文仁大主は異母兄、瀬長按司は異母弟。
シタルーがタブチに殺され、重臣たちがタブチを山南王にしようと企むのを知って、島尻大里グスクから逃げて豊見グスクに行く。
石屋のテハを使って、島尻大里グスクの様子を探る。
石屋のテハを使って、王印を持っているタルムイが山南王だという噂を流す。

・テハ
石屋の頭領テサンの弟。
シタルーのために情報集めをしていたが、王妃に弱みを握られている。
王妃のために島尻大里グスクの様子を探る。
王妃のために噂を流す。

・タブチ
八重瀬按司。
汪英紫の長男。山南王(シタルー)の兄。
中山王の武寧と組んでシタルーを倒し、山南王になるつもりだったが、尚巴志に邪魔される。
尚巴志を恨むが、父も弟も行った事のある明国に行ってみようと考え、中山王に従う。
具志頭グスクを攻めて、按司を入れ替える。
従者として、四度、唐旅に出る。
サハチに新グスクを貸す約束をする。
サハチに頼まれ、中山王の副使を務める。
米須按司と玻名グスク按司を明国に連れて行く。
明国から獅子舞を持ってくる。
中山王の正使として明国に行く。
明国の文人たちと付き合うようになり、漢詩を始めたり、ヂャンサンフォンから笛を習ったりしている。
チヌムイがシタルーを討ったと聞いて驚くが、命懸けで戦ったチヌムイを守らなければならないと覚悟を決める。
チヌムイの身代わりとして死を覚悟で、シタルーの遺体を運んで島尻大里グスクに行く。
重臣たちの反応に驚き、山南王になる決心をする。
摩文仁大主、山グスク大主、ナーグスク大主、中座大主を呼んで、今後の作戦を練りながら祝い酒を飲む。
出て行きたい者たちは島尻大里グスクから出て行かせる。
山南王として、中山王と山北王に南部の事に介入しないように頼む書状を送る。
王妃が流した噂を聞いて、王印がない事に気づく。

・カニー
タブチから贈られたシタルーの側室。
八重瀬に帰るが、島尻大里グスクに戻って来て、タブチから重大な任務を命じられる。。

・思紹
中山王。サハチの父親。
佐敷按司を隠居して、東行法師を名乗り、慶良間の島で若い者たちを鍛える。
一千人の兵を育て、その兵力によって、中山王武寧を倒し、中山王となる。
王となってもじっとしているのは苦手で、兵たちの指導をしている。
首里グスクに築いている楼閣に飾る彫刻作りに熱中している。
ヂャンサンフォンと一緒に明国に行き、武当山、華山に登る。
琉球に来た慈恩禅師を歓迎する。
伊平屋島と伊是名島を守るために与論島を奪い取れと命じる。
山北王の書状を読んで、重臣たちと話し合い、山北王との同盟を了承する。
琉球に来たサイムンタルーと再会する。
サハチからシタルーの死を聞いて驚き、重臣たちと今後の対策を練る。
タルムイが王印を持っているという噂を聞いて、王妃は大した女だと感心する。

・ファイチ(懐機)
中山王の客将。
久米村からアランポー一族を追い出し、長史のワンマオと一緒に新しい久米村を造っている。
旧友に会うためにサハチと一緒に明国に行く。
明国で旧友と再会し、永楽帝とも再会し、師匠のヂャンサンフォンとも再会する。
琉球のために、ヤマトゥと朝鮮と交易がしたいと考えている。
サハチ、ウニタキと一緒に朝鮮、ヤマトゥの旅に出る。
将軍様と会ってヤマトゥと交易し、朝鮮の王様と会って朝鮮とも交易したいと願っている。
京都で陳外郎という医者と魏天という通事と会う。
高橋殿の屋敷で陳外郎の娘の平方蓉と会う。
高橋殿に連れられて登った七重の塔で将軍様と会う。
サハチと一緒に対馬に行く。
サハチと一緒に朝鮮の漢城府まで行く。
開京でヘグムを手に入れる。
息子のファイテを国子監に留学させる。
メイァンが産んだ息子のチョンチと会う。
長男ファイテの嫁にウニタキの娘ミヨンをもらう。
長女ファイリンを佐敷大親の長男シングルーに嫁がせる。
山南王の死を聞いて驚き、思紹と今後の対策を練る。

・奥間大親
ヤキチ。尚巴志を守るために奥間から送られた鍛冶屋。
中山王の重臣。
馬天ヌルたちの護衛として、一緒に旅をする。
山南王の死を聞いて驚き、ウニタキと共に島尻大里グスクの様子を探る。




尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球
posted by 酔雲 at 09:12| Comment(0) | 尚巴志伝 あらすじと解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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