2020年05月19日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 124.察度の御神刀

夜が明ける前の早朝、お輿にシタルーの死体を乗せて、タブチは八重瀬ヌルと一緒に島尻大里グスクに向かいました。
タブチは頭を丸めていました。
島尻大里グスクに着くと、タブチは新垣大親を呼んでシタルーの死体を見せました。
驚く新垣大親にタブチは詳しい事情を話してから、チヌムイの代わりに捕まりに来たと言います。

タブチと八重瀬ヌルは客殿の一室で待たされた後、重臣たちの執務室に行きます。
タブチは重臣たちに事の成り行きを話してから、チヌムイの敵討ちは隠して、わしが殺した事にして、わしを罰してくれと頼みます。
長老格の照屋大親は首を振って、チヌムイの敵討ちも、王様がチヌムイの母親を殺した事も公表して、チヌムイの母親が殺される前の正常な状態に戻すと言います。
タブチは驚きますが、親の跡を継ぐのは長男でなければならないと世間の者たちにはっきりと知らせなければならないと照屋大親は言います。
チヌムイを助けるには、タブチが山南王になるしかないと重臣たちも言いました。

王妃が豊見グスクに逃げて行ったと知らせが入り、タブチは少し考えさせてくれと言います。
タブチと八重瀬ヌルはシタルーが使っていた山南王の執務室に案内されます。
執務室には父の愛刀が飾ってありました。
タブチは知りませんでしたが、父が察度から贈られた御神刀だと八重瀬ヌルは言います。
父はその刀のお陰で、島添大里按司になって、山南王にまでなったと聞いたタブチは、御神刀を手に取って見ます。
刀の刃を見つめていたら力が湧いてくるような気がして、山南王になるべき時が来たのだとはっきりと感じました。
タブチは覚悟を決めて、八重瀬ヌルと一緒に重臣たちの待つ北の御殿へと向かいました。

タブチが朝早く、立派なお輿と一緒に島尻大里グスクに行ったという知らせをウニタキから聞いて、サハチがあれこれ考えていると豊見グスク按司が訪ねて来ました。
豊見グスク按司はシタルーの行方不明には触れず、去年の刺客襲撃の事を聞いて帰って行きました。

昼過ぎにウニタキが来て、島尻大里の城下で妙な噂が流れていて大騒ぎになっているとサハチに知らせました。

山南王は敵討ちに遭って亡くなった。
八重瀬按司の息子のチヌムイが母親の敵を討った。
その母親は八重瀬按司の側室で、山南王に殺された。
山南王は八重瀬按司の側室を殺して、八重瀬按司から山南王の座を奪い取った。
チヌムイが敵を討ったので、八重瀬按司が山南王に戻るだろう。
神様は不正は許さない。
正統な後継者が跡を継ぐように、チヌムイを助けたに違いない。

サハチは驚き、その噂は本当なのかとウニタキに聞きます。
ブラゲー大主がチヌムイを助けていて、噂を流したのもウミンチュたちのようだとウニタキは言います。
戦が始まるかもしれないとサハチは思紹に伝えるために首里に向かいました。









登場人物

・タブチ
八重瀬按司。
汪英紫の長男。山南王(シタルー)の兄。
中山王の武寧と組んでシタルーを倒し、山南王になるつもりだったが、尚巴志に邪魔される。
尚巴志を恨むが、父も弟も行った事のある明国に行ってみようと考え、中山王に従う。
具志頭グスクを攻めて、按司を入れ替える。
従者として、四度、唐旅に出る。
サハチに新グスクを貸す約束をする。
サハチに頼まれ、中山王の副使を務める。
米須按司と玻名グスク按司を明国に連れて行く。
明国から獅子舞を持ってくる。
中山王の正使として明国に行く。
明国の文人たちと付き合うようになり、漢詩を始めたり、ヂャンサンフォンから笛を習ったりしている。
チヌムイがシタルーを討ったと聞いて驚くが、命懸けで戦ったチヌムイを守らなければならないと覚悟を決める。
チヌムイの身代わりとして死を覚悟で、シタルーの遺体を運んで島尻大里グスクに行く。
重臣たちの反応に驚き、山南王になる決心をする。

・八重瀬ヌル
タブチの妹。シタルーの姉。
ヌルたちの安須森参詣に参加する。
タブチと一緒にシタルーの遺体を運んで島尻大里グスクに行く。

・新垣大親
父は汪英紫の重臣、新垣大親。
シタルーが山南王になった時、父はタブチ側に付いた重臣たちの責任をすべて負って斬首される。
父の跡を継いで、シタルーの重臣になる。
妻は賀数大親の姉。

・照屋大親
承察度時代からの重臣で、汪英紫に仕える。
交易担当。
タブチから話を聞き、タブチに山南王になるように促す。

・波平大親
大グスクからのシタルーの重臣。
財政管理担当。

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に旅立つ。
妻のマチルギをヤマトゥ旅に行かせる。
笛が得意。マチルギからもらった一節切の稽古に励んでいる。
佐敷のお祭りで一節切を初披露して喝采を浴びる。
梅雨が明け、ウニタキ、ファイチと一緒にヤマトゥと朝鮮の旅に出る。
高橋殿の屋敷で一節切を吹くと美女が現れて華麗に舞う。
高橋殿に連れられて登った七重の塔で将軍様と会う。
高橋殿と一緒に鞍馬山に行く。
増阿弥の一節切を聴いて感激する。
対馬でイトと再会し、娘のユキと、孫娘のミナミと会う。
朝鮮の都、漢城府に行く。
開京に行き、早田左衛門太郎と再会する。
漢城府で李芸と会う。
思紹が明国に行き、留守を守る。
ンマムイを東方に寝返らせる。
メイユーを側室に迎える。
タブチを進貢船の副使に任命する。
ウニタキと一緒に伊平屋島に行く。
琉球に来た慈恩禅師と二階堂右馬助を伊平屋島で迎える。
ササたちを連れて与論島に行く。
シタルーからハルを側室として贈られる。
琉球に来たサイムンタルーとイトたちを歓迎する。
四男のチューマチの妻に山北王の娘マナビーを迎える。
サイムンタルーとイトたちを連れて慶良間の島に行く。
首里に来た奥間ヌルに驚く。
三姉妹と一緒に来たソンウェイと再会する。
島添大里グスクの十五夜の宴で一節切と横笛を吹く。
ユーナのお陰でシタルーが送った20人の刺客を倒す。
琉球に来たマツとトラを歓迎する。
首里グスクのお祭りで一節切を吹いて、スサノオの声を聞く。
慶良間の島に行って、スサノオとユンヌ姫の声を聞く。
マグルーとマウミが恋仲だと知って驚き、喜ぶ。
メイユーが女の子を産んだと聞いて喜ぶ。
チヌムイがシタルーを殺したという噂を聞いて驚き、戦の準備をするために首里に行く。

・ウニタキ
表向きは地図を作っている重臣の三星大親。
中山王の裏の組織「三星党」の頭領。
妻はサハチの叔母のチルー。
サハチを守るために一緒に明国に行く。
弁ヶ岳の新しい拠点が完成する。
三弦と歌が得意。
佐敷のお祭りで、フカマヌルとの事がチルーにばれて頭を下げる。
サハチとファイチと一緒に朝鮮、ヤマトゥの旅に出る。
朝鮮は母親の故郷なので、どんな所なのか楽しみにしている。
高橋殿の屋敷で対御方と会う。
高橋殿に連れられて登った七重の塔で将軍様と会う。
サハチと一緒に対馬に行く。
サハチと一緒に朝鮮の漢城府まで行く。
開京の楽器工房で持って来た三弦を手放すが、妓楼で妓女から古い三弦を贈られる。
配下のリリーがウニタキの子供を産んでしまい悩んでいる。
娘のミヨンがファイチの息子のファイテと仲がいいので、嫁に出したくないと悩んでいる。
ンマムイを守るために今帰仁に行く。
娘のミヨンをファイチの息子ファイテに嫁がせる。
サハチと一緒に伊平屋島に行く。
与論島を奪い取る準備のために与論島に行き、従妹の麦屋ヌルと再会する。
苗代之子と一緒に与論按司を倒して与論島を奪い取る。
中山王が山北王と同盟したあと、今帰仁に「まるずや」を開いてヤンバルの按司たちと取り引きを始める。
配下の旅芸人たちに今帰仁グスクで、お芝居「小松の中将様」を演じさせる。
アカーからシタルーが行方不明になったと聞くが、明日になればひょっこり現れるだろうと思う。
チヌムイがシタルーを殺したという噂を聞いて驚き、配下の者たちに真相を探らせる。

・豊見グスク按司
シタルーの長男タルムイ。
妻は尚巴志の妹マチルー。
チューマチとマナビーの婚礼で山南王の代理を務める。
父が義兄のサハチに刺客を送ったと聞いて驚く。
島添大里グスクにサハチを訪ねて、刺客の事を確認する。




尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球
posted by 酔雲 at 08:58| Comment(0) | 尚巴志伝 あらすじと解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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