2020年03月13日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 64.旧港から来た娘

サハチたちが家族水入らずの旅から帰ってくると、朝鮮に行った使者たちが博多に戻ったとの知らせが入りました。
サハチはウニタキとファイチを連れて、イトの船に乗って博多に向かいます。
妙楽寺に行って使者たちと会い、サハチは皆にお礼を言います。

対馬でのんびり過ごしていた十一月、博多にパレンバン(旧港)の船がやって来て、サハチたちは博多に行きます。
パレンバンの船にヂャンサンフォンの弟子のシュミンジュンが乗っていて、ヂャンサンフォンとの再会を喜びます。
シュミンジュンの弟子のシーハイイェンはパレンバンの港を仕切っているシージンチンの娘でした。
パレンバンの船は去年の夏に小浜に来ましたが、台風で船が壊れて帰れなくなってしまいます。
将軍義持の援助で新しい船を造って、今年の十月、小浜を船出して博多にやって来たのでした。
一年余り小浜に滞在していたので、シーハイイェンは日本の言葉がしゃべれました。
サハチはパレンバンの船を琉球に連れて行き、琉球の進貢船と一緒に明国まで連れて行くと約束しました。

対馬に戻ったサハチは富山浦に行って早田五郎左衛門に別れを告げ、ササと仲良くなったナナは一緒に琉球に行く事になります。
十二月の初め、イトとユキとミナミに別れを告げて、サハチたちは対馬を去って博多に行き、交易船に乗って琉球へと帰りました。




◇パレンバン(旧港)の年表

1374年、麻那答宝林邦(マハーラジャ・パレンバン)が明国に朝貢。
1377年、麻那者巫里(マハーラジャ・マウリ)が朝貢し、冊封を要請する。
    明の冊封使をマハーラジャ・パレンバンが抑留するが、マジャパヒト王国の艦隊に救い出され、マハーラジャ・パレンバンは討伐される。
1377年、マジャパヒト王国はパレンバンに兵を送り、シュリーヴィジャヤ王国を滅亡させる。
1395年頃、広州の海賊、陳祖義(チェンズーイー)、配下を率いて東南アジアに移住。
1396年、広州の海賊、梁道明(リャンダオミン)、パレンバンに行く。
1397年、梁道明、パレンバンの国王になる。
1397年頃、陳祖義は頭目となり、勢威を振るい、マラッカ海峡を通る船があれば、その貨財の物を奪い取っていた。軍艦100隻、配下の者は数万人もいて、日本やインドまで出掛けて好き勝手な略奪をしていた。進貢船も襲撃したので、皇帝の怒りをかい賞金が掛けられる。
1405年1月、梁道明、投降して、施進卿がパレンバンの首領となる。
    陳祖義、旧港の王を自称して、パレンバンに拠点を移して暴れ回る。
1406年春、大船団を率いた鄭和がパレンバンに来て、陳祖義を生けどりにし、明に連れて帰り、処罰する。
1407年9月8日、施進卿、長女の婿の丘彦誠(チューイェンチョン)を派遣して明に朝貢する。
    施進卿(シージンチン)に冠帯を賜い、旧港に帰して大頭目として旧港宣慰司に任命する。
1408年5月、施進卿、日本刀を求めるために使者を日本に送る。
   6月22日、パレンバンの船、若狭小浜に到着。京都まで行き将軍義持に珍品献上。
   11月、パレンバンの船、小浜を出帆するが大風のために破損する。
1409年10月、パレンバンの船、新しく造船して帰国する。
   11月、パレンバンの船、博多に着く。
   12月、パレンバンの船、琉球の船と一緒に琉球に向かう。
1410年1月、パレンバンの船、琉球の進貢船と一緒に明国に向かう。




登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に旅立つ。
妻のマチルギをヤマトゥ旅に行かせる。
笛が得意。マチルギからもらった一節切の稽古に励んでいる。
佐敷のお祭りで一節切を初披露して喝采を浴びる。
梅雨が明け、ウニタキ、ファイチと一緒にヤマトゥと朝鮮の旅に出る。
高橋殿の屋敷で一節切を吹くと美女が現れて華麗に舞う。
高橋殿に連れられて登った七重の塔で将軍様と会う。
高橋殿と一緒に鞍馬山に行く。
増阿弥の一節切を聴いて感激する。
対馬でイトと再会し、娘のユキと、孫娘のミナミと会う。
朝鮮の都、漢城府に行く。
開京に行き、早田左衛門太郎と再会する。
漢城府で李芸と会う。

・イト
サハチと結ばれ、ユキが生まれる。
早田左衛門太郎が家臣を引き連れて朝鮮に行ってしまい、女たちを引き連れて船長になって活躍する。
マチルギに船の操縦法を指導する。
朝鮮から帰り、土寄浦でサハチが船越に来ている事を知り、ユキを連れて小舟で船越に行って、サハチと再会する。

・ユキ
サハチとイトの娘。
幼い頃より母から剣術を習っている。
早田左衛門太郎の嫡男、六郎次郎の妻になる。
六歳の娘、ミナミがいる。
初めて父親のサハチと対面する。

・ミナミ
早田六郎次郎とユキの娘。
サハチの孫。

・ウニタキ
表向きは地図を作っている重臣の三星大親。
中山王の裏の組織「三星党」の頭領。
妻は尚巴志の叔母のチルー。
尚巴志を守るために一緒に明国に行く。
弁ヶ岳の新しい拠点が完成する。
三弦と歌が得意。
佐敷のお祭りで、フカマヌルとの事がチルーにばれて頭を下げる。
サハチとファイチと一緒に朝鮮、ヤマトゥの旅に出る。
朝鮮は母親の故郷なので、どんな所なのか楽しみにしている。
高橋殿の屋敷で対御方と会う。
高橋殿に連れられて登った七重の塔で将軍様と会う。
サハチと一緒に対馬に行く。
サハチと一緒に朝鮮の漢城府まで行く。
開京の楽器工房で持って来た三弦を手放すが、妓楼で妓女から古い三弦を贈られる。

・ファイチ(懐機)
中山王の客将。
久米村からアランポー一族を追い出し、長史のワンマオと一緒に新しい久米村を造っている。
旧友に会うために尚巴志と一緒に明国に行く。
明国で旧友と再会し、永楽帝とも再会し、師匠のヂャンサンフォンとも再会する。
琉球のために、ヤマトゥと朝鮮と交易がしたいと考えている。
サハチ、ウニタキと一緒に朝鮮、ヤマトゥの旅に出る。
将軍様と会ってヤマトゥと交易し、朝鮮の王様と会って朝鮮とも交易したいと願っている。
京都で陳外郎という医者と魏天という通事と会う。
高橋殿の屋敷で陳外郎の娘の平方蓉と会う。
高橋殿に連れられて登った七重の塔で将軍様と会う。
サハチと一緒に対馬に行く。
サハチと一緒に朝鮮の漢城府まで行く。
開京でヘグムを手に入れる。

・一文字屋孫次郎
博多の一文字屋の主人。

・新川大親
中山王の正使。
武寧の正使としてシャムから帰国したが、武寧が滅んだので思紹に仕える。
国子監の官生だった秀才。
朝鮮への正使を務める。

・本部大親
中山王の副使。
ンマムイの妻になった今帰仁按司の娘、マハニの従者として浦添に来る。
ンマムイの従者として明や朝鮮に行き、語学を買われて進貢船の従者になる。
朝鮮への副使を務める。

・鮫皮職人のチョル
倭寇にさらわれて琉球に来て、サミガー大主のもとで20年間働いた鮫皮職人。
通事を務めたあと、朝鮮に帰国する予定だったが、サハチのために通事を育てる決心をする。。

・一徹平郎
北野天満宮の宮大工。
琉球に行くため京都を去る。
博多の「一文字屋」に「龍宮館」を建てる。

・新助
龍ばかり彫っている等持寺の大工。
琉球に行くため京都を去る。
博多で「龍宮館」飾る彫刻を彫る。

・栄泉坊
東福寺を追い出された画僧。
サハチたちと一緒に高橋殿の屋敷に滞在する。
琉球に行くため京都を去る。
博多であらゆる建物を絵に描いている。

・渋川道鎮
満頼。九州探題。妻は勘解由小路殿の娘。

・クグルー
泰期の三男。
妻は苗代大親の次女。
シタルーと一緒にヤマトゥ旅に出る。
早田六郎次郎と一緒に朝鮮に行き、漢城府まで行く。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・マウシ
山田按司の次男。後の護佐丸。
妻は苗代大親の娘のマカマドゥ。
首里のサムレー。
サハチたちと朝鮮に行く。
対馬に行き、ミナミとの再会を喜ぶ。

・クルシ
早田左衛門太郎の重臣。
倅に跡を譲って隠居し、尚巴志の家臣として船長になる。
マグサに船長の座を譲り、黒瀬大親を名乗り水軍の指南役になる。
ヒューガがヤマトゥ旅に出た時、水軍大将を務める。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・カンスケ
対馬島のイトの弟。尚巴志の義弟。
通事として、サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・ササ
馬天若ヌル。父親は水軍大将のヒューガ、母親は馬天ヌル。
幼い頃から母親に剣術を習い、娘たちの師範代を務めるほとの腕を持っている。
ヌルとしても強い霊力を持っていて、尚巴志と懐機を出会わせたのもササだった。
シンシンと仲よくなる。
ヒューガ、馬天ヌルと一緒にヤマトゥに行く。
対馬のワタツミ神社で豊玉姫とスサノオを知る。
読谷山で見つけた赤いガーラダマを身に付ける。
笛が得意。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
京都に着いて、船岡山でスサノオの神様の声を聞いて感激する。
スサノオの神様を調べるために鞍馬山に登り、サハチたちと会う。
高橋殿と一緒に鞍馬山で修行する。
将軍様の屋敷に呼ばれて、御台所様(日野栄子)と会う。
対馬でミナミと再会する。
サハチたちと朝鮮に行き、スサノオの神様の事を調べる。

・シンシン(杏杏)
ヂャンサンフォンの弟子。
両親は山賊に殺され、ヂャンサンフォンに拾われて、ファイチの妹夫婦に育てられる。
ヂャンサンフォンと一緒に琉球に行く。
ササと仲よくなる。
ササと一緒にヤマトゥに行く。
読谷山で見つけた青いガーラダマを身に付ける。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
トカラの宝島でンマムイに勝ち、ンマムイから師姐と敬われる。
ササを真似して笛の稽古を始める。
ササと一緒にスサノオの神様の事を調べていて鞍馬山に登る。
高橋殿に武当拳を披露して、高橋殿はヂャンサンフォンの指導を受ける事になる。
ササと一緒に将軍様の屋敷に呼ばれて、御台所様(日野栄子)と会う。
サハチたちと朝鮮に行く。

・ナナ
早田次郎左衛門の娘。
イトの弟子で、ヂャンサンフォンの弟子でもある。
サハチたちを開京に連れて行く。
ササと気が合い、一緒に琉球に行く。

・兼グスク按司
武寧の次男、ンマムイ。
妻は今帰仁按司の娘、マハニ。
武芸に興味を持ち阿波根グスクに武芸者たちを集めている。
ヂャンサンフォンに会いに武当山に行ったことがある。
日本の剣術、念流と明国の拳術、少林拳を身に付けている。
ヂャンサンフォンに出会えたので、尚巴志の襲撃を中止する。
ヤマトゥから帰って来たヂャンサンフォンを迎えて指導を受ける。
従者として明国に二度、朝鮮にも二度行っている。
武当拳で尚巴志に負け、尚巴志を師兄と敬う。
山南王から許しをもらって、サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
トカラの宝島でシンシンに負け、ササ、シンシン、シズを師姐と敬う。
サハチの真似をして、笛の稽古を始める。
サハチたちと一緒に対馬に行く。
サハチたちと一緒に朝鮮の漢城府、開京まで行く。
左衛門太郎の妹、サキ母子と仲良くなる。

・クサンルー
浦添按司の長男、浦添若按司。
ヤマトゥに来て、驚く事ばかり。
サハチたちと一緒に対馬に行く。

・ヂャンサンフォン(張三豊)
武当山の道士。ファイチの師匠。
永楽帝が会いたいと思って必死に探しているが、権力者には会いたくないと逃げている。
武当拳、武当剣の創始者。
シンシンを連れて琉球に行く。
マチルギと一緒にヤマトゥに行く。
対馬の船越の山の中でヒューガと修理亮を鍛える。
阿波根グスクの洞窟でンマムイを鍛える。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
上関で村上又太郎とあやに武当拳の指導をする。
京都で陳外郎という医者と魏天という通事と会う。
高橋殿の屋敷に呼ばれ、鞍馬山に行き、高橋殿に武当拳の指導をする。
対馬で早田六郎次郎たちと再会する。
サハチたちと一緒に朝鮮の漢城府まで行く。
開京でテグムを手に入れる。
博多で弟子のシュミンジュンと再会する。

・クム
首里の女子サムレー。
実力で選ばれ、サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
ササと一緒に鞍馬山に行く。
対馬の娘たちに剣術の指導をする。

・ハナ
首里の女子サムレー。
実力で選ばれ、サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
ササと一緒に鞍馬山に行く。
対馬の娘たちに剣術の指導をする。

・アミー
島添大里の女子サムレー。二番組。
サグルーと一緒に山南王の婚礼に行く。
実力で選ばれ、サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
ササと一緒に鞍馬山に行く。
対馬の娘たちに剣術の指導をする。

・シズ
ウニタキの配下。
父はヤマトゥンチュでヤマトゥ言葉が話せる。
ササと一緒にヤマトゥに行く。
丸太引きのお祭りで若狭町の守護神を務める。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
ササと一緒に将軍様の屋敷に呼ばれて、御台所様(日野栄子)と会う。
サハチたちと朝鮮に行く。
対馬で新太郎と仲良くなる。

・イハチ
サハチの三男。
ヤマトゥに来て、驚く事ばかり。
サハチたちと一緒に対馬に行く。
マユの娘のミツといい仲になる。

・ミツ
マユの長女。
イハチといい仲になる。

・ジクー禅師
京都妙心寺の禅僧だったが、妙心寺が将軍義満につぶされ、志佐壱岐守と一緒に琉球に来る。
マチルギたちと一緒にヤマトゥに行く。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
サハチたちと一緒に高橋殿の屋敷に滞在する。
陳外郎の屋敷で使者としての務めを学ぶ。

・鉄潅和尚
戦死した早田備前守の息子。
船越梅林寺住職。

・外間親方
シラタル。首里五番組のサムレー大将。
久高島出身。
慶良間の島の武術師範、マニウシの長男。
サハチたちと一緒に朝鮮に行く。

・シュミンジュン(徐鳴軍)
ヂャンサンフォンの弟子。
広州の海賊、梁道明と意気投合してパレンバンに行く。
梁道明が広州に帰ったあと施進卿の護衛役としてパレンバンに残る。
博多で師匠のヂャンサンフォンと再会する。

・シーハイイェン(施海燕)
パレンバンの宣慰司、施進卿の娘。
施二姐とも呼ばれる。
シュミンジュンの弟子。

・ツァイシーヤオ(蔡希瑶)
シーハイイェンの親友。
後にパレンバンの使者となる蔡陽泰の妹。
シュミンジュンの弟子。

・ワカサ
鳥羽喜次郎。パレンバンの通事。
若狭出身の松浦党。
広州の海賊、梁道明に助けられて一緒にパレンバンに行く。
梁道明が広州に帰ったあと通事として日本に来る。

・早田五郎左衛門
早田左衛門太郎の叔父。
朝鮮の富山浦に住み、「津島屋」を営む商人。
パクセンという名で司直という地位を与えられて、朝鮮王に仕える。

・ツタ
以前、シンゴといい仲だった。
夫は戦死し、イトと一緒に船乗りになる。

・アサ
後家。ファイチといい仲になる。

・キタ

・新太郎
マツとシノの息子。
シズといい仲になる。

・サキ
早田左衛門太郎の妹。
夫は戦死し、船長として船に乗っている。

・ミヨ
サキの娘。




尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球
posted by 酔雲 at 12:42| Comment(0) | 尚巴志伝 あらすじと解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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