2018年09月03日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 49.幽玄なる天女の舞

サハチ(尚巴志)たちが京都に着いて十日が経ちましたが、勘解由小路殿(斯波義将)に会う手立ては見つかりませんでした。
サハチは将軍様の武術指南役の中条兵庫助の屋敷を見つけましたが、留守でした。
兵庫助は将軍様と一緒に伊勢の神宮参詣に行っているそうです。
ファイチとヂャンサンフォンは将軍様に仕えている唐人を見つけました。
陳外郎という医者と魏天という通訳で、二人は将軍様が伊勢から帰ってきたら、勘解由小路殿に話してみると約束してくれました。
ササは将軍様に影響力を持っている先代の将軍様の側室だった高橋殿という女性がいる事を突き止めました。
琉球の格好に戻って、京都の街をうろうろしていれば目立って、きっと、高橋殿の耳にも入るに違いないとササが言って、サハチたちはササの言う通りにしました。
武当拳の稽古も見せましたが、珍しそうに見られるだけで、さほどの効果はありませんでした。

サハチはヤマトゥの神社の唐破風と呼ばれる屋根が気に入って、首里グスクの正殿の正面に作りたいと思い、腕のある大工を探します。
ヤマトゥ風の塔も建てたいと思って、ウニタキと一緒に七重の塔を見に行って、「一文字屋」に帰ると、ササが大変なのよと言います。
高橋殿から、サハチとウニタキとファイチの三人が招待されたと言って、皆が驚いていました。

サハチ、ウニタキ、ファイチは高橋殿の屋敷に向かいます。
綺麗な着物を着たお女中に迎えられて、サハチたちは豪華な屋敷の一室で待たされました。
ウニタキが碁盤を見つけてファイチと勝負を始めました。
サハチは庭に降りて散策しました。
赤い橋が架かった池があって、その先に舞台がありました。
サハチは石に腰を下ろして、一節切を吹き始めました。
突然、舞台に美女が現れたかと思うと、サハチの笛の音に合わせて踊り出しました。
夢でも見ているのかと思うほど、美女は天女のように華麗に舞っていました。
サハチの曲が終わると美女は消えました。
やはり、夢だったかと思ってると、「素晴らしかったわ」と言って、美女が現れました。
「とても幽玄だった」と言って美女はサハチの唇に自分の唇を重ね、「またあとで」と言って闇に消えました。

案内された屋敷に戻るとウニタキもファイチもいませんでした。
お女中が現れて、サハチはお女中に案内されて、二人が待つ部屋に行きます。
上等な酒と豪華な料理が出され、サハチたちは酒を飲みながら、高橋殿を待ちました。
二人の美女が現れました。
タケとウメと名乗り、ウメは明国の言葉がしゃべれました。
ようやく、高橋殿が現れ、その顔を見て、サハチは驚きます。
舞台で華麗に舞った美女が高橋殿でした。
高橋殿は去年、琉球に来たマチルギの噂を聞いて、琉球の事に興味を持って、琉球に配下の者を送って調べたと言いました。
サハチは、中山王が将軍様と交易がしたいと願っていると高橋殿に伝えます。
高橋殿は努力してみると言いました。
サハチたちは琉球の話をしたりして楽しい夜を過ごしました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に旅立つ。
妻のマチルギをヤマトゥ旅に行かせる。
笛が得意。マチルギからもらった一節切の稽古に励んでいる。
佐敷のお祭りで一節切を初披露して喝采を浴びる。
梅雨が明け、ウニタキ、ファイチと一緒にヤマトゥと朝鮮の旅に出る。
琉球から使者を送るために、できれば将軍様に会いたいと思っている。
高橋殿の屋敷で一節切を吹くと美女が現れて華麗に舞う。

・ウニタキ
表向きは地図を作っている重臣の三星大親。
中山王の裏の組織「三星党」の頭領。
妻は尚巴志の叔母のチルー。
尚巴志を守るために一緒に明国に行く。
弁ヶ岳の新しい拠点が完成する。
三弦と歌が得意。
佐敷のお祭りで、フカマヌルとの事がチルーにばれて頭を下げる。
サハチとファイチと一緒に朝鮮、ヤマトゥの旅に出る。
朝鮮は母親の故郷なので、どんな所なのか楽しみにしている。
高橋殿の屋敷で対御方と会う。

・ファイチ(懐機)
中山王の客将。
久米村からアランポー一族を追い出し、長史のワンマオと一緒に新しい久米村を造っている。
旧友に会うために尚巴志と一緒に明国に行く。
明国で旧友と再会し、永楽帝とも再会し、師匠のヂャンサンフォンとも再会する。
琉球のために、ヤマトゥと朝鮮と交易がしたいと考えている。
サハチ、ウニタキと一緒に朝鮮、ヤマトゥの旅に出る。
将軍様と会ってヤマトゥと交易し、朝鮮の王様と会って朝鮮とも交易したいと願っている。
京都で陳外郎という医者と魏天という通事と会う。
高橋殿の屋敷で陳外郎の娘の平方蓉と会う。

・ジクー禅師
京都妙心寺の禅僧だったが、妙心寺が将軍義満につぶされ、志佐壱岐守と一緒に琉球に来る。
マチルギたちと一緒にヤマトゥに行く。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
サハチが将軍様と会えるように、知人の禅僧を訪ねようと考えている。
東福寺を追い出された画僧、栄泉坊を連れて来る。

・ササ
馬天若ヌル。父親は水軍大将のヒューガ、母親は馬天ヌル。
幼い頃から母親に剣術を習い、娘たちの師範代を務めるほとの腕を持っている。
ヌルとしても強い霊力を持っていて、尚巴志と懐機を出会わせたのもササだった。
シンシンと仲よくなる。
ヒューガ、馬天ヌルと一緒にヤマトゥに行く。
対馬のワタツミ神社で豊玉姫とスサノオを知る。
読谷山で見つけた赤いガーラダマを身に付ける。
笛が得意。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
京都に着いて、船岡山でスサノオの神様の声を聞いて感激する。

・シンシン(杏杏)
ヂャンサンフォンの弟子。
両親は山賊に殺され、ヂャンサンフォンに拾われて、ファイチの妹夫婦に育てられる。
ヂャンサンフォンと一緒に琉球に行く。
ササと仲よくなる。
ササと一緒にヤマトゥに行く。
読谷山で見つけた青いガーラダマを身に付ける。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
トカラの宝島でンマムイに勝ち、ンマムイから師姐と敬われる。
ササを真似して笛の稽古を始める。

・シズ
ウニタキの配下。
父はヤマトゥンチュでヤマトゥ言葉が話せる。
ササと一緒にヤマトゥに行く。
丸太引きのお祭りで若狭町の守護神を務める。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・ヂャンサンフォン(張三豊)
武当山の道士。ファイチの師匠。
永楽帝が会いたいと思って必死に探しているが、権力者には会いたくないと逃げている。
武当拳、武当剣の創始者。
シンシンを連れて琉球に行く。
マチルギと一緒にヤマトゥに行く。
対馬の船越の山の中でヒューガと修理亮を鍛える。
阿波根グスクの洞窟でンマムイを鍛える。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
上関で村上又太郎とあやに武当拳の指導をする。
京都で陳外郎という医者と魏天という通事と会う。

・飯篠修理亮
念流の創始者の慈恩禅師を探している若い武芸者。
のちに長威斎と号し、天真正伝神道流を編み出す。
ヒューガが慈恩禅師の弟子だと知り、一緒に対馬に行く。
ヂャンサンフォンの指導を受けるために琉球に来る。
ヤマトゥに帰って慈恩禅師を見つけ出して、琉球に連れて来ようと考えている。
村上又太郎から慈恩禅師が信濃にいると聞いて喜ぶ。
慈恩禅師の弟子の中条兵庫を探せば、将軍様とも会えると考える。

・兼グスク按司
武寧の次男、ンマムイ。
妻は今帰仁按司の娘、マハニ。
武芸に興味を持ち阿波根グスクに武芸者たちを集めている。
ヂャンサンフォンに会いに武当山に行ったことがある。
日本の剣術、念流と明国の拳術、少林拳を身に付けている。
ヂャンサンフォンに出会えたので、尚巴志の襲撃を中止する。
ヤマトゥから帰って来たヂャンサンフォンを迎えて指導を受ける。
従者として明国に二度、朝鮮にも二度行っている。
武当拳で尚巴志に負け、尚巴志を師兄と敬う。
山南王から許しをもらって、サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
トカラの宝島でシンシンに負け、ササ、シンシン、シズを師姐と敬う。
サハチの真似をして、笛の稽古を始める。
九州探題の渋川道鎮に会えば、勘解由小路殿にも会えると思う。

・イハチ
サハチの三男。
ヤマトゥに来て、驚く事ばかり。

・クサンルー
浦添按司の長男、浦添若按司。
ヤマトゥに来て、驚く事ばかり。

・クム
首里の女子サムレー。
実力で選ばれ、サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・ハナ
首里の女子サムレー。
実力で選ばれ、サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・アミー
島添大里の女子サムレー。二番組。
サグルーと一緒に山南王の婚礼に行く。
実力で選ばれ、サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・一文字屋孫三郎
坊津の一文字屋の主人。
サハチたちと一緒に京都に行く。

・みお
一文字屋孫三郎の三女。
サハチたちと一緒に京都に行く。

・一文字屋次郎左衛門。
京都の一文字屋主人。孫三郎の兄。
サハチとの再会を喜ぶ。

・まり
一文字屋次郎左衛門の三女。

・栄泉坊
東福寺を追い出された画僧。

・高橋殿
足利義満の側室。道阿弥の娘。
父親譲りの舞の名人。
博多に来たマチルギの噂を聞いて琉球に興味を持つ。
琉球の事を調べるために配下の山伏を琉球に送る。
サハチの一節切を聴いて、思わず舞ってしまう。
マツと名乗ってサハチたちと会う。

・平方蓉
陳蓉。陳外郎の娘。
ウメと名乗ってサハチたちと会う。

・対御方(たいのおんかた)
典子。足利義満の側室。父は四条隆郷。
タケと名乗ってサハチたちと会う。

・陳外郎
陳宗奇。医師。
外交使節の接待役を務める。

・魏天
将軍に仕える通事。
幼い頃、倭寇にさらわれて壱岐島で暮らしていたが、数奇な運命のもと、将軍様の通事となる。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球
posted by 酔雲 at 18:49| Comment(0) | 尚巴志伝 あらすじと解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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