2018年08月13日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 46.博多の呑碧楼

サハチ(尚巴志)たちを乗せた交易船は伊平屋島で、シンゴとマグサの船と合流して、ヤマトゥを目指して北上しました。
トカラの宝島で大歓迎されて、神様扱いされるササを見て、サハチたちは驚きます。
ンマムイは宝島でササ、シンシン、シズがヂャンサンフォンの弟子だと知って驚き、シンシンに負けて、三人を姉弟子として敬います。

薩摩の坊津に無事に着き、サハチは二十年前との変わり様に驚き、ウニタキとファイチはヤマトゥに着いたと喜びます。
サハチたちは交易船から降りて、マグサの船に移り、博多に向かう交易船を送り出します。
六日間滞在した坊津をあとにして、甑島、五島を通って壱岐島に着きました。
早田藤五郎と志佐壱岐守に歓迎され、藤五郎は通事として一緒に朝鮮に行くと言ってくれました。

博多の港は賑やかに栄えていて、琉球の交易船も泊まっていました。
博多の一文字屋のお世話になって、その晩、歓迎の宴を開いてくれました。
博多座の舞台を見たサハチたちは感激します。
博多座の芸人たちから話を聞きながら酒を飲んでいたサハチは、ササたちがいない事に気づきます。
高い所が好きなササが呑碧楼に登ったに違いないと思ったサハチは、ウニタキとファイチを誘って妙楽寺に行きます。
塀を乗り越えて境内に入り、ウニタキが持っていた鉤縄を使って呑碧楼の二階に登ります。
二階から階段を登って最上階まで行くと、ササ、シンシン、シズがいました。
ササが持って来た酒を回し飲みして、月見酒を楽しみました。



◇博多の呑碧楼は1346年頃、妙楽寺に建てられました。
 高さが30mほどの楼閣だったようです。
 当時、元の国から来た船が博多の港に出入りしていて、呑碧楼は博多のシンボルになっていました。
 1371年、今川了俊が南朝の拠点になっていた太宰府を攻めましたが、その時、呑碧楼は焼け落ちてしまいます。
 若き日のサハチが博多に来た1387年、呑碧楼はありませんでした。
 九州探題になった今川了俊は1390年に呑碧楼を再建します。
 1395年、今川了俊は九州探題を解任され、渋川満頼が九州探題になります。
 ンマムイが博多に来たのは1399年で、呑碧楼を見て、渋川満頼の案内で呑碧楼に登りました。
 1440年頃、呑碧楼は台風で倒壊したようです。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に旅立つ。
妻のマチルギをヤマトゥ旅に行かせる。
笛が得意。マチルギからもらった一節切の稽古に励んでいる。
佐敷のお祭りで一節切を初披露して喝采を浴びる。
梅雨が明け、ウニタキ、ファイチと一緒にヤマトゥと朝鮮の旅に出る。
ウニタキとファイチと一緒に、ササたちを探すために呑碧楼に登る。

・ウニタキ
表向きは地図を作っている重臣の三星大親。
中山王の裏の組織「三星党」の頭領。
妻は尚巴志の叔母のチルー。
尚巴志を守るために一緒に明国に行く。
弁ヶ岳の新しい拠点が完成する。
三弦と歌が得意。
佐敷のお祭りで、フカマヌルとの事がチルーにばれて頭を下げる。
サハチとファイチと一緒に朝鮮、ヤマトゥの旅に出る。

・ファイチ(懐機)
中山王の客将。
久米村からアランポー一族を追い出し、長史のワンマオと一緒に新しい久米村を造っている。
旧友に会うために尚巴志と一緒に明国に行く。
明国で旧友と再会し、永楽帝とも再会し、師匠のヂャンサンフォンとも再会する。
琉球のために、ヤマトゥと朝鮮と交易がしたいと考えている。
サハチ、ウニタキと一緒に朝鮮、ヤマトゥの旅に出る。

・兼グスク按司
武寧の次男、ンマムイ。
妻は今帰仁按司の娘、マハニ。
武芸に興味を持ち阿波根グスクに武芸者たちを集めている。
ヂャンサンフォンに会いに武当山に行ったことがある。
日本の剣術、念流と明国の拳術、少林拳を身に付けている。
ヂャンサンフォンに出会えたので、尚巴志の襲撃を中止する。
ヤマトゥから帰って来たヂャンサンフォンを迎えて指導を受ける。
従者として明国に二度、朝鮮にも二度行っている。
武当拳で尚巴志に負け、尚巴志を師兄と敬う。
山南王から許しをもらって、サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
トカラの宝島でシンシンに負け、ササ、シンシン、シズを師姐と敬う。
サハチの真似をして、笛の稽古を始める。

・ササ
馬天若ヌル。父親は水軍大将のヒューガ、母親は馬天ヌル。
幼い頃から母親に剣術を習い、娘たちの師範代を務めるほとの腕を持っている。
ヌルとしても強い霊力を持っていて、尚巴志と懐機を出会わせたのもササだった。
シンシンと仲よくなる。
ヒューガ、馬天ヌルと一緒にヤマトゥに行く。
対馬のワタツミ神社で豊玉姫とスサノオを知る。
読谷山で見つけた赤いガーラダマを身に付ける。
笛が得意。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
シンシンとシズと一緒に呑碧楼に登り、サハチたちを待つ。

・シンシン(杏杏)
ヂャンサンフォンの弟子。
両親は山賊に殺され、ヂャンサンフォンに拾われて、ファイチの妹夫婦に育てられる。
ヂャンサンフォンと一緒に琉球に行く。
ササと仲よくなる。
ササと一緒にヤマトゥに行く。
読谷山で見つけた青いガーラダマを身に付ける。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。
トカラの宝島でンマムイに勝ち、ンマムイから師姐と敬われる。
ササを真似して笛の稽古を始める。

・シズ
ウニタキの配下。
父はヤマトゥンチュでヤマトゥ言葉が話せる。
ササと一緒にヤマトゥに行く。
丸太引きのお祭りで若狭町の守護神を務める。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・クム
首里の女子サムレー。
実力で選ばれ、サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・ハナ
首里の女子サムレー。
実力で選ばれ、サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・アミー
島添大里の女子サムレー。二番組。
サグルーと一緒に山南王の婚礼に行く。
実力で選ばれ、サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・ヂャンサンフォン(張三豊)
武当山の道士。ファイチの師匠。
永楽帝が会いたいと思って必死に探しているが、権力者には会いたくないと逃げている。
武当拳、武当剣の創始者。
シンシンを連れて琉球に行く。
マチルギと一緒にヤマトゥに行く。
対馬の船越の山の中でヒューガと修理亮を鍛える。
阿波根グスクの洞窟でンマムイを鍛える。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・飯篠修理亮
念流の創始者の慈恩禅師を探している若い武芸者。
のちに長威斎と号し、天真正伝神道流を編み出す。
ヒューガが慈恩禅師の弟子だと知り、一緒に対馬に行く。
ヂャンサンフォンの指導を受けるために琉球に来る。
ヤマトゥに帰って慈恩禅師を見つけ出して、琉球に連れて来ようと考えている。

・チェンヨンジャ(陳永嘉)
進貢船の火長(船長)。
ヂャンサンフォンの孫弟子。

・シンゴ
早田新五郎。対馬のサイムンタルー(早田左衛門次郎)の弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。
佐敷ヌルと結ばれ、娘、マユが生まれる。

・マグサ
クルシの配下として尚巴志の家臣になる。
クルシが引退したあと、船長になる。
琉球での妻はイチ。
坊津からサハチたちを乗せて博多に行く。

・クルシ
早田左衛門太郎の重臣。
倅に跡を譲って隠居し、尚巴志の家臣として船長になる。
マグサに船長の座を譲り、黒瀬大親を名乗り水軍の指南役になる。
ヒューガがヤマトゥ旅に出た時、水軍大将を務める。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・ジクー禅師
京都妙心寺の禅僧だったが、妙心寺が将軍義満につぶされ、志佐壱岐守と一緒に琉球に来る。
マチルギたちと一緒にヤマトゥに行く。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・新川大親
中山王の正使。
武寧の正使としてシャムから帰国したが、武寧が滅んだので思紹に仕える。
国子監の官生だった秀才。

・本部大親
中山王の副使。
ンマムイの妻になった今帰仁按司の娘、マハニの従者として浦添に来る。
ンマムイの従者として明や朝鮮に行き、語学を買われて進貢船の従者になる。

・又吉親方
明国から帰ってきた進貢船のサムレー大将。
思紹に仕え、首里七番組のサムレー大将になる。

・外間親方
シラタル。首里五番組のサムレー大将。
久高島出身。
慶良間の島の武術師範、マニウシの長男。

・チョル
倭寇にさらわれて琉球に来て、サミガー大主のもとで20年間働いた鮫皮職人。
通事を務めたあと、朝鮮に帰国する。

・カンスケ
対馬島のイトの弟。尚巴志の義弟。
通事として、サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・クグルー
泰期の三男。
妻は苗代大親の次女。
シタルーと一緒にヤマトゥ旅に出る。
早田六郎次郎と一緒に朝鮮に行き、漢城府まで行く。
サハチたちと一緒に朝鮮とヤマトゥに行く。

・チータイ
武寧の側室だった高麗人。
朝鮮に帰るために交易船に乗る。

・サントゥク
武寧の側室だった高麗人。
朝鮮に帰るために交易船に乗る。

・ウカ
武寧の側室だった高麗人。
朝鮮に帰るために交易船に乗る。
九歳の娘、イカがいる。

・一文字屋孫三郎
坊津の一文字屋の主人。

・みお
一文字屋孫三郎の三女。

・イハチ
サハチの三男。

・クサンルー
浦添按司の長男、浦添若按司。

・早田左衛門三郎
シンゴの兄。早田氏の五島の拠点を守る。

・早田藤五郎
シンゴの義兄。早田氏の壱岐島の拠点を守る。
高麗人。

・志佐壱岐守
壱岐島の倭寇の大将。
サハチがヤマトゥに行った時にお世話になる。
ジクー禅師を連れて琉球に行く。
壱岐島に来たサハチたちを歓迎する。

・一文字屋孫次郎
博多の一文字屋の主人。

・ふさ
一文字屋孫次郎の長女。

・俊阿弥
博多座の座頭。




尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球
posted by 酔雲 at 20:17| Comment(0) | 尚巴志伝 あらすじと解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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