2017年12月05日

◇尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 13.首里のお祭り

思紹王が首里グスクに入って一年が経った2月9日、首里でお祭りが行なわれました。
ヤマトゥ旅から帰って来たマウシとシラーは首里の城下に屋敷をもらい、ジルムイは首里にできた島添大里按司の屋敷で暮らし、午前中はナンセン寺で読み書きを習い、午後は武術道場に通っていました。
サグルーは島添大里の若按司として、按司になるための修行を始め、一緒に遊べなくなっていました。

今日はお祭りなので、読み書きも武術の修行も休みです。
マウシは苗代大親の娘のマカマドゥを誘って、お祭り見物を楽しもうとウキウキしています。
出掛けようとしたらササが訪ねて来ました。
庶民の格好をして、お祭りの警固をするとササは言います。
マウシとシラーはぶつぶつ文句を言いながらも、ジルムイを誘って、ササと一緒に首里グスクに行きます。

首里グスクは朝早くから賑わっていました。
普段は入れないグスクの中に入って、噂の宮殿が見られるというので、城下に住む者は勿論の事、佐敷や島添大里からも見物に来ていました。
広い西曲輪内には舞台が作られ、あちこちに炊き出しの屋台が置かれて、酒や食べ物が振る舞われていました。
シラーの父親のマサルーが屋台で酒を配りながら怪しい者がいないか見張っていました。
マカマドゥも餅を配りながら見張りをしていました。
舞台ではヤマトゥの着物を着た佐敷ヌルが開演の準備をしていて、娘のマユとその父親のシンゴも一緒にいました。

正午まで、見回りを続けたましたが怪しい者は見つかりませんでした。
西曲輪の中は人であふれていますが、武器らしい物を持っている者はいないし、怪しい素振りを見せる者もいませんでした。
舞台では村娘たちが陽気に踊っています。
ササは王様の側室たちがいる御内原が危険なような気がすると言って、マウシとジルムイを連れて御内原に向かいます。
マチルギと会って、ササたちは百浦添御殿(正殿)に入ります。
女子サムレーがあちこちにいて見張りをしていました。
一人のヌルが二階に行くのを見届けていたら、二階から「誰か来てくれ」と声がしました。
マチルギとササたちが二階に行くと、囲碁をしていた王様が倒れていて、ヌルも倒れていました。
馬天ヌルがやって来て、大変な事になったと慌てます。
マチルギが倒れている王様の顔を上げると王様によく似ていますが、王様ではありませんでした。

王様の思紹はとにかくグスクから外に出たかったのです。
ウニタキに頼んで身代わりを見つけて、今日はお祭りで政務はないので、外に出てもわかるまいと外に出たのでした。
この事を知っているのはウニタキの配下のイーカチとマチルギ、偽者と囲碁をしていた志佐壱岐守だけでした。

ササたちは馬天浜に行きました。
思紹はヤマトゥンチュの船乗りたちと一緒に楽しそうに酒を飲んでいました。



登場人物

・マウシ
山田按司の次男。後の護佐丸。
曾祖父は今帰仁按司だったが、羽地按司に殺され、今帰仁按司の座を奪われる。
祖父は中山王の察度が今帰仁を攻めた時に、今帰仁按司(羽地按司)を殺すが戦死してしまう。
マウシは祖父が戦死した頃に生まれ、祖父の生まれ変わりに違いないと皆から期待されて育つ。
島添大里で苗代大親の娘のマカマドゥに一目惚れする。
ジルムイ、シラーと一緒にヤマトゥ旅に行く。

・シラー
久良波のマサルーの次男。
マウシの幼馴染みで、マウシと一緒に首里で修行する事になる。
マウシ、ジルムイと一緒にヤマトゥ旅に行く。

・ササ
馬天若ヌル。父親は水軍大将のヒューガ、母親は馬天ヌル。
幼い頃から母親に剣術を習い、娘たちの師範代を務めるほとの腕を持っている。
ヌルとしても強い霊力を持っていて、尚巴志と懐機を出会わせたのもササだった。
山田に行って、久良波のマサルーの息子、シラーに一目惚れをする。

・ジルムイ
尚巴志の次男。後の尚忠。
真面目な性格で、サグルーやササとは付き合わない。
マウシ、シラーと一緒にヤマトゥ旅に行く。

・久良波のマサルー
山田按司の家臣。マウシの武術の師匠。
マウシの供をして首里に行く。

・マカマドゥ
苗代大親の三女。
幼い頃から父に剣術を習い、自分よりも弱い男には見向きもしない。
マウシが自分と互角の腕を持っていたので、気になる存在になる。
マウシがヤマトゥ旅に出た時、ササと一緒にマウシの無事を祈る。

・苗代之子
苗代大親の長男。
島添大里のサムレー大将。

・佐敷ヌル
尚巴志の妹。シンゴと結ばれて、マユという娘がいる。
娘たちの剣術の師範で、女子サムレーたちの師範でもある。
強い霊力を持っているが、本人はまだ気づいていない。

・シンゴ
早田新五郎。対馬のサイムンタルー(早田左衛門次郎)の弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。
佐敷ヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・ウミチル
ヤグルー(平田大親)の妻。
玉グスク按司の娘。笛と琴ができ、舞も舞う。

・マチルギ
尚巴志の妻。伊波按司の妹。
女子サムレーたちの総大将。
島添大里按司の奥方だが、首里にいる事が多い。
尚巴志が明国に行くと言い出したので、女たちを連れてヤマトゥに行こうと考える。

・スズナリ
首里のヌル。
以前は浦添のヌルだった。
中山王を殺して、自害する。

・志佐壱岐守
壱岐島の倭寇の大将。
サハチがヤマトゥに行った時にお世話になった。

・馬天ヌル
中山王思紹の妹。
霊力が高く、各地のヌルたちに慕われている。
娘のササも霊力が高い。
新年の儀式のために先代の中山王に仕えていたヌルたちを集めて指導する。

・思紹
中山王。尚巴志の父親。
佐敷按司を隠居して、東行法師を名乗り、慶良間の島で若い者たちを鍛える。
一千人の兵を育て、その兵力によって、中山王武寧を倒し、中山王となる。
王となってもじっとしているのは苦手で、兵たちの指導をしている。

・ジクー禅師
京都妙心寺の禅僧だったが、妙心寺が将軍義満につぶされ、志佐壱岐守と一緒に琉球に来る。

・イーカチ
「三星党」の副頭。
絵を描くのが得意。
ウニタキの留守を守っている。




尚巴志伝


ラベル:尚巴志伝 琉球
posted by 酔雲 at 16:54| Comment(0) | 尚巴志伝 あらすじと解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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