2017年10月24日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 7.首里の初春

年が明けて、永楽5年(1407年)になりました。
思紹が中山王になって初めての正月は、明国の堅苦しい着物を着ての新年の儀式から始まりました。
百浦添御殿(正殿)を背にして、中山王思紹、王妃、世子のサハチ(尚巴志)、世子妃のマチルギが正装して座り、その前の御庭に家臣たちがずらりと並ぶ中、馬天ヌルが率いるヌルたちによって華麗な儀式が執り行われました。
二日には久米村の唐人たちが来て、中山王に新年の挨拶をしました。
ファイチ(懐機)も明国の礼服を着てかしこまっていました。
三日には中山王に従っている按司たちが挨拶に来ました。
東方(あがりかた)の按司たちか来るのは当然ですが、八重瀬按司のタブチが来たのにはサハチは驚きました。
挨拶が終わると新年の宴が催され、タブチは中山王に従うと言いました。
サハチは思紹と相談して、挨拶に来た按司たちを従者として、明国に連れて行く事に決めました。

正月の20日、進貢船の出帆の儀式が行なわれ、翌日、馬天浜にシンゴとクルシの船がやって来ました。
サハチの弟のヤグルー、次男のジルムイ、甥のマウシ(護佐丸)、マウシの友達のシラーが無事に帰国しました。
ヤマトゥの国を見てきたヤグルー、ジルムイ、マウシ、シラーの顔付きは変わっていました。
四人は博多から京都まで行っていて、話を聞いて、サハチも言ってみたいと思いました。

明国に行く二日前、サハチはウニタキに呼ばれて、城下にある「まるずや」に行きます。
「まるずや」に行くとウニタキはいなくて、ナツがいました。
ウニタキの配下のナツは島添大里の侍女を辞めて、今は「まるずや」を一人でやっていると言いました。
勢力範囲が広がったので、ウニタキの「三星党」も人手不足のようです。
ナツはサハチの唐旅を心配して、送別の宴を催したいと言います。
サハチはナツの話を聞いて、ナツがずっとサハチを慕っていた事を知ります。
サハチはナツがいじらしく思えて、ナツを抱きしめます。



登場人物


・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に行こうと考えている。

・思紹
中山王。サハチの父親。
佐敷按司を隠居して、東行法師を名乗り、慶良間の島で若い者たちを鍛える。
一千人の兵を育て、その兵力によって、中山王武寧を倒し、中山王となる。
王となってもじっとしているのは苦手で、兵たちの指導をしている。

・ミチ
中山王妃。サハチの母親。
越来按司の姉。

・マチルギ
尚巴志の妻。伊波按司の妹。
女子サムレーたちの総大将。
島添大里按司の奥方だが、首里にいる事が多い。
尚巴志が明国に行くと言い出したので、女たちを連れてヤマトゥに行こうと考える。

・馬天ヌル
中山王思紹の妹。
霊力が高く、各地のヌルたちに慕われている。
娘のササも霊力が高い。
新年の儀式のために先代の中山王に仕えていたヌルたちを集めて指導する。

・ファイチ(懐機)
中山王の客将。
久米村からアランポー一族を追い出し、長史のワンマオと一緒に新しい久米村を造っている。
思紹の初めての進貢船を出すために忙しい。
旧友に会うためにサハチと一緒に明国に行く。

・中グスク按司
クマヌ。
ヤマトゥの山伏で、長い間、思紹に仕えて、中グスク按司になる。

・越来按司
美里之子。尚巴志の叔父。

・サム
勝連の後見役。マチルギの兄。クマヌの娘婿。

・伊波按司
マチルギの兄。妻は今帰仁の研ぎ師ミヌキチの娘。

・山田按司
マチルギの兄。妻は宇座按司の妹。

・安慶名按司
マチルギの兄。妻は勝連按司の娘(ウニタキの妹)。

・北谷按司
妻は先代越来按司の妹。

・大グスク按司
妻は越来按司の娘。

・玉グスク按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。

・知念按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。
大グスク按司の叔父。

・垣花按司
南部東方の按司。
大グスク按司の叔父。

・糸数按司
先代の糸数按司の母親違いの弟。
察度に仕えて護衛隊長を務め、上間按司になる。
兄の糸数按司を倒して、糸数按司になる。

・タブチ
八重瀬按司。
汪英紫の長男。山南王(シタルー)の兄。
中山王の武寧と組んでシタルーを倒し、山南王になるつもりだったが、尚巴志に邪魔される。
尚巴志を恨むが、父も弟も行った事のある明国に行ってみようと考え、中山王に従う。

・シンゴ
早田新五郎。対馬のサイムンタルー(早田左衛門次郎)の弟。
兄の左衛門太郎が朝鮮に投降したため、お屋形様の代理を務める。
佐敷ヌルと結ばれ、娘が生まれる。

・クルシ
早田左衛門太郎の重臣。
倅に跡を譲って隠居し、尚巴志の家臣になる。

・ヤグルー
尚巴志の弟。
平田グスクを任され、平田大親を名乗る。

・ジルムイ
尚巴志の次男。後の尚忠。
真面目な性格で、サグルーやササとは付き合わない。
ヤマトゥ旅に行って、自分に自信を持つ。

・マウシ
山田按司の次男。後の護佐丸。
曾祖父は今帰仁按司だったが、羽地按司に殺され、今帰仁按司の座を奪われる。
祖父は中山王の察度が今帰仁を攻めた時に、今帰仁按司(羽地按司)を殺すが戦死してしまう。
マウシは祖父が戦死した頃に生まれ、祖父の生まれ変わりに違いないと皆から期待されて育つ。
叔父の尚巴志を頼って、首里に行き、サムレー大将になるために修行に励む。
島添大里で苗代大親の娘のマカマドゥに一目惚れする。
ジルムイと一緒にヤマトゥに行ってくる。

・シラー
久良波のマサルーの次男。
マウシの幼馴染みで、マウシと一緒に首里で修行する事になる。
マウシと一緒にヤマトゥに行ってくる。

・ササ
馬天若ヌル。父親は水軍大将のヒューガ、母親は馬天ヌル。
誰だかわからないが、誰かが来るのを予見して、木の上で待っていて、マウシと会う。
幼い頃から母親に剣術を習い、娘たちの師範代を務めるほとの腕を持っている。
ヌルとしても強い霊力を持っていて、尚巴志と懐機を出会わせたのもササだった。
山田に行って、久良波のマサルーの息子、シラーに一目惚れする。
マカマドゥと一緒に、ヤマトゥ旅に出たシラーとマウシの無事を祈る。

・マカマドゥ
苗代大親の三女。
幼い頃から父に剣術を習い、自分よりも弱い男には見向きもしない。
マウシが自分と互角の腕を持っていたので、気になる存在になる。
ササと一緒に、ヤマトゥ旅に出たマウシとシラーの無事を祈る。

・サグルー
尚巴志の長男。島添大里の若按司。
二年前に、ヤマトゥ旅に行き、京都にも行っている。
山田に行き、マウシの妹、マカトゥダルに一目惚れする。

・ナンセン禅師
ヤマトゥの禅僧。
察度に仕えて、察度の子供たちに読み書きを教えていた。
思紹に仕え、首里のナンセン寺で、子供たちに読み書きを教えている。

・マグサ
クルシの配下として尚巴志の家臣になる。
クルシが引退したあと、船長になる。

・ナツ
ウニタキの配下。佐敷の重臣、津堅大親の娘。
尚巴志の妹のマカマドゥと一緒に剣術の稽古に励む。
尚巴志に憧れ、尚巴志を守るために「三星党」に入る。
島添大里グスクの侍女になって、尚巴志とウニタキの連絡役を務める。
侍女を辞めて、島添大里城下の「まるずや」を任される。
尚巴志が明国に行くと聞いて、もう二度と会えないかもしれないと思い、自分の気持ちを打ち明ける。



尚巴志伝


ラベル:尚巴志伝 琉球
posted by 酔雲 at 09:47| Comment(0) | 尚巴志伝 あらすじと解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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