2017年07月03日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 78.南風原決戦

サハチ(尚巴志)が首里グスクを奪い取り、浦添グスクを焼き討ちにした翌日、豊見グスクを包囲していたサハチの弟のマサンルーは東方(あがりかた)の按司たちにサハチのした事を説明して、豊見グスクから撤収します。

島尻大里大里グスクを包囲していた中山王武寧の若按司のカニムイは島尻大里グスクの包囲網を解いて、中部の按司たちを率いて首里グスクを攻めるために向かいます。

その頃、サハチは首里グスクの物見櫓から景色を眺めていました。
遙か、昔、ここは真玉添(まだんすい)と呼ばれていたらしいわと馬天ヌルが言います。
『真玉』は勾玉(まがたま)の事で、『添』は浦々を治める浦添(うらしい)や島々を治める島添(しましい)と同じで、ここはヌルが治めていた祈りの中心地だったのです。
ヌルたちが治めていた真玉添は、浦添按司の舜天(しゅんてぃん)に滅ぼされてしまいます。
殺されたヌルたちは悪霊になってしまい、人々を苦しめます。
悪霊を鎮めるために『真玉添』は二つに分けられ、『真玉森(まだんむい)』と『添森(すいむい)』になります。
察度は『添森』に高楼を建てて、『首里天閣(すいてぃんかく)』と名付けました。
武寧が首里天閣の跡地に首里グスクを築いたため、悪霊が飛び出して来ました。
封じ込められていた神様を救い出したので、悪霊は消え去ったと馬天ヌルはサハチに説明しました。
そして、サハチの守り神の『月代の石』は、真玉添の御宮に祀られていたと言います。

カニムイが率いる兵たちは首里に向かう途中で、當山之子、ヒューガ、苗代大親が率いる兵の待ち伏せに遭って壊滅し、カニムイも討たれます。


※真玉添を滅ぼしたのは舜天ではなかった事が、第二部で明らかになります。



◇首里(すい)について
『すい』とは何か、色々と考えました。
『首里』という漢字は、当て字なので参考にはなりません。
首里グスクには『真玉森(まだんむい)』と『首里森(すいむい)』のウタキがあります。
そこで、かつては『真玉添(まだんすい)の森』と呼ばれていたのではないかと考えました。
『真玉添』が何かの事情で二つに分けられてしまって、『真玉森』と『添森(すいむい)』になり、『添』が『首里』に変わっていったのではないかと思います。



登場人物

・マサンルー
尚巴志の弟。
佐敷グスクを任され、佐敷大親を名乗る。
サハチの代理として、豊見グスク攻めに参加する。

・屋比久大親
平田大親の重臣になる。
副将としてマサンルーに従う。

・大グスク按司
マナビー(大グスクヌル)の弟。
父が戦死したあと、母と共に小禄のはずれに隠れ住んでいた。
尚巴志から大グスクを譲られ、大グスク按司になる。

・玉グスク按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。

・知念按司
南部東方の按司。若按司の妻は尚巴志の妹。
大グスク按司の叔父。

・垣花按司
南部東方の按司。
大グスク按司の叔父。

・糸数按司
先代の糸数按司の母親違いの弟。
察度に仕えて護衛隊長を務め、上間按司になる。
兄の糸数按司を倒して、糸数按司になる。

・カニムイ
中山王武寧の若按司。
中山王の大将として、中部の按司たちを率いて、山南王の島尻大里グスクを攻める。

・奥間大親
中山王の重臣。

・北谷按司
妻は望月党に殺された江州按司の娘。
カニムイに率いられて、島尻大里グスクを攻める。

・勝連按司
ウニタキの弟、シワカー
妻は北谷按司の妹。
カニムイに率いられて、島尻大里グスクを攻める。

・越来按司
妻は北谷按司の妹。
カニムイに率いられて、島尻大里グスクを攻める。

・中グスク按司
妻は北谷按司の妹。
カニムイに率いられて、島尻大里グスクを攻める。

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。
首里グスクを攻め落とし、首里に攻めて来るカニムイを待ち伏せする。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。
馬天ヌルと一緒に、首里のマジムンを退治する。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。熊野大親。
尚巴志の家臣でサムレー大将。
首里攻めの大将を務める。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。
首里のマジムンを退治する。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。
佐敷から島添大里に移る。
シンゴと結ばれ、娘のマユが生まれる。
馬天ヌルと一緒に、首里のマジムンを退治する。

・フカマヌル(外間ノロ)
久高島のフカマヌルの娘でフカマヌルを継ぐ。
父はサグルー。尚巴志の母違いの妹。
ウニタキと結ばれ、娘のウニチルが生まれる。
馬天ヌルと一緒に、首里のマジムンを退治する。

・マウー
伊是名のナビーの五男。サグルーの甥。慶良間の島の師範代。
クマヌ隊の副将を務める。

・當山之子
島添大里按司の重臣。美里之子の弟。
待ち伏せをして、カニムイの兵を攻める。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。尚巴志の師匠。
尚巴志のために山賊になる。
山南王の船を奪い取って海賊になり、慶良間の島の修行者たちの食糧を調達する。
首里攻めのために慶良間の島から1000人の兵を運ぶ。
待ち伏せをして、カニムイの兵を攻める。

・苗代大親
尚巴志の叔父。サハチとマチルギの剣術の師匠。
島添大里按司の重臣。島添大里の武術師範になる。
待ち伏せをして、カニムイの兵を攻める。

・美里之子(んざとぅぬしぃ)
尚巴志の叔父。武術師範。
島添大里大親の重臣。

・サム
伊波按司の四男。マチルギの兄。
妻はクマヌの娘のマチルー。
伊波を飛び出し、妻を連れて佐敷に来る。
父親の死後、伊波大親を名乗り、尚巴志の重臣になる。
カニムイを討ち取る。



尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球
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