2017年01月02日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 52.不思議な唐人

梅雨が明けて、恒例の旅に出たサハチ(尚巴志)たちは久米村で不思議な唐人と出会います。
三人のならず者たちを手も出さずに倒してしまう不思議な術を使う唐人でした。
旅から帰ってクマヌに聞くと、その男は道士に違いないと言いました。
山伏のように山に籠もって厳しい修行を積んで、自然と一体化して、雨を降らしたり、風を呼んだりする事ができるようになるとの事です。
サハチはその唐人に興味を持ちますが、言葉が通じないのではしょうがないと諦めます。

年末に祖父のサミガー大主が帰ってきて、旅も終わったと言います。
あと一年あるはずですが、ヒューガが心配して、来年はヒューガの配下が東行法師に扮して旅に出るとの事でした。
祖父も七十歳を過ぎ、旅の途中で倒れたりしないかと父も心配したようでした。
馬天ヌルも北の果てまで行って来たので、旅は終わったと言いました。
馬天ヌルは奥間に行って、サハチの息子のサタルーに会っていました。
父もキラマの島から帰ってきて、「いよいよ、あと一年だ。準備を完了させて、絶好の時を待つ」と言いました。

年が明けて、三月、マサンルーの平田グスクも完成し、サハチはクマヌと一緒に平田グスクの裏山の須久名森(すくなむい)に登ります。
須久名森に一千の兵が隠せる事を確認して、佐敷に戻ると馬天ヌルが娘のササと一緒に待っていました。
馬天浜に唐人がいて、その唐人はサハチのためになる人だとササは言います。
サハチは馬天ヌル母子と一緒に馬天浜に行って、唐人と会います。
砂浜に座って海を見ていた唐人は去年の五月に久米村で会った不思議な唐人でした。
唐人は島言葉をしゃべり、「久米村はよくない。ここはいい所です」と言います。
サハチは自己紹介して、唐人をお客様として迎える事にします。
唐人の名はファイチ(懐機)といい、サハチの生涯の友として、サハチを助ける事になります。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
佐敷按司。
父はサグルー(東行法師)、母は先代の美里之子の娘。
祖父はサミガー大主、祖母は先々代の大グスク按司の娘。

・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。

・佐敷ヌル(佐敷ノロ)
尚巴志の妹、マシュー。神名はツキシル。
師範代として娘たちに剣術を教えている。

・マタルー
尚巴志の弟。

・マカミー
マタルーの妻。八重瀬按司、タブチの娘。

・サミガー大主
サハチの祖父。
鮫皮造りを隠居し、東行法師に扮して旅に出て、若者たちを慶良間の島に送り込む。

・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母。神名はティーダシル。
ヒューガと結ばれ、娘のササが生まれる。
神様の声を聞くため各地を旅している。

・ササ
馬天ヌルとヒューガの娘。

・東行法師
尚巴志の父、サグルー。
佐敷按司をサハチに譲り、東行法師を名乗って旅に出る。
慶良間の無人島で若い者たちを鍛え、『師匠』と呼ばれる。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。熊野大親。
佐敷按司の家臣でサムレー大将。

・ウニタキ
先代勝連按司の三男。中山王、察度の孫娘(武寧の娘)を妻に迎える。
今帰仁合戦で、勝連の水軍大将として活躍する。
浜川大親となりヤマトゥとの交易を担当する。
望月党に妻子を殺され、佐敷に逃げてくる。
尚巴志のために裏の組織「三星党」を結成する。

・ファイチ(懐機)
明国から逃げて来た道士。


尚巴志伝
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