2006年08月03日

浮世絵師と艶本

枕絵、春本、わ印(わらい本)などと呼ばれている艶本は、当然のごとく、幕府に禁じられていましたが、これも当然のごとくに、裏に隠れて売られていました。版元としては売れる物を放っておくはずがなく、絵師としても腕の見せ所だと好んで描いていました。
有名な浮世絵師は皆、描いていたといってもいい程です。
夢見るような可憐な乙女を描いていた鈴木春信も可憐な春画を描いています。何となく、ほのぼのとした春画です。
洒落本で有名な戯作者の山東京伝も北尾政演と号していた若い頃に何冊か描いています。京伝の艶本には実在の遊女や狂歌師たちも登場しています。
美人絵を描かせたら天下一品と言われた喜多川歌麿は勿論、描いていて、数々の名作を残しています。折帖仕立ての「歌まくら」「ねがひの糸ぐち」「絵本小町引」などは歌麿の代表作と言ってもいい程です。
様々な絵に挑戦して数々の名作を残した葛飾北斎も艶本に凝っていた時期がありました。「東にしき」「富久寿楚宇」「万福和合神」などの傑作を残しています。大ダコが出て来る有名な絵は「喜能会之故真通」の中の一図です。
北斎の艶本を継いだのが、北斎を慕っていた渓斎英泉です。粋で婀娜っぽい女を描かせたら英泉の右に出る者はいないでしょう。英泉を語る時、艶本を抜きには語れません。初めの頃の艶本は北斎色が強いですが、だんだんと英泉らしさが出て来ます。「春野薄雪」「夢多満佳話」「万寿嘉々見」「色自慢江戸紫」などが代表作と言えるでしょう。
北斎に刺激されて、歌川派も豊国が、「逢夜雁之声」を発表すると、豊国の弟子の国貞、国虎、国安、国直、国芳たちが次々に艶本を発表します。「東海道五十三次」を描いた歌川広重でさえ、艶本を残しています。

「草津温泉膝栗毛・冗談しっこなし」創作ノート 艶本一覧

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絵入春画艶本(えほん)目録  春画と肉筆浮世絵      


ラベル:浮世絵師
posted by 酔雲 at 14:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 江戸時代>文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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