今でも歌舞伎で上演される「義経千本桜」はもともとは人形浄瑠璃の名作です。1747年の11月に大坂の竹本座で初演されて、翌年の5月に歌舞伎として江戸の中村座で初演されました。
竹田出雲、三好松洛、並木千柳の合作で、この三人は、「菅原伝授手習鑑」「仮名手本忠臣蔵」「雙(ふたつ)蝶々曲輪日記」などの名作を多く残しています。
序幕が「堀川御所の場」、二幕目が「伏見稲荷の場」、三幕目が「渡海屋の場」と「大物浦の場」、四幕目が「下市村の場」、五幕目が「釣瓶鮨屋の場」、六幕目が「芳野山道行の場」、大詰が「川連法眼館の場」です。
いがみの権太は四幕目と五幕目に登場します。1825年の市村座で、二代目関三十郎が演じ、1828年の市村座で、七代目市川団十郎が演じ、1831年の市村座で、三代目尾上菊五郎が演じ、1847年の河原崎座で、六代目松本幸四郎が権太を演じています。
権太は主役ではありませんが、権太を演じる役者次第で、成功したり失敗したりするので、名立たる名優たちが競って演じています。





ラベル:歌舞伎
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