2006年07月04日

上杉三郎景虎

上杉謙信の養子となり、謙信の出家前の名前、景虎を名乗った三郎は北条氏康の八男です。幼い頃より出家して、西堂様と呼ばれていました。何事もなければ、そのまま僧侶として長生きした事でしょう。
運命が変わるのは18歳の時です。その年の暮れ、北条幻庵の跡を継いでいた新三郎が武田軍に攻められて戦死してしまいます。跡継ぎを失った幻庵は甥の氏康に頼んで、西堂を娘婿に迎える事に決めます。西堂は還俗して、幻庵の出家前の名前、三郎を名乗って、幻庵が若き日に守っていた小机城主となります。
三郎は僧侶にしておくには勿体ない程の美男子だったといわれています。幻庵の娘も美しく、美男美女の新婚夫婦は幸せに暮らした事でしょう。そんな二人を運命が引き離します。新婚生活はたった三ヶ月で幕を下ろし、急遽、三郎は人質として越後に赴く事に決まってしまいました。
武田信玄との同盟を断ち、上杉謙信と同盟した北条家は人質の交換をしなければなりません。人質だから誰でもいいというわけではなく、北条家の代表として越後に赴くにはそれなりの値打ちのある人物でなくてはなりません。最初、当時のお屋形様だった氏政の息子を送る予定でしたが、あまりにも幼すぎるため、氏政の弟に決められました。三郎より上の兄たちはすでに重要な地位にいたため送る事はできません。三郎の下に二つ違いの弟、四郎がいました。四郎を送ろうと決まりかけたのですが、四郎は幼い頃に患った麻疹の後、顔にあばたが残ってしまいました。北条家の代表として行くには少し見苦しいと、美男子だった三郎に決まってしまいました。
三郎は幻庵の娘とむりやり別れさせられて、越後へと向かいます。途中、上野の国、沼田の倉内城で上杉謙信と対面します。謙信は三郎を非常に気に入って、自分の養子に迎え、景虎の名まで授けるのです。多分、四郎だったら養子にはしなかったかもしれません。
選ばれなかった四郎は幻庵の娘と一緒になって幻庵の跡継ぎになります。幻庵の娘は非常に辛い思いをしたでしょうが、戦国の世のならいで、自らを犠牲にしなければなりませんでした。
謙信の養子となった三郎は越後に行っても大歓迎されて、謙信の姪を嫁に迎えます。翌年の秋、実父の北条氏康が亡くなり、その年の暮れに、北条は上杉との同盟を破棄して、再び、武田と同盟を結びます。人質の三郎は謙信から小田原に帰るように言われますが断って、越後に残ります。今更、帰っても自分の居場所は北条家にはないと悟ったのでしょう。実家との縁を切って越後に骨を埋める決心を固めます。
越後に滞在して8年後、謙信が急死し、もう一人の養子だった喜平次景勝と跡目争いが生じます。御館の乱といわれる上杉家の跡目争いは越後国内を二つに分け、北条、武田も巻き込んで大きな戦となります。同盟関係にあった北条と武田は共に三郎の後ろ盾となり、圧倒的に三郎の方が有利でした。ところが、武田が裏切ります。武田にしてみれば、越後が北条領国になってしまえば、武田の領地は北条に囲まれる形になって、やがては北条に滅ぼされてしまうと考え、景勝と同盟を結んでしまうのです。
武田が景勝に味方したため、三郎は不利となって、やがては滅ぼされてしまいます。
謙信が亡くなってから、およそ一年後、三郎は敵に囲まれて自刃して果てます。還俗してから10年、28歳で波乱の生涯を閉じます。

戦国草津温泉記・湯本三郎右衛門


上杉三郎景虎  上杉謙信大事典コンパクト版


ラベル:武将
posted by 酔雲 at 15:26| Comment(1) | TrackBack(0) | 戦国時代>人物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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Posted by みつ at 2006年07月06日 16:49
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