2008年12月11日

織田上総介信長の台詞

藤吉郎伝―若き日の藤吉郎伝 20.夢に向かって」より織田上総介信長の台詞


生駒家の娘、吉乃(きつの)に惚れていた藤吉郎(後の豊臣秀吉)でしたが、自分に自信のない藤吉郎はその事を告白できず、織田上総介信長に奪われてしまいます。悔しくて、泣きながら弓矢を放った後、藤吉郎は信長がいる吉乃の屋敷に戻ります。


 朝日が東の空を染め始めた頃、上総介が吉乃の新居から出て来た。草履の向きが反対になっているのに気づき、庭を見て、しゃがみ込んでいる人影に気づいた。

「猿か」と上総介は呼んだ。

「はい」と藤吉郎はしゃがんだまま上総介の顔を仰ぎ見た。

「吉乃はわしが貰った」と上総介は言った。

 聞きたくなかった言葉だったが藤吉郎は受け入れた。

「お前が吉乃に夢中だった事は知ってる。だが、わしも夢中になった。欲しい物は必ず手に入れるのが、わしのやり方じゃ。そうでなくては今の世は生きては行けんのじゃ」

「はい」

「お前の事は八右衛門からも、小太郎からも、三左衛門からも、吉乃からも色々と聞いた。お前は不思議な奴じゃ。お前の話をする時、みんな、楽しそうに話す。何となく気になる奴というのがいる。どこがどう気になるのかわからんが、何となく気になって、みんなの話題にのぼる。お前がそうじゃ‥‥‥吉乃はわしの側室にするつもりじゃ。吉乃もうなづいてくれた。どうじゃ、猿、わしの家来にならんか」

 藤吉郎は上総介を見上げ、どう答えたらいいか迷った。自分を高く売り付けるため、すぐに返事をしない方がいいかもしれないと思った。しかし、上総介の顔を見ているうちに考えは変わった。この男と付き合って行くには、ごまかしは効かない。本音で勝負するしかないと思った。

 藤吉郎は力強くうなづいた。


こうして、信長の家来になった藤吉郎は出世街道をまっしぐらに進み、天下統一を果たします。


信長・秀吉・家康の研究  秀吉神話をくつがえす  秀吉戦国城盗り物語  豊臣秀吉事典コンパクト版  太閤秀吉と豊臣一族  
タグ:武将
posted by 酔雲 at 10:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説の中の名台詞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/111051218
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック