高い石垣に囲まれた今帰仁グスクを見たサハチは驚きます。
今帰仁では研ぎ師のミヌキチの家にお世話になります。
今帰仁グスクは山北王の帕尼芝(はにじ)の居城。
先々代の今帰仁按司の娘婿の羽地按司は、先々代が亡くなったあと、義兄の今帰仁按司を攻め滅ぼして、今帰仁按司となり、1383年、明国に朝貢して、帕尼芝の名で山北王に封じられる。
登場人物
・サハチ(尚巴志)
サミガー大主の孫。父は佐敷按司(サグルー)。
・サイムンタルー
中尾左衛門太郎。対馬の倭寇の頭領、早田三郎左衛門の次男。
妻の実家の中尾家を継いでいる。
・ヒューガ
三好日向。武芸者。
サハチにとって重要な人物となる。
「陰の流れ 第一部」に智羅天として登場。愛洲移香斎に気合いの術と彫刻を教える。
・クマヌ
ヤマトゥの山伏。佐敷按司の家臣。
・ミヌキチ
刀の研ぎ師。先々代の今帰仁按司に呼ばれてヤマトゥから来る。
先代の今帰仁按司が羽地按司に攻め滅ぼされたあと、刀の研ぎ師を辞めるが、クマヌと出会い、先代の遺児(伊波按司と山田按司)が生きている事を知ると、刀の研ぎ師に復帰する。
妻は先代の今帰仁按司の妹。娘は伊波の若按司の妻。
◯硫黄に関する略年表。
900年頃、唐で火薬が発明される。
960年、日宋貿易で硫黄が輸出される。
1085年、宋から硫黄を大量に求める商人が太宰府に来る。
1145年、温州に漂流した船に硫黄が積んであった。
1271年、元が建国。
1274年、蒙古襲来。蒙古軍、火薬を使用する。
1281年、蒙古襲来。蒙古軍、火薬を使用する。
1351年、大陸で紅巾の乱が起こる。
1368年、明が建国。
1372年、察度、明と朝貢貿易を始め、硫黄を献上する。