2024年01月26日

尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 8.浮島

サハチ(尚巴志)はクマヌ、サイムンタルー、ヒューガと一緒に旅に出ます。
佐敷から玉グスク、糸数グスク、八重瀬グスク、島尻大里グスク、小禄グスクを見て、浮島(那覇)に渡ります。
初めて佐敷から出たサハチは何を見ても驚いてばかりいます。

玉グスク按司、垣花按司、知念按司、糸数按司は婚姻で結ばれていて、島添大里按司と対抗しています。中心になっているのが玉グスク按司です。
中山王となった察度に滅ぼされた浦添按司の西威は玉グスクの出身で、かつての玉グスク按司は中部から南部一帯を支配していましたが、浦添グスクを察度に奪われ、島添大里グスクと大グスクを島添大里按司に奪われて、支配が及ぶのは南部の東側だけになってしまいました。

島尻大里按司は察度と手を結び、明国との朝貢を始めて、山南王になります。


登場人物

・サハチ(尚巴志)
サミガー大主の孫。父は佐敷按司(サグルー)。

・サイムンタルー
中尾左衛門太郎。早田三郎左衛門の次男、妻の実家の中尾家を継いでいる。

・ヒューガ
三好日向。武芸者。
サハチにとって重要な人物となる。
「陰の流れ 第一部」に智羅天として登場。愛洲移香斎に気合いの術と彫刻を教える。

・クマヌ
ヤマトゥの山伏。佐敷按司の家臣。

・ハリマ
浮島の若狭町に住むヤマトゥの山伏。
後に宿屋を営む。

・白菊
若狭町の遊女屋「松風楼」の遊女。


◎浮島(那覇)の略年表

1349年 察度、浦添按司になる。
1350年 この頃より浮島に外来人たちが住み着くようになる。
     元の商船、日本の商船、東南アジアの商船が出入りする。
1351年 倭寇が連れて来た俘虜人の女たちを使って、浮島に遊女屋ができる。
1357年 元国から日本に向かう商船が浮島に寄港する。
1358年 日本から元国に向かう商船が浮島に寄港。
1368年 波之上権現の別当寺、護国寺が創建される。開山は真言僧の頼重。
     明国に向かう日本船、浮島に寄港。
     明使、日本への行き帰りに浮島に寄港。
1369年 明使楊載、日本への行き帰りに浮島に寄港。
1370年 明使楊載、日本と高麗に行く途中浮島に寄港。
1371年 明使楊載、日本からの帰りに浮島に寄港。
1372年 明国から琉球に使者が来る。
     察度、明国との進貢貿易を始め、中山王に封じられる。
     泰期、使者として明国に行く。
1374年 泰期、使者として明に進貢。明の使者、馬と硫黄を積んで帰る。
1375年 明国の使者、李浩、琉球に来る。泰期、帰国。
1376年 明国の使者李浩、馬40頭、硫黄5000斤を購入して帰国。
     泰期、帰国する李浩に従い進貢。元旦を賀し、馬16頭、硫黄1000斤を進貢。
1377年 中山進貢。
1378年 中山進貢。
1380年 中山進貢。
     島尻大里按司の承察度、初めて明国に進貢し、山南王に封じられる。
1382年 中山進貢。
1383年 明国の使者梁a、馬983匹を貨幣で買う。
     中山進貢。亜蘭匏の乗った進貢船が風に流され、宮古に漂着する。
     山南進貢。今帰仁按司、帕尼芝も初めて進貢、山北王に封じられる。
1384年 中山、山南、山北進貢。
1385年 中山進貢。
     中山、山南、山北進貢。
1386年 中山と山南、明国から進貢船を賜わる。
     自前の船で中山進貢。
1387年 尚巴志、クマヌたちと一緒に初めて浮島に来る。
     自前の船で中山進貢、自前の船で山南進貢。


尚巴志伝
ラベル:尚巴志伝 琉球