佐敷按司は島添大里按司が攻めて来ると守りを固めていましたが、島添大里按司が攻めて来る事はなく、大グスク按司になったシタルーが度々、佐敷グスクにやって来ました。
島添大里按司は有能な者は殺さないとシタルーは言い、同盟したいと言いますが佐敷按司はきっぱりと断ります。
断っても断っても懲りずにやって来るシタルーに根負けした佐敷按司は、馬天浜を大グスク按司と共有するという条件を飲んで休戦しました。
大グスク落城の二年後の年末、ヤマトゥから早田(そうだ)三郎左衛門の船が馬天浜にやって来ました。
15歳になったサハチ(尚巴志)も歓迎の宴に呼ばれて、三郎左衛門の息子の左衛門太郎と武芸者の三好日向(みよしひゅうが)を紹介されます。
調子に乗って酒を飲み過ぎたサハチは酔い潰れてしまいます。
登場人物
・サハチ(尚巴志)
サミガー大主の孫。父は佐敷按司(サグルー)。
・尚巴志の父、佐敷按司
サグルー。サミガー大主の長男。後の中山王、思紹(ししょう)。
・尚巴志の祖父、サミガー大主
サグルーの父。伊平屋島出身で、馬天浜で鮫皮作りをしている。
・ウミンター
佐敷按司の弟。鮫皮作りを継ぐ事になっている。
・シタルー
大グスク按司。島添大里按司の次男。後の山南王、汪応祖(おうおうそ)。
・島添大里按司(しましいうふざとぅあじ)
島尻大里按司(しまじりうふざとぅあじ)の叔父。
自らの力でのし上がって来たため、有能な者は殺さずに利用しようと考えている。佐敷按司は鮫皮を作ってヤマトゥと交易しているので、何とかして、味方に引き入れようと考え、佐敷を攻める事はしない。
後に王叔汪英紫(おうしゅくおーえーじ)として、明国に朝貢する。
・サンルーザ
早田三郎左衛門。対馬の武将。倭寇(わこう)の頭領。
サミガー大主と鮫皮の取り引きをしている。
・クルシ(黒瀬)
早田三郎左衛門の重臣。
・ウサキ(尾崎)
早田三郎左衛門の重臣。
・サイムンタルー
中尾左衛門太郎。早田三郎左衛門の次男で妻の実家の中尾家を継いでいる。
・ヒューガ
三好日向。武芸者。
サハチにとって重要な人物となる。
「陰の流れ 第一部」に智羅天として登場。愛洲移香斎に気合いの術と彫刻を教える。