2018年01月29日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 21.西湖のほとりの幽霊屋敷

龍虎山から杭州に戻ったサハチ(尚巴志)たちは三姉妹と再会します。
三姉妹はヂャンサンフォンと会って感激します。
三姉妹はすでに拠点となる屋敷も見つけていて、翌日、西湖のほとりにあるその屋敷に行きます。
その屋敷は幽霊屋敷と呼ばれていて、安く手に入れられたとの事です。
幽霊が出ましたが、一流の道士であるヂャンサンフォンによって退治されます。

応天府(南京)に行っていた琉球の使者たちが今、杭州に滞在していると聞いてサハチたちは会いに行きます。
使者のサングルミーは驚いて、サハチたちを迎え、無事だった事を喜びます。
八重瀬按司のタブチが現れて、サハチたちは驚きます。
泉州の来遠駅には山南王の使者の従者たちが滞在していて、タブチと騒ぎが起こるような気配があったので、応天府まで連れて行ったとサングルミーは言いました。
タブチはサハチたちが永楽帝と会った事を知っていて、サハチたちを見る目が変わっていました。

サハチたちは三姉妹とヂャンサンフォンと別れ、サングルミーたちと合流して泉州に向かいます。
半年間の楽しかった旅も終わり、サハチたちは進貢船に乗り込みました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に旅立つ。

・ウニタキ
表向きは地図を作っている重臣の三星大親。
中山王の裏の組織「三星党」の頭領。
妻は尚巴志の叔母のチルー。
尚巴志を守るために一緒に明国に行く。

・ファイチ(懐機)
中山王の客将。
久米村からアランポー一族を追い出し、長史のワンマオと一緒に新しい久米村を造っている。
旧友に会うために尚巴志と一緒に明国に行く。
明国で旧友と再会し、永楽帝とも再会し、師匠のヂャンサンフォンとも再会する。

・ヂャンサンフォン(張三豊)
武当山の道士。ファイチの師匠。
永楽帝が会いたいと思って必死に探しているが、権力者には会いたくないと逃げている。

・シンシン(杏杏)
ヂャンサンフォンの弟子。
両親は山賊に殺され、ヂャンサンフォンに拾われて、ファイチの妹夫婦に育てられる。

・メイファン(張美帆)
福州の海賊ヂャンルーチェンの三女。
父と敵対している海賊リンジェンフォンの長男と駆け落ちして琉球に行き、ファイチと出会う。

・メイユー(張美玉)
福州の海賊ヂャンルーチェンの次女。
広州の海賊に嫁ぐが、敵討ちのため離縁して戻って来る。
尚巴志といい仲になる。

・メイリン(張美玲)
福州の海賊ヂャンルーチェンの長女。
杭州の海賊に嫁ぐが夫は戦死して、息子を嫁ぎ先に残し、娘を連れて帰る。
ウニタキといい仲になる。

・ラオファン(老黄)
三姉妹の武術の師匠。

・リェンリー(黄怜麗)
ラオファンの次女。
三姉妹の仲間に加わる。

・サングルミー
与座大親。中山王の正使。
山南王のシタルーと一緒に明国の国士監に留学して、帰国後、中山王武寧の正使となる。
明国から帰国すると武寧は亡くなっていて、思紹が中山王になっていたが、思紹に仕える。

・タブチ
八重瀬按司。
汪英紫の長男。山南王(シタルー)の兄。
中山王の武寧と組んでシタルーを倒し、山南王になるつもりだったが、尚巴志に邪魔される。
尚巴志を恨むが、父も弟も行った事のある明国に行ってみようと考え、中山王に従って明国に行く。
サングルミーと一緒に応天府まで行き、ようやく、父親の気持ちがわかる。

・リュウジャジン(劉嘉景)
三姉妹の配下。パレンバンに行っていて助かる。

・ジォンダオウェン(鄭道文)
三姉妹の配下。琉球に行っていて助かる。
山北王と密貿易をするために運天泊に行き、メイファンと再会して連れて帰る。



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2018年01月22日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 20.龍虎山の天師

武当山でのサハチ(尚巴志)たちの一か月の拳術修行が終わりました。
断食をして、呼吸を整え、気を錬る事も教わって、体は以前よりもずっと軽くなり、自由に動かせるようになりました。
山を下りて、ファイチの妹に別れを告げて、ヂャンサンフォンとシンシンにお礼を言って別れようとしたら、ヂャンサンフォンとシンシンは琉球に行くと言いました。
サハチたちは驚くと共に喜んで、ヂャンサンフォンとシンシンと一緒に、ファイチの父のお墓がある龍虎山に向かいました。

思っていた通りに龍虎山は遠く、4日目に揚子江のほとりにある漢口に着いて、そこから7日目に南昌に着きます。
南昌には察度が建てた首里天閣のような高楼が建っていました。
南昌から2日で、ようやく龍虎山に着きました。
龍虎山は道教の本山で、お参りしている人たちも大勢いて賑わっていました。

ファイチの妻の父親は、龍虎山で一番偉い天師の一族で、今は隠居して郊外の屋敷で暮らしていました。
ファイチが訪ねると義父は驚き、再会を喜んで、サハチたちを歓迎してくれました。
ファイチの父親のお墓参りをして、天師と会って「霊符」というお札をもらい、一千年の歴史があるという龍虎山を散策しました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に旅立つ。

・ウニタキ
表向きは地図を作っている重臣の三星大親。
中山王の裏の組織「三星党」の頭領。
妻は尚巴志の叔母のチルー。
尚巴志を守るために一緒に明国に行く。

・ファイチ(懐機)
中山王の客将。
久米村からアランポー一族を追い出し、長史のワンマオと一緒に新しい久米村を造っている。
旧友に会うために尚巴志と一緒に明国に行く。
明国で旧友と再会し、永楽帝とも再会し、師匠のヂャンサンフォンとも再会する。

・ヂャンサンフォン(張三豊)
武当山の道士。ファイチの師匠。
永楽帝が会いたいと思って必死に探しているが、権力者には会いたくないと逃げている。

・シンシン(杏杏)
ヂャンサンフォンの弟子。
両親は山賊に殺され、ヂャンサンフォンに拾われて、ファイチの妹夫婦に育てられる。

・ヂャンチョンシー(張成時)
ファイチの妻の父親。先々代の天師の次男。

・ヂャンリーロン(張麗蓉)
ヂャンチョンシーの孫娘。

・ヂャンユーチュ(張宇初)
龍虎山第43代天師。




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2018年01月15日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 19.刺客の背景

サハチ(尚巴志)たちが武当山で武術修行をしていた頃、琉球では馬天ヌルが久高島のウタキに籠もっていました。
首里のお祭りの時に、ヌルのスズナリが偽者の中山王を殺した事件で、馬天ヌルは自分を責めていました。
ウタキの籠もって一月後、馬天ヌルは九年前にヤンバルでスズナリに会っていた事を思い出します。
馬天ヌルはスズナリを指導していた勢理客ヌルに会うためにヤンバルに向かいます。

中グスクに寄って中グスクヌルと会い、越来グスクに寄って、越来ヌルと会い、勝連に寄って勝連ヌルと会います。
勝連から伊波グスクに行って伊波ヌルと会い、その日は山田グスクに泊まりました。
山田グスクにはサグルーがいて、マウシの妹のマカトゥダルと楽しそうに話をしていました。
馬天ヌルが突然現れたので、サグルーは驚いて、マカトゥダルに馬天ヌルを紹介します。

恩納岳の木地屋の親方、タキチと会って、ゲンという若者の案内で、馬天ヌルたちは名護に向かいます。
名護から羽地に行き、運天泊で勢理客(じっちゃく)ヌルと会います。
勢理客ヌルからスズナリの話を聞いて、山北王が命じたのではないという事がわかりました。



登場人物

・馬天ヌル
中山王思紹の妹。
霊力が高く、各地のヌルたちに慕われている。
娘のササも霊力が高い。
新年の儀式のために先代の中山王に仕えていたヌルたちを集めて指導する。

・ユミー
馬天ヌルの従者のヌル。

・クルー
馬天ヌルの従者のヌル。

・フカマヌル(外間ノロ)
久高島のヌル。尚巴志の母違いの妹、ウミチル。
ウニタキの娘、ウニチルを産む。

・思紹
中山王。尚巴志の父親。
佐敷按司を隠居して、東行法師を名乗り、慶良間の島で若い者たちを鍛える。
一千人の兵を育て、その兵力によって、中山王武寧を倒し、中山王となる。
王となってもじっとしているのは苦手で、兵たちの指導をしている。

・マチルギ
尚巴志の妻。伊波按司の妹。
女子サムレーたちの総大将。
島添大里按司の奥方だが、首里にいる事が多い。
尚巴志が明国に行くと言い出したので、女たちを連れてヤマトゥに行こうと考える。

・奥間大親
ヤキチ。尚巴志を守るために奥間から送られた鍛冶屋。
中山王の重臣。

・チュージ
ウニタキの配下。「三星党」の四天王の一人。

・中グスク按司
クマヌ。
ヤマトゥの山伏で、長い間、思紹に仕えて、中グスク按司になる。

・中グスクヌル
先代の中グスク按司の妹。

・中グスク若ヌル
中グスク若按司(ムタ)の長女、マチルー。

・越来按司
美里之子。尚巴志の叔父。

・越来ヌル
先々代の越来按司の姉。
馬天ヌルに心酔している。

・越来若ヌル
越来按司の娘、ハマ。

・勝連按司後見役
マチルギの兄、サム。クマヌの娘婿。

・平安名大親
勝連の重臣。ウニタキの叔父。

・勝連ヌル
ウニタキの母違いの姉、マミー。

・伊波按司
マチルギの兄。妻は今帰仁の研ぎ師ミヌキチの娘。

・伊波ヌル
マチルギの姉。

・山田按司
マチルギの兄。妻は宇座按司の妹。

・山田ヌル
マウシ(護佐丸)の姉、ウトゥタル。

・サグルー
尚巴志の長男。島添大里の若按司。

・マカトゥダル
山田按司の三女。マウシの妹。

・タキチ
恩納岳の木地屋の親方。

・ゲン
タキチの配下の若者。

・ユシチ
名護の木地屋の親方。

・勢理客(じっちゃく)ヌル
山北王の叔母。神名はアオリヤエ。

・スズナリ
首里のヌル。
以前は浦添のヌルだった。
中山王を殺して、自害する。
先々代の山北王(帕尼芝)の孫。



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2018年01月08日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 18.霞と拳とシンシンと

武当山の山頂にある真武神像をお参りしたサハチ(尚巴志)、ウニタキ、ファイチの三人は山の中で、ヂャンサンフォンから武術の指導を受けていました。
最初にやらされたのは真っ暗な洞窟の中を歩く事でした。
シンシンはさっさと先に行ってしまい、サハチたちは声を掛け合いながら暗闇の中を進みました。
洞窟の中はでこぼこで、水たまりがあったり、行き止まりがあったり、段差があったり、狭い所があったりして、気が狂ってしまうかと思うほど恐ろしい経験でした。
次にやらされたのは五日間の断食でした。
小川の水汲みから始まって、午前中はじっと座って呼吸法の訓練をして、午後は武当拳の稽古でした。
ヂャンサンフォンとファイチの模範試合を見たサハチとウニタキは驚きます。
拳で突いたり、掌で突いたり、足で蹴ったり、敵の攻撃を受け流したりと素早い動きに目を見張りました。
シンシンも思っていた以上に強く、サハチとウニタキはアザだらけになって稽古に励みました。
暗闇の洞窟歩きは一人づつで毎日やらされました。
一人で暗闇の中を行くのは恐ろしく、誰かがあとから付いてくるような気がして、風の音にもびくつきました。
外の光りが見えてくるとホッとして、生きていてよかったと実感します。

人間は生まれたばかりの赤ん坊の時、先の事がわかる予知能力や、遠くで起こった事が見える千里眼や、生まれる以前の遠い過去の記憶など、様々な能力を持っていました。
しかし、人間として育っていくうちに、それらの能力を使う事なく、忘れ去ってしまいます。
人間が本来持っていた、それらの能力を呼び覚ますための修行を積むのが道教だとヂャンサンフォンは言いました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に旅立つ。

・ウニタキ
表向きは地図を作っている重臣の三星大親。
中山王の裏の組織「三星党」の頭領。
妻は尚巴志の叔母のチルー。
尚巴志を守るために一緒に明国に行く。

・ファイチ(懐機)
中山王の客将。
久米村からアランポー一族を追い出し、長史のワンマオと一緒に新しい久米村を造っている。
旧友に会うために尚巴志と一緒に明国に行く。
明国で旧友と再会し、永楽帝とも再会し、師匠のヂャンサンフォンとも再会する。

・ヂャンサンフォン(張三豊)
武当山の道士。ファイチの師匠。
永楽帝が会いたいと思って必死に探しているが、権力者には会いたくないと逃げている。

・シンシン(杏杏)
ヂャンサンフォンの弟子。
両親は山賊に殺され、ヂャンサンフォンに拾われて、ファイチの妹夫婦に育てられる。



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2018年01月01日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 17.武当山の仙人

サハチ(尚巴志)、ウニタキ、ファイチの三人は応天府(南京)から武当山へと向かいます。
軽い気持ちで武当山に行こうと決めましたが、武当山は思っていたよりもずっと遠くにありました。
7日目にシンシンという若い娘を助けて、9日目に南陽という城壁に囲まれた街に着きました。
南陽で三人は薬屋の主人に声を掛けられ、今朝、消えてしまったシンシンも一緒にいました。
薬屋の主人はファイチの師匠のヂャンサンフォン(張三豊)で、シンシンはその弟子でした。
驚いた事にヂャンサンフォンは百六十一歳だと言います。
ヂャンサンフォンは若い頃、日本に行った事があってヤマトゥ言葉が話せました。
サハチとウニタキはヤマトゥ言葉で、ヂャンサンフォンから色々な事を聞きました。

サハチとウニタキはヂャンサンフォンに武術の指導を頼み、ヂャンサンフォンと一緒に武当山に向かいます。
三日目にようやく武当山に着き、山の麓にファイチの妹、ファイホンがいました。
ファイチはファイホンとの再会を喜びます。
次の日、シンシンの案内でサハチたちは武当山に登ります。
山の中には破壊された建物があちこちにあって、再建されずに放置されていました。
南岩という所で崖に突き出した所にある香炉に線香を立てて、その日はヂャンサンフォンの弟子のスンビーユンが管理している朝天宮という道教寺院に泊まりました。



◇張三豊の略歴

1247年、モンゴル支配下の遼東(遼寧省)に生まれる。字は君宝、幼名は全一。
1251年、目の病気に罹り、なかなか治らず失明寸前になる。
1252年、張雲庵(白山上人)の弟子になり、碧落宮で道教の経典と武術を7年間勉強する。
1259年、張雲庵から卒業して、河南省の嵩山少林寺で修行する。
1266年、両親が亡くなり、故郷を離れて、修道の道を求める旅に出る。
     ・陝西省の宝鶏山中にて、「三豊」と号す。
1271年、クビライが元を建国。
1276年、首都臨安(杭州)が無血開城し、南宋が滅びる。
1313年、陝西省の終南山に入り、火竜真人に出会い、金丹大道の修煉法(不老長寿の術)を教えてもらう。
1317年、火竜真人から「辰砂点化法」の秘訣を教えてもらって山から降り、俗世間に戻って修煉する。
1323年、武当山の山麓の玉虚宮で武術の研究に専念する。
1332年、武当山を下りて旅に出る。
1359年、武当山が白蓮教徒によって破壊される。
1368年、朱元璋、明を建国する。
1370年、武当山に戻り、山麓に庵を建てて住む。
1376年、一度息を引き取るが、埋葬される段階でまた生き返る。
1383年、明の洪武帝(朱元璋)から招聘されるが辞退する。
1390年、孫碧雲、朝天宮を再建する。
1394年、孫碧雲、洪武帝と会う。孫碧雲は朝天宮の住持となる。
1402年、永楽帝、即位する。
1407年、永楽帝は武当山に張三豊を探させるが見つけられず。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に旅立つ。

・ウニタキ
表向きは地図を作っている重臣の三星大親。
中山王の裏の組織「三星党」の頭領。
妻は尚巴志の叔母のチルー。
尚巴志を守るために一緒に明国に行く。

・ファイチ(懐機)
中山王の客将。
久米村からアランポー一族を追い出し、長史のワンマオと一緒に新しい久米村を造っている。
旧友に会うために尚巴志と一緒に明国に行く。

・シンシン(杏杏)
ヂャンサンフォンの弟子。

・ヂャンサンフォン(張三豊)
武当山の道士。ファイチの師匠。

・ファイホン(懐虹)
ファイチの妹。リャンウェイの妻。

・リャンウェイ(梁威)
ヂャンサンフォンの弟子。ファイホンの夫。

・スンビーユン(孫碧雲)
ヂャンサンフォンの弟子。朝天宮の住持。



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