2017年11月27日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 12.島影に隠れた海賊船

サハチ(尚巴志)たちは三姉妹と一緒に中洲の隠れ家を引き払って、海賊船を隠している島の近くまで馬に乗って行きました。
半日掛かりで着いた所は小さな漁師の村でした。
海の方を見ると大小様々な島がいくつもあって、海賊船はあの島のどこかに隠れているようです。
小さな家々が建ち並ぶ中に大きな屋敷があって、そこが三姉妹の屋敷でした。

サハチたちはメイファンから、配下の海賊、リュウジャジンとジォンダオウェンを紹介されます。
リュウジャジンはパレンバンに行っていて助かり、ジォンダオウェンは琉球に行っていて助かったのでした。
メイファンはパレンバンの商品を琉球に持って行って、中山王と取り引きをすると言います。
サハチたちはパレンバンの事や明国の海賊の事などを三姉妹から聞きます。
その夜、久し振りに酒を飲んだサハチは酔っ払ったわけではありませんが、自然の成り行きでメイユーと夜を過ごしていました。

翌日、サハチたちは海賊船を見に行きます。
岩陰に隠れていた海賊船には鉄炮(大砲)が積んでありました。
海賊船に乗って沖に出て、ジォンダオウェンは鉄炮を撃ってみせてくれました。
物凄い音がして、サハチとウニタキは驚きます。
ジォンダオウェンは鉄炮と火薬を手に入れると約束してくれました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に旅立つ。

・ウニタキ
表向きは地図を作っている重臣の三星大親。
中山王の裏の組織「三星党」の頭領。
妻は尚巴志の叔母のチルー。
尚巴志を守るために一緒に明国に行く。

・ファイチ(懐機)
中山王の客将。
久米村からアランポー一族を追い出し、長史のワンマオと一緒に新しい久米村を造っている。
旧友に会うために尚巴志と一緒に明国に行く。

・メイファン(張美帆)
福州の海賊ヂャンルーチェンの三女。
父と敵対している海賊リンジェンフォンの長男と駆け落ちして琉球に行き、ファイチと出会う。

・メイユー(張美玉)
福州の海賊ヂャンルーチェンの次女。
広州の海賊に嫁ぐが、敵討ちのため離縁して戻って来る。
尚巴志といい仲になる。

・メイリン(張美玲)
福州の海賊ヂャンルーチェンの長女。
杭州の海賊に嫁ぐが夫は戦死して、息子を嫁ぎ先に残し、娘を連れて帰る。
ウニタキといい仲になる。

・リュウジャジン(劉嘉景)
三姉妹の配下。パレンバンに行っていて助かる。

・ジォンダオウェン(鄭道文)
三姉妹の配下。琉球に行っていて助かる。
山北王と密貿易をするために運天泊に行き、メイファンと再会して連れて帰る。

・ラオファン(老黄)
三姉妹の武術の師匠。

・リェンリー(黄怜麗)
ラオファンの次女。
三姉妹の仲間に加わる。


・チェンズーイー(陳祖義)
広州の海賊で、広州を追い出されて東南アジアで暴れ、進貢船も襲ったので洪武帝、永楽帝の怒りを買う。
永楽帝がパレンバンに送ったジェンフォに捕まって処刑される。

・リャンダオミン(梁道明)
広州の海賊。
パレンバンの王となるが、配下のシージンチンに譲って故郷に帰る。

・シージンチン(施進卿)
リャンダオミンの配下。
チェンズーイーが捕まったあと、ジェンフォによってパレンバンの宣慰司に任命される。

・ジェンフォ(鄭和)
永楽帝の命令で大船団を率いて大航海に出た宦官の武将。




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2017年11月20日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 11.裏切り者の末路

サハチ(尚巴志)たちは三姉妹と一緒に福州の街に行きました。
福州の街も泉州と同じように城壁に囲まれていました。
三姉妹の敵であるチェンイージュンは三姉妹の父親から奪い取った立派な店の主人になっていました。
ファイチが店内の様子を探り、サハチとウニタキは店の周囲を探りました。
サハチがキョロキョロしながら歩いていると刀を腰に差した男に声を掛けられました。
勿論、サハチには言葉がわかりません。
ヤマトゥの刀を差しているので日本人かと思って、日本語で話し掛けたら相手は驚きました。
男は五島の松浦党の者で、松尾と名乗り、ある人に命を救われて、今はその人のために働いていると言いました。

チェンイージュンの店の偵察のあと、サハチたちは福州の街を見物します。
サハチはメイユーから明国の言葉を教わりながら楽しい時を過ごします。
ウニタキはメイリンと、ファイチはメイファンと楽しくやっていました。

明日の夜、チェンイージュンが密貿易をするので、そのあとに襲撃しようと決めました。
チェンイージュンが隠れ家に使っているのは以前、三姉妹が暮らしていた屋敷でした。

次の日、サハチとウニタキは三姉妹から明国の言葉を教わって必死になって覚えていましたが、ファイチは何かをじっと考えていました。
日が暮れて、いよいよ、襲撃の時が迫って来ましたが、ファイチは「おかしい」と言いました。
チェンイージュンは利用されただけで黒幕がいて、その黒幕が今夜、チェンイージュンを殺すかもしれないと言います。
サハチたちはファイチの意見に賛成して、もう少し様子を見る事にしました。

ラオファンという三姉妹の武術の師匠が偵察に行き、やはり、リンジェンフォンの襲撃があったと知らせます。
夜が明ける前、サハチたちはチェンイージュンの隠れ家に向かいます。
隠れ家の中はまるで地獄絵のように、血の臭いが充満していて死体の山となっていました。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に旅立つ。

・ウニタキ
表向きは地図を作っている重臣の三星大親。
中山王の裏の組織「三星党」の頭領。
妻は尚巴志の叔母のチルー。
尚巴志を守るために一緒に明国に行く。

・ファイチ(懐機)
中山王の客将。
久米村からアランポー一族を追い出し、長史のワンマオと一緒に新しい久米村を造っている。
旧友に会うために尚巴志と一緒に明国に行く。

・メイファン(張美帆)
福州の海賊ヂャンルーチェンの三女。
父と敵対している海賊リンジェンフォンの長男と駆け落ちして琉球に行き、ファイチと出会う。

・メイユー(張美玉)
福州の海賊ヂャンルーチェンの次女。
広州の海賊に嫁ぐが、敵討ちのため離縁して戻って来る。

・メイリン(張美玲)
福州の海賊ヂャンルーチェンの長女。
杭州の海賊に嫁ぐが夫は戦死して、息子を嫁ぎ先に残し、娘を連れて帰る。

・ソンフェイ(松尾)
リンジェンフォンに助けられた五島の倭寇、松尾新三郎。
リンジェンフォンの配下になり、チェンイージュンを見張っている。

・ラオファン(老黄)
三姉妹の武術の師匠。

・チェンイージュン(陳依俊)
ヂャンルーチェンの配下。
ヂャンルーチェンを裏切って、役人に密告して、ヂャンルーチェンの店を手に入れる。

・リンジェンフォン(林剣峰)
ヂャンルーチェンと敵対していた福州の海賊。
チェンイージュンを利用して、ヂャンルーチェンを滅ぼす。



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2017年11月13日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 10.麗しき三姉妹

メイファンの配下のスンリーは頼まれた荷物が今日のうちに届くので、明日出発すると言いました。
急いでやって来たサハチ(尚巴志)たちは気抜けしますが、お陰で、泉州の街を見物する事ができました。
無事の船旅のお礼を言わなければならないと、天妃宮に行きましたが、その門の華麗さにサハチとウニタキは驚きます。
不思議な形をして、石で造られた回教寺院がいくつもあり、開元寺という仏教寺院には石でできた大きな塔が建っていました。
その日は見る物すべてが驚きの連続でした。

思っていた以上に、明国は偉大な国でした。
山南王のシタルーの父、汪英紫が明国に行ってから考えを変えたのも当然だと思えました。
あんな小さな島国で戦をするより、交易をして明国から様々な事を吸収しなければならないと思ったに違いありません。
サハチも様々な知識を身に付けて帰ろうと決心します。

泉州の街を歩き回って来遠駅に帰ると、身分証明書が用意されていました。
ファイチはサハチとウニタキに、琉球に逃げて行ったいきさつを話します。
ファイチの父親は龍虎山の道士で、幼い頃の永楽帝に学問や武術を教えていました。
ファイチは科挙に受かって宮廷に仕える事になり、燕王と呼ばれていた頃の永楽帝とも会っていました。
洪武帝が亡くなり、跡を継いだ孫の建文帝は何人もいる叔父たちを排除します。
永楽帝とつながりがあると思われたファイチの両親は殺され、ファイチも命を狙われて琉球に逃げたのでした。

次の日、サハチとウニタキはファイチと同じ道士の格好をして、スンリーと一緒にメイファンがいる福州に向かいます。
山の中で山賊に出会いますが簡単に倒してしまいます。
その山賊たちは弟子にしてくれと言って付いてきます。
山を抜けると大きな川に出て、筏に乗って川を渡り、中洲にあるメイファンの屋敷に向かいます。

見るからに海賊といった格好の三人の美女が出迎えてくれました。
メイファンの姉のメイリンとメイユーで、二人とも嫁いでいましたが、父親の敵を討つために戻って来たのでした。
三姉妹の父親はヂャンルーチェンという有名な海賊でした。
ヂャンルーチェンの父親はヂャンシーチォンといって、洪武帝と覇を競い合いますか敗れます。
ヂャンルーチェンは海賊になって、洪武帝が造った明国を相手に戦っていたのでした。
メイファンが琉球から帰って来ると、両親も兄弟も皆、殺されて、財産もすべて没収されていました。
父親を役人に売ったのはチェンイージュンという父親の配下の者でした。

三姉妹たちは御馳走で持て成してくれましたが、言葉がわからないサハチとウニタキは美人を前にして声を掛けられないと悔しがります。




登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に旅立つ。

・ウニタキ
表向きは地図を作っている重臣の三星大親。
中山王の裏の組織「三星党」の頭領。
妻は尚巴志の叔母のチルー。
尚巴志を守るために一緒に明国に行く。

・ファイチ(懐機)
中山王の客将。
久米村からアランポー一族を追い出し、長史のワンマオと一緒に新しい久米村を造っている。
旧友に会うために尚巴志と一緒に明国に行く。

・スンリー(孫里)
メイファンの配下。

・サングルミー
与座大親。中山王の正使。
山南王のシタルーと一緒に明国の国士監に留学して、帰国後、中山王武寧の正使となる。
明国から帰国すると武寧は亡くなっていて、思紹が中山王になっていたが、思紹に仕える。

・メイファン(張美帆)
福州の海賊ヂャンルーチェンの三女。
父と敵対している海賊リンジェンフォンの長男と駆け落ちして琉球に行き、ファイチと出会う。

・メイユー(張美玉)
福州の海賊ヂャンルーチェンの次女。
広州の海賊に嫁ぐが、敵討ちのため離縁して戻って来る。

・メイリン(張美玲)
福州の海賊ヂャンルーチェンの長女。
杭州の海賊に嫁ぐが夫は戦死して、息子を嫁ぎ先に残し、娘を連れて帰る。

・ヂャンルーチェン(張汝謙)
三姉妹の父親。
海賊になって洪武帝に反抗する。
鄭和の大航海に加わろうとして、福州の街中に店を開くが、配下に裏切られて役人に捕まり、処刑されてしまう。

・ヂャンシーチォン(張士誠)
三姉妹の祖父。
船による塩の運搬と塩の密売をしていたが、挙兵して江北の要地を占領する。
蘇州を都として呉王を名乗り、朱元璋(洪武帝)と覇を競うが敗れる。

・チェンイージュン(陳依俊)
ヂャンルーチェンの配下。
ヂャンルーチェンを裏切って、役人に密告して、ヂャンルーチェンの店を手に入れる。

・リンジェンフォン(林剣峰)
ヂャンルーチェンと敵対していた福州の海賊。




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2017年11月06日

尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 9.泉州の来遠駅

泉州湾に入った進貢船は何艘もの小舟に引っ張られ、広い川をさかのぼって港に入ります。
港は街のはずれにあって、サハチ(尚巴志)たちは川船に乗り換えて、泉州の街に向かいます。
泉州の街は高い城壁に囲まれた城塞都市でした。
サハチとウニタキは広い川に架かった石の橋を見て驚きます。
琉球人の宿泊施設である「来遠駅」は城壁に囲まれた街の外にあり、川から運河がつながっていて船に乗ったまま行けました。

石垣で囲まれた「来遠駅」は思っていたよりも広く、建物がいくつも建っていて、宿泊施設も二階建ての立派な建物でした。
サハチとウニタキとファイチは三人で一部屋に入ってくつろぎました。
別の建物には、先に来ていた山南王の者たちが滞在していました。
山南王の使者は宇座按司の息子で、すでに応天府(南京)に向かっていました。

憧れの明国に来たサハチとウニタキはじっとしていられず、ファイチと一緒に外に出ました。
広い道には石が一面に敷かれてありました。
景色を眺めながら広い道を真っ直ぐ行くと城塞都市に入る大きな門がありました。
街全体を城壁で囲むなんて、サハチたちには考えられない事でした。

その夜、歓迎の宴が開かれて、会場を明るく照らしているローソクに驚きます。
豪華な料理を食べて、綺麗所の妓女たちも参加して、楽しい宴となりました。

翌朝、ファイチを訪ねて来た者がありました。
メイファンの手下で、メイファンの家族が皆殺しにされたと言います。
サハチとウニタキとファイチはメイファンを助けるために使者たちとは別行動を取ります。



・泉州の歴史
1087年、泉州に貿易管理機関である福建市舶提挙司(市舶司)が置かれる。
1250年、蒲寿庚、泉州の提擧市舶になる。
1276年、元、南宋を滅ぼす。
1279年、クビライは楊州、湖南、贑州、泉州四省において日本侵攻用の戦艦600艘の造船を命じる。
1290年、マルコ・ポーロが泉州に来る。
1345年、モロッコ生まれの旅行家イヴン・バトゥータが泉州に来る。
1351年、白蓮教徒の集団が各地で反乱を起こし、紅巾の乱が勃発する。
1352年、城壁を拡張する。
1368年、洪武帝、明国を建国する。
1370年、洪武帝、寧波・泉州・広州に三市舶司を設置する。
1374年、洪武帝、三市舶司を廃止して民間貿易を全面的に禁止する。
1385年、琉球の進貢船が泉州に初めて来る。宿泊施設は寺院。
1403年、永楽帝、三市舶司を復活させて朝貢国の入朝に備える。
1405年、大食(タージー)の屋敷跡に「来遠駅」が設置される。
1469年、福建市舶提挙司が、泉州から福州に移り、「柔遠駅」が設置される。



登場人物

・サハチ(尚巴志)
島添大里按司。
父は中山王の思紹。
妻は伊波按司の妹、マチルギ。
父を中山王にして、明国に旅立つ。

・ウニタキ
表向きは地図を作っている重臣の三星大親。
中山王の裏の組織「三星党」の頭領。
妻は尚巴志の叔母のチルー。
尚巴志を守るために一緒に明国に行く。

・ファイチ(懐機)
中山王の客将。
久米村からアランポー一族を追い出し、長史のワンマオと一緒に新しい久米村を造っている。
旧友に会うために尚巴志と一緒に明国に行く。

・サングルミー
与座大親。中山王の正使。
山南王のシタルーと一緒に明国の国士監に留学して、帰国後、中山王武寧の正使となる。
明国から帰国すると武寧は亡くなっていて、思紹が中山王になっていたが、思紹に仕える。



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