島添大里按司は糸数グスクに総攻撃を掛け、豊見グスク按司のシタルーの活躍によって大グスクを見事に取り返します。
6月になって、サハチ(尚巴志)はマチルギと一緒にヒューガを連れて伊波に行き、伊波按司から今帰仁合戦の様子を詳しく聞きます。
叔父の山田按司が戦死したと聞いて悲しみますが、山田按司が今帰仁按司を殺したと聞いて驚きます。
山田按司は今帰仁グスクに潜入して、今帰仁按司と若按司を殺し、見事に敵討ちを果たしたのでした。
サハチたちは山田グスクに行き、山田按司を継いだトゥク兄さんと会います。
山田按司が戦死した頃、次男が生まれ、その次男はきっと山田按司の生まれ変わりに違いないとトゥク兄さんは言いました。
その次男はマウシと名付けられました。のちの護佐丸です。
サハチたちは宇座によって、隠居した泰期と会ってから佐敷に帰ります。
伊波から帰ってからマチルギのお腹が大きくなってきました。
マチルギのお腹が大きくなるのと同じように、馬天ヌルのお腹も大きくなっていました。
馬天ヌルは恥ずかしがる事もなく大きなお腹で城下を歩き、人から聞かれると「マレビト神の子よ」と言っていました。
人々はその答えに納得していますが、誰もがお腹の子の父親がヒューガだと知っていました。
9月にマチルギは次男のジルムイを産みます。
マチルギは女の子を願っていましたが二人目も男の子でした。ジルムイはのちの尚忠です。
馬天ヌルは娘のササを産みました。ササは第二部で大活躍をします。
登場人物
・島添大里按司
島尻大里按司(山南王)の叔父。
王叔汪英紫という名で、山南王の使者として明国に行く。
今帰仁合戦では水軍の総大将として、鳥島奪回に成功する。
・シタルー
豊見グスク按司。
島添大里按司の次男。後の山南王、汪応祖。
・大グスク按司
島添大里按司の三男、ヤフス。
・マナビダル
ヤフスをだます美女。糸数按司の配下。
・糸数按司
妻は玉グスク按司の娘。
・佐敷按司
尚巴志の父、サグルー。
・サハチ(尚巴志)
佐敷の若按司。
父は佐敷按司(サグルー)、母は先代の美里之子の娘、ミチ。
祖父はサミガー大主(イハチルー)、祖母は大グスク按司の娘、マシュー。
・マチルギ
尚巴志の妻。
伊波按司の次女。娘たちの剣術の師匠。
サスカサからムムトゥフミアガイ(百度踏揚)という神名を授かる。
・ヒューガ
三好日向。武芸者。サハチの師匠。
尚巴志にとって重要な人物となる。
「陰の流れ 第一部」に智羅天として登場。愛洲移香斎に気合いの術と彫刻を教える。
・伊波按司
先代の今帰仁按司の次男。マチルギとサムの父。
・サム
伊波按司の四男。マチルギの兄。
妻はクマヌの娘のマチルー。
・山田按司
伊波按司の弟。マチルギの叔父。
今帰仁グスクに夜襲を掛け、今帰仁按司と若按司を殺して戦死する。
・トゥク
マチルギの兄。義父が戦死し、山田按司を継ぐ。
・マウシ
トゥクの次男。のちの護佐丸。
・宇座の御隠居
泰期。察度の義弟。宇座按司を次男に譲って隠居する。
・クグルー
泰期の三男。母は後妻のナミー。
・馬天ヌル(馬天ノロ)
尚巴志の叔母、マカマドゥ。神名はティーダシル。
久高島から帰って来てからヒューガの屋敷に出入りするようになり妊娠する。
・ジルムイ
サハチとマチルギの次男。のちの尚忠。
・ササ
馬天ヌルとヒューガの娘。
